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【インタビュー】『ジョン・ウィック』コンチネンタル・ホテルは東京にも存在、監督とキアヌが認める ─ 「日本を舞台にしたい」

ジョン・ウィック:パラベラム

ジョン・ウィックさんの戦いは、最新作『ジョン・ウィック:パラベラム』でついにクライマックスへ。キアヌ・リーブス主演のこのシリーズ3作目とあって、アクションはさらに激しく進化する一方。もしかしたら今後、日本でもジョン・ウィックさんの戦いが見られるかもしれない。というのも、来日したチャド・スタエルスキ監督とキアヌ・リーブスが、「日本でも撮影したい」との思いをTHE RIVERのインタビューで語ったのだ。

チャド監督はスタントマン出身で、かつて『マトリックス』(1999)でキアヌのスタントマンを務めていた。映画監督としてデビューしたのはこの『ジョン・ウィック』シリーズからだから、2人の絆は相当に堅い。チャドとキアヌは他にも、『パラベラム』で更にスケールアップしたアクションについても語ってくれた。

ジョン・ウィック:パラベラム

『マトリックス』の学びを『ジョン・ウィック』に

── キアヌ、あなたは『ジョン・ウィック』一作目以降、より一層仕事に励まれているような気がします。このシリーズの出演に手応えを感じたからですか?

キアヌ・リーブス:そうですね。ジョン・ウィックのシリーズもアクションも大好きです。(隣のチャド監督を紹介しながら)僕はただ、このヴィジョナリーな方の機会にあずかっているだけ。僕が1ステップずつこなす毎に、彼がレベルを引き上げてくれるんです。楽しくやらさせて頂いてます。

── おふたりは『マトリックス』の頃から仕事を共にされていますが、アクションへの取り組み方は当時から変わりましたか?

キアヌ:うーむ。僕たちは2人とも『マトリックス』で、アクションそのもの、アクションの組み立て方、そして撮影術について、本当にたくさんの事を学びました。それから、アクションにおけるストーリーテリングについてですね。

チャド・スタエルスキ監督:そうですね。僕とキアヌは、(『マトリックス』シリーズ監督の)ウォシャウスキーとの仕事で色々と勉強させてもらいました。まるで映画学校のような、素晴らしい経験でした。とても良質で、スマートで賢くて、すごくクリエイティブでした。人と一緒に働くということ、協力し合って、自分たちの世界観の中で、自分たちらしさを打ち出していくということ。その始まりは『マトリックス』で学びました。『ジョン・ウィック』1作目でも、そういったことを見出して頂ければ。2作目と3作目でもね。当時より上手くやれているといいのですが(笑)。

今作はシリーズ3作目なので、キャラクターやキアヌの動き方について、より詳しく知った状態になっています。アクションをどう見せるかもよく分かった状態ですね。なので、当時と比べてということであれば、少しは変わっていると思いますよ。でも、ストーリーとアクションを結びつけるという考え方は変わっていません。これはウォシャウスキーに学んだことです。

ジョン・ウィック:パラベラム

── 今作ではガン・フーの他にも、柔術や馬(マー)・フーなど様々なアクションが登場します。これほどのアクションをどのようにして詰め込んだのでしょうか。それから、例えばトム・クルーズは自分でスタントをこなしますが……

キアヌ:Tom Cruise is king!

── (笑)あなたは、どんな風にアクションに挑みましたか?

キアヌ:チャドのストーリーやアクションに対するヴィジョンが元になっています。一生懸命学ぶように努めました。撮影前に時間を作ってね。

チャド:『ジョン・ウィック』シリーズでは、僕やキアヌで大きな壁に好きな映画や音楽、写真や俳優についてのあれこれを貼り付けてアイデアをまとめるんです。たまに、ただビビっときた写真だけを貼るときもあって、キアヌがスーツ姿で砂漠にいるのはそこから着想したんですよ。それからキアヌも僕も西部劇が大好きということで、じゃあ馬に乗ろうと。こんな風に、アクションのアイデアは、他の映画や他のところから得ているんです。黒澤明やベルナルド・ベルトルッチも『マトリックス』も大好きだから、そんなところも取り入れて。

ストーリーに取り入れることもあります。例えば『ジョン・ウィック』一作目では、運命や宿命、カルマが重要でしたが、脅威が表れ、アクションがあって、犬も出てくる。自分たちが大好きな別のものをベースに『ジョン・ウィック』を組み立てているんです。その当時はスティーブ・マックイーンの『ブリット』(1968)が好きで、キアヌをマスタングに乗せたかったんですよ。よし、ジョン・ウィックで車のシーンを作っちゃおうと。組み合わせるアクションとして、柔術、柔道、サンボに銃のテクニックの専門家も世界中から探してきて。可愛そうなキアヌは、そのために5ヶ月も毎日特訓してね(笑)。

でも、そういうプロセスなんですよ。キアヌが仕上がっていくから、僕たちも仕上がったものが書ける。キアヌが上達するものだから、殺陣はほぼ毎日変更していきましたね。キアヌがどんどん仕上がっていくから(笑)。

── ジョン・ウィック役はキツいことも多いと思いますが、演じ続ける最大の理由はなんですか?

キアヌ:この役に要求されることは、僕にとっては贈り物なんです。つまりは機会ですよ。僕はアクションも好きですし、ストーリーテリングも好きですから。こんな風にヴィジョンを持っている監督と巡り会えたのは幸運なことです。キャラクターの心も痛みも大好きです。ジョン・ウィックの戦いも、孤高なところも大好きです。

ジョン・ウィック:パラベラム

アジア映画からの影響

── 演技やアクションについて、アジア映画を参考にしましたか?

キアヌ:はい、ブルース・リーには大きな影響を受けました。

チャド:『燃えよドラゴン』?『死亡遊戯』?

キアヌ:『死亡遊戯』です。

チャド:それから、『七人の侍』の三船敏郎ですね。今作では、キアヌが侍のようなアクションも見せています。

キアヌ:カメラのアングルやストーリーテリングは、日本映画っぽいところがあるかも。それから、いち役者としては違うのですが、僕たちは2人ともジャッキー・チェンから影響を受けています。長いショットで、次々とアクションが切り替わるところが素晴らしいですよね。

チャド:アクションの構想では、アジア映画を参考にしていますよ。日本映画でも、香港映画でも中国映画でも。そうした影響を活かしている映画は多いですが、銃、ガン・フーに落とし込んでいる人は他にいないでしょう。だからキアヌがやっているジョン・ウィックの造形は、誰も観たことがないレベルなんです。今度は、ジョン・ウィックがジャッキー・チェンに影響を与えたら嬉しい(笑)。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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