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『DUNE/デューン』続編情報まとめ ─ 製作の進捗やトリロジー化の可能性、スピンオフ情報まで

DUNE/デューン 砂の惑星
©2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

『メッセージ』(2016)『ブレードランナー 2049』(2017)のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が満を持して手がけたSF超大作、『DUNE/デューン 砂の惑星』が日本でもついに公開を迎えた。満員で埋め尽くされている劇場もあるといい、その光景はまさにコロナ禍前の活気を見せてくれているようだ。

ともあれ、『DUNE/デューン 砂の惑星』を鑑賞した観客からは、今後が気になるといった声が多く寄せられている。それもそのはず、本作で描かれている物語は、フランク・ハーバートの原作小説3部作(新訳版、ハヤカワ文庫SF)で語られている内容の半分に過ぎないのだ。企画当初から、『DUNE/デューン』は2部作構成であることが伝えられてきたが、それでは第2作はいつ公開されるのだろうか。そもそも作られるのか。

本記事では、『DUNE/デューン』の今後について、本記事掲載時点で分かっている情報をまとめてみた。2021年最大級の超大作として熱い視線が注がれてきた『DUNE/デューン』。果たして、その未来とは……。

続編、草稿は執筆済み

ハーバートによる原作は、その難しさと壮大なスケールゆえに映像化が最も困難なSF小説と言われてきた。これまでに、巨匠アレハンドロ・ホドロフスキーが壮大な構想を練り上げたにもかかわらず実現させることが出来ず、デヴィッド・リンチが映画を作っては批評・興行ともに失敗するなど、『DUNE/デューン』の映像化をめぐっては、良い内容は聞こえてこなかった。

そんなある種のプレッシャーをものともせず、現代で『DUNE/デューン』を蘇らせたのが、『メッセージ』『ブレードランナー 2049』をはじめ、『プリズナーズ』(2013)『ボーダーライン』(2015)など、ハリウッドでのキャリアを着々と築き上げてきたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督だ。少年時代にハーバートの小説と出会ったヴィルヌーヴ監督は、上述の通り『DUNE/デューン』を2部作として企画をスタートさせていた。

ヴィルヌーヴ監督にとって、まさに夢の企画である『DUNE/デューン』の続編は、実現する保証も無いままに水面下で進められていた。2021年4月、『DUNE/デューン』でヴィルヌーヴ監督と脚本を執筆したエリック・ロスが、続編パートの草稿が完成していることを明かしていたのだ。

2021年8月下旬には、ヴィルヌーヴ監督自らが、続編について進捗を共有。米Colliderにて、「執筆している最中です」と脚本作業にあたっていることを明かした。草稿が完成していることを考えると、ヴィルヌーヴ監督はロスが執筆した脚本を改稿しているのだろう。もしくは、アイデアに変更があれば本筋の執筆に取り組んでいることも考えられるが、これ以上の詳細については定かでない。

ともあれ、脚本の進捗については前者である可能性が高い。というのも、ヴィルヌーヴ監督は、「正式に(続編の)ゴーサインが出たら、間違いなく2022年中には撮影できます」と話しているのだ。したがって続編が実現するかどうかは、製作の米ワーナー・ブラザース/レジェンダリー・ピクチャーズ次第ということである。

スタジオ側の路線変更、どう影響する?

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の野心作というだけでなく、主演のティモシー・シャラメをはじめ、ゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソン、オスカー・アイザック、ジェイソン・モモア、ジョシュ・ブローリン、ステラン・スカルスガルド、ハビエル・バルデムといった超がつくほどの豪華キャストが揃ってもいる『DUNE/デューン』だ。すでに下地が整いつつある続編の製作に、なぜゴーサインがなかなか出されないのだろうか。

