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『ONE PIECE』実写ドラマ化、いかに尾田栄一郎氏の信頼を掴んだのか ─ 脚本家が会議を振り返る

Netflixオリジナルシリーズ『ONE PIECE』
Netflixオリジナルシリーズ『ONE PIECE』

ONE PIECE』の実写ドラマ化企画をNetflix準備中だ。本作を愛する者は期待と同時に不安も抱えているだろう。実際、原作者・尾田栄一郎も実写化企画の提案を受けた際に、「当たり前だ!!!」と即答で受け入れた訳では無かったようだ……。

この度、本作の脚本を手掛けるマット・オーウェンズがポッドキャスト「THE REVERIE」に登場。原作を愛する大勢の人々が視聴する中、尾田先生との会議の出来事について、以下のように振り返っている。

「週刊少年ジャンプの会社で3時間に渡り、企画の方向性や物語について会議しました。私が如何に原作の物語を敬愛しているのかについても、彼に伝えましたよ。彼は理解を示しながらも、警戒していたと思います。もちろん、その理由は私にも理解できます。会議の後、夕食を共にしたのですが……そこで彼に謝られました。」

オーウェンズによると、尾田先生が謝罪を申し出た理由は、会議中に厳しい態度を取ってしまった為だという。尾田先生は、『ONE PIECE』が如何に自身にとって大切な作品なのか、オーウェンズに理解して欲しかった模様。その後、オーウェンズは更に尾田先生と打ち解ける為に、自分自身の辛い過去について打ち明けたようだ。

「面と向かいながら、彼に話しました。“20代前半の時、本当に酷い鬱病を経験しました。他の事について何も考えずに済み、時間の穴を埋めてくれるシリーズ作品を探していたんです。[中略]その時に『ONE PIECE』を観ようと決意しました”。」

オーウェンズは続けて、自分自身の過去と重ね合わせるかのように、尾田先生に『ONE PIECE』の物語の魅力について、以下のように伝えたのだという。

「誰もが人生の中で経験する悲劇、痛み、悲しみを捉えています。ただ、それらは決して人を定義するものにはならないことも示しているんです。自分を定義するのは、過去と如何に向き合い受け入れて、未来の為に活用するのか。一人で乗り越える必要もありません。あなたに刺激を与えたり、気持ちを高めたりしてくれるような仲間こそ、この世界で最も強い力ですからね。これこそ、私が世界に届けたい物語です。」

『ONE PIECE』には世界一の剣豪ミホークが、戦場で必死に戦うルフィの姿を見て、「能力や技じゃない。その場にいる者達を次々に自分の味方につける。この海においてあの男は最も恐るべき力をもっている……」と呟く場面がある。もしかしたら、オーウェンズが考える物語は、尾田先生が作り上げる作品の本質と共鳴する部分があったのかもしれない。その後、オーヴェンズは「『ONE PIECE』に人生を救われました」と伝えたところ、尾田先生は「今は100%、あなたを信頼しています」と答えたようだ。

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Source: ComicBook.com , THE REVERIE

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。