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トム・クルーズ&ブラピで予定していた『フォードvsフェラーリ』、当時の監督が振り返る ─ 完成版は「トムと一緒に観た、2人とも大興奮」

Photo by THE RIVER

マット・デイモンが熱血カーデザイナーのキャロル・シェルビーを、クリスチャン・ベールが気難しい天才レーサーのケン・マイルズを演じた『フォードvsフェラーリ』は、2019年〜2020年の年末年始(日本公開は2020年1月)最大の話題作のひとつとなった。フォード社が社運を賭けて挑んだ1959年のル・マン24時間レースと、その舞台裏にある熱いドラマを描いた本作の製作には、実は長い紆余曲折があった。

当初は『ヒート』(1995)のマイケル・マン監督が2011年頃より製作を進めており、2013年に『オブリビオン』(2013)ジョセフ・コシンスキー監督にバトンタッチ。キャロル役にトム・クルーズが、ケン役にブラッド・ピットが起用されていたのだ。

ところが、企画は一度頓挫。『LOGAN/ローガン』(2017)ジェームズ・マンゴールド監督が就任し、新たに製作が再始動するのは2018年になってのことだ。

我々の知るタイトルは『フォードvsフェラーリ』という分かりやすいものだが、コシンスキー監督が就任していた頃の仮タイトルは『Go Like Hell』だった。この頃の状況についてコシンスキーはこの度、「製作間近というわけではありませんでした。でも、トム・クルーズとブラッド・ピットと脚本の読み合わせをするところまでは進んでいたんですよ」とComic-Con@Homeで明かした。

本読みまで進んでいたにも関わらず、「必要な予算が降りなくて」、一度企画は流れてしまう。その後、ジェームズ・マンゴールド監督とマット・デイモン&クリスチャン・ベールの布陣でついに実現すると、アカデミー作品賞候補となるほどの秀作に。コシンスキーは「素晴らしい出来になったこと、とても興奮して見ていた」と振り返る。

「脚本は同じでした。基本的に(マンゴールド監督の)アプローチは、僕がやろうとしていたことと同じです。本物のクルマ、本物のレース。それを、トムと作ろうとしていました」。コシンスキーはその後、『トップガン マーヴェリック』でトムと再タッグ。『Go Like Hell』で実現させたかった、車体にカメラを固定する手法を、戦闘機のコックピットに置き換えて『トップガン マーヴェリック』で行ったと語る。

マット・デイモンとクリスチャン・ベールに代わったキャスティングについても「キャラクターをうまく演じていたと思う」と絶賛している。「ストーリーも大好き」と喜びながら、自らの手を離れて完成した『フォードvsフェラーリ』は「トムと一緒に鑑賞したんですよ」と続けた。「2人とも大興奮でした。自分が作りかけていた映画を別の誰かが作って、それを観るというのは変な感じでした。でも、本当にいい仕事をしてくれたと思います」。

フォードvsフェラーリ
©2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

ちなみに最初期に就任していたマン監督は、『フォードvsフェラーリ』にも登場した「フェラーリ」創設者エンツォ・フェラーリを描く映画を準備中だ。こちらではフェラーリ役としてヒュー・ジャックマンが交渉中だという。

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Source:Collider

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THE RIVER編集部THE RIVER

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