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キャプテン・アメリカ役クリス・エヴァンス「すでに寂しい」 ─ 卒業から1年、現在の心境を語る

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)
© Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータイメージ

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のキャプテン・アメリカ役で知られるクリス・エヴァンスは、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)から『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)まで、10年以上にわたってMCUに身を捧げてきた俳優だ。カメオ出演も含め、年に1度は必ずキャプテン・アメリカとしてスクリーンに登場してきたのだから、その貢献度はアイアンマン役のロバート・ダウニー・Jr.にも比肩する。

2019年4月、『アベンジャーズ/エンドゲーム』が劇場公開を迎えたのち、エヴァンスは“ポスト・キャプテン・アメリカ”としてのキャリアを歩み始めている。しかし、長年の積み重ねは簡単に自分の中から消えていくものではないのだろう。今回、米Backstageのインタビューにて、エヴァンスは「マーベルでは本当に良い時間を過ごすことができたので、もう寂しく思っています」と口にした。

もともとエヴァンスは、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』を引き受ける以前、マーベルから2度にわたる出演オファーを断っていたことで知られる。当時のエヴァンスはあまり精神的に良い状態になく、「自分が何者なのか見失いかけていた」とさえ言っているのだ。キャプテン・アメリカとして9本の映画に出演するという巨大な契約は、あまりにも荷が重かったのである。

エヴァンスは親友や恩師に相談し、またダウニーから激励の電話を受け、とうとうオファーを引き受けたといわれる。今回のインタビューでは、当時感じていたプレッシャーと感謝も端的な言葉で語られた。「このキャラクターがどういう人物なのか、多くの方々に大きな期待がありました。観客のみなさんも映画を成功に導く要素のひとつ。観客の考えを自分なりにどう理解するかという点で、僕はみなさんの恩恵にあずかっていたんです」

しかし『アベンジャーズ/エンドゲーム』の公開後、エヴァンスは、自身の抱いてきた葛藤を率直に語ったこともあった。「すごく心配していた時期もあった」「良いヤツだというところが一番難しかった。もっと面白くするにはどうすればいいかと考えてきました」。同時にキャプテン・アメリカという役柄については「神の恵み」「人生で最良の決断だった」と言い切っている。今回の「寂しく思っています」という言葉は、10年という歳月のみならず、真摯に積み重ねてきた思考や葛藤から出てくるものでもあっただろう。

キャプテン・アメリカ役を卒業したのち、エヴァンスは2018年に舞台『Lobby Hero(原題)』に出演し、ミステリー映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)では豪華キャストと共演、Apple TV+オリジナル作品「ジェイコブを守るため」(2020)では約20年ぶりにドラマシリーズに出演した。クリス・エヴァンスのキャプテン・アメリカに会えなくなるのはこちらこそ“寂しい”けれど、きっと今後のエヴァンスは、作品ごとに新たな顔を見せてくれることだろう。

「寂しい」と口にした直後、エヴァンスはこうも言っている。「自分のクリエイティブな欲求を追いかける、完全な自由があることにはとてもワクワクする。そのことは否定できません」

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Source: Backstage

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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