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『MEG ザ・モンスター』続編は「さらにダークで激しい映画」、シリーズ化も見据えて企画進む

MEG ザ・モンスター
©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., GRAVITY PICTURES FILM PRODUCTION COMPANY, AND APELLES ENTERTAINMENT, INC.

2018年の大ヒット“サメ映画”、ジェイソン・ステイサム主演『MEG ザ・モンスター』には続編の企画が存在する。太古より甦った巨大ザメ・メガロドンと人類の死闘は、これから果たしてどこに向かうのか……。2020年8月現在わかっていることを改めて押さえていこう。

『MEG ザ・モンスター』続編の企画が最初に報じられたのは、2018年8月の米国・中国公開から2ヶ月余りが経過した2018年10月。米ロサンゼルスで開催された「U.S.-China Entertainment Summit」にて、米中合作だった本作のプレゼンテーションが開催されたのだ。エグゼクティブ・プロデューサーのキャサリン・スージュン・イン氏が、その壇上にて続編の計画があることを認めている「まだ極めて初期段階ですが、作業を進めています。(詳しくは)今のところは秘密にしておきたいですね」

一方でプロデューサーのベル・エイブリー氏は、続編の実現どころかシリーズ化にも期待をかけていると明かした。もともと『MEG ザ・モンスター』はSF作家スティーヴ・オルテンが1997年に刊行した同名小説を原作としており、オルテン氏はその続編を第7作まで執筆・刊行している(本記事時点)。すでにエイブリー氏は小説シリーズの映像化権を取得しており、「海中版『ジュラシック・パーク』に」との構想を語った。

MEG ザ・モンスター
© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., GRAVITY PICTURES FILM PRODUCTION COMPANY, AND APELLES ENTERTAINMENT, INC.

当初こそ興行的失敗が危惧された『MEG ザ・モンスター』は、蓋を開けてみれば、製作費1億3,000万ドルに対して全世界興行収入5億3,000万ドル超えのスマッシュヒット。米国で1億4,544万ドル、中国で1億5,303万ドル(海外興収3億8,480万ドルの約40%)という内訳も、中国の映画会社グラヴィティ・ピクチャーズやフラグシップ・エンターテインメントなどが出資した作品としては申し分のない成績だった。なにしろ続編の計画とともに、中国でのテーマパーク・アトラクション化も示唆されたほどである。

その後、2019年3月には続編企画が正式に始動。プロデューサーのロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラが、すでに脚本作業が始まっていることを認めた。さらに、詳細については「(脚本を)読むまでコメントは差し控えたい」としながら、オルテンによる続編小説が基となっている可能性も示唆。時を同じくして、原作者のオルテン自身も「小説の2作目と同じで、映画の続編は海底の科学に基づかなければ。さらにダークで激しい作品となるに違いありません」発言した。実は『MEG ザ・モンスター』はオルテンの原作とはトーンが異なるため、映画化のアプローチには小説ファンの間で賛否が分かれていたが、このときオルテンは「次はそういう方々も惹きつけるものになる」とも述べている。コメントから鑑みるに、オルテンも続編の構想に関与しているということだろう。

なお続編企画の進捗については、この2019年3月のコメント以来、新たな情報は届けられていない。現在も水面下で作業が進められているとみられるが、最新の状況は不明。ジェイソン・ステイサムをはじめとするキャスト陣、ジョン・タートルトーブ監督らの続投も気になるだけに、今後の報道にも注視が必要だ。

この映画の解説はコチラ

Sources: Deadline, Variety, Cinema Blend, /Film, Mr H, Box Office Mojo

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。