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アイアンマン役ロバート・ダウニー・Jr.、マーティン・スコセッシの「マーベル作品は映画じゃない」発言に応答 ─ ジェームズ・ガンやサミュエル・L・ジャクソンも

ロバート・ダウニー・Jr. マーティン・スコセッシ
[左]Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/14802403202/ [右]Photo by THE RIVER Remixed by THE RIVER

『アベンジャーズ』シリーズをはじめとするマーベル・シネマティック・ユニバース作品でアイアンマン役を演じてきたロバート・ダウニー・Jr.が、巨匠マーティン・スコセッシ監督による“マーベル作品は映画じゃない”発言に公の場で応答した。

事の発端となったのは、英Empireの取材にて、スコセッシがマーベル映画について問われた際、「観ていません。観ようとはしましたが…あれは映画じゃない」と述べたことだった。「私が考えられるかぎり最も近いのは、良くできたテーマパーク。俳優たちはベストを尽くしていますね。ただし、人間が他者の感情や心に訴えかけようとする映画ではありません」

このたび、米国のラジオ番組「ザ・ハワード・スターン・ショー(The Howard Stern Show)」に登場したロバートは、スコセッシの発言について「彼の意見ですから」と述べ、映画の定義については「劇場で上映されることだと思う」という見解を示した。その後、ロバートは発言を受けての考えを語っている。

「彼(スコセッシ)の意見には感謝します。僕たちはあらゆる考え方が必要なところにいるし、だから(全体の)中心として前進することができるんですよ。」

なおロバートは、「映画じゃない」発言については「ハワード・スターン・ショーをラジオじゃないと言うようなもので、そう言うことに意味はないですよね」とも述べている。

スコセッシは(マーベル映画の)成功に嫉妬なんかしませんよ、マーティン・スコセッシですし。とにかく、この手のジャンル映画はいろんなことを言われるもので、僕はそんな“問題”に参加できて幸せでした。映画の一時代や、映画というアートフォームを傷つけるというね。野獣が足を踏み鳴らすように現れて、ものすごい勢いで競争相手を倒していくなんて、驚くべきことですから。」

ところでロバート自身は、スコセッシの発言をさして重要なこととは捉えていないようