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ジョニー・デップ主演、水俣病描く実話映画『Minamata』劇中写真公開 ─ 美波、真田広之、浅野忠信、加瀬亮、國村隼が出演決定

https://www.instagram.com/p/BtTppFTgmkp/ スクリーンショット

『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどのジョニー・デップ主演、1970年代の日本を舞台とする実話映画『水俣(邦題未定、原題:Minamata)』より初めての劇中写真が到着。あわせて日本人キャストも発表となっている。

本作でジョニーが演じるのは、日本における“四大公害病”のひとつ、1950年代に公式に認められた「水俣病」の実状を追った写真家ユージン・スミス。原作はユージン・スミス本人と妻のエイリーン・美緒子・スミスが発表した『水俣:写真集』(三一書房刊、中尾ハジメ訳)だ。

Deadlineによれば、本作には『乱暴と待機』(2010)『Vision』(2018)の美波、「ウエストワールド」シーズン2や『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年4月26日公開)など話題作が続く真田広之『マイティ・ソー』シリーズや『沈黙 -サイレンス-』(2016)の浅野忠信、同じく『沈黙 -サイレンス-』や『硫黄島からの手紙』(2006)の加瀬亮、そして韓国映画『哭声/コクソン』(2016)やローランド・エメリッヒ監督作品『Midway(原題)』の國村隼といった豪華な顔ぶれが結集。キャスティング・ディレクターは、『ラストサムライ』(2003)や『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)などで日米映画製作の架け橋となってきた奈良橋陽子が務める。

なお本作には、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズでデップと共演したビル・ナイも参加しているとのこと。各出演者の役どころは明らかになっていない。

熊本県水俣市のチッソ水俣工場による工業排水に含まれていたメチル水銀を原因とする水俣病は、魚介類を介して熊本県・鹿児島県の住民に中毒症状をもたらした。企業側の隠蔽や政府の対策の遅れなどにより、長期にわたって被害が広がったほか、その後の補償や救済をめぐる問題は現在までつながっている。

映画『水俣』では、第二次世界大戦にて戦争写真家としての功績を評価されたスミスが友人の編集者から依頼を受け、水俣病を取材すべく日本を訪れる様子が描かれるという。実際にユージン・スミスは水俣に居住して患者の姿や病気の実態、その後の様子を克明に撮影。1972年にチッソの工場を取材した際には、従業員(企業に雇われた暴力団員ともされる)の暴行でカメラを破壊されたほか、脊椎を損傷、片目を失明する重傷を負った。

監督を務めるのは、俳優・プロデューサー・映画監督として活躍する『Lullaby(原題)』(2013)のアンドリュー・レヴィタス。水俣病について「過去100年で最も悲惨、しかもあまり知られていない惨事のひとつ」だと述べ、またユージン・スミスについてはその偉業を称えながら「自分の仕事で真実を明かすため、そしてかつてないほど痛烈な写真を撮るために命をかけた」人物だと語っている。

なお製作スタッフは、撮影に先がけて日本にて水俣病患者や家族への面会や取材を行い、サポートを受けながら準備にあたってきたという。2019年2月1日現在、本作は日本にて撮影が進められており、今後はセルビアやモンテネグロでも撮影が実施される。アンドリュー監督は撮影開始にあたって、「出演者とスタッフの一人ひとりが、水俣の人々の声に耳を傾ける」とのコメントを発表した。

映画『水俣(邦題未定、原題:Minamata)』の公開時期は未定。脚本はデヴィッド・ケスラー、撮影監督は『博士と彼女のセオリー』(2014)のブノワ・ドゥローム、美術監督はトム・フォデン&ケヴァン・ヴァン・トンプソンが担当する。

Source: Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。