この大きな要因には、2020年12月に米ワーナー・ブラザースがコロナ禍を鑑みて発表した新戦略が挙げられる。同社は、2021年公開予定の映画17作すべてを、劇場公開と「HBO Max」配信の同時リリースにすることを明らかにしたのだ。その後、ヴィルヌーヴ監督は「『DUNE/デューン』のフランチャイズが台無しになってしまったかもしれない」と声明を発表。興行的成功が前提である続編が新戦略の影響によって頓挫してしまうことに、ヴィルヌーヴ監督は大きな危機感をあらわにしていた。

そうした経緯もありながら、『DUNE/デューン』は2021年9月15日に欧州各国で封切りを迎えた。公開初週の世界累計興行収入(計24ヵ国)は、ヴィルヌーヴ監督の前作『ブレードランナー 2049』から52%増となる3,680万ドルを記録。本記事掲載時点における世界興収は1億2,930万ドルに達している。アメリカやイギリス、中国といったメイン市場での公開を控えていることを考えると、制作費の1億6,500万ドルも難なく回収できる勢いだろう。

既報によればヴィルヌーヴ監督は、スタジオ側に『DUNE/デューン』を2部作として作ることを条件として提示したとも伝えられているから、興行的な条件さえ満たせば続編のゴーサインは出ると思われる(と信じたい)。現在はまさに、その決断の最中にあるのかもしれない。

『DUNE/デューン』続編の製作発表時期を予測する上では、同じくワーナー/レジェンダリー作品にして、コロナ禍で公開された『ゴジラvsコング』が好例だ。2021年3月に封切りられた同作は、同年4月中旬までには中国、アメリカ、イギリスといったメイン市場での公開を迎え、およそ2週間後の4月28日に同作に続くモンスターバース新作映画が発表されている

一方、『DUNE/デューン』の場合、10月22日にアメリカ、中国、インドでの公開を一挙に迎える。いずれも興行の要となる地域だが、製作側にこれら主要マーケットでのパフォーマンスを見届けてからゴーサインの可否を決定するという意向があるのであれば、『ゴジラvsコング』の例とあわせて、続編に関する動きは11月中にも見られるかもしれない。

スピンオフドラマ、映画3部作の可能性も

『DUNE/デューン』続編の行方についてはもうしばらく待つしかなさそうだが、一旦道が切り開かれれば、探求するべき“砂漠”は広大だ。その1つとして、映画版のスピンオフドラマ「Dune: The Sisterhood(原題)」が企画されている。レベッカ・ファーガソン演じるレディ・ジェシカも一員であるベネ・ゲセリットの修道女たちに焦点を当てる本シリーズは、映画版と共通した1つのユニバース内で展開。製作もワーナー/レジェンダリーが担当している。ヴィルヌーヴ監督も製作総指揮とパイロット版の監督として参加しており、2021年7月下旬には、脚本・ショーランナーとして「ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー」(2020-)のダイアン・アデム=ジョンが起用された。

さらに2021年8月下旬には、『DUNE/デューン』3部作の可能性まで言及されている。ヴィルヌーヴ監督は、『デューン/砂の惑星』小説3部作に続く続編『デューン/砂漠の救世主』(ハヤカワ文庫SF)の名を挙げた上で、「私は3部作の可能性をずっと探してきました」と語ったのだ。原作小説では、この『砂漠の救世主』にて主人公ポール・アトレイデスの物語が完結する。

遡ること2018年初頭、ヴィルヌーヴ監督は『DUNE/デューン』を「大人向けのスター・ウォーズ」と意気込んでいた。言わずもがな、『スター・ウォーズ』は40年以上も続いてきた一大フランチャイズとして君臨しているが、『スター・ウォーズ』にも影響を与えたとされる『DUNE/デューン』もそれに匹敵するほどの広大な世界と、無限大の可能性を秘めているはずだ。壮大な物語の前章が語られた今、世界の注目は、そう遠くない未来にやってくるであろう『DUNE/デューン』続編に関する発表に集められている。

Source: Collider(1,2),Deadline

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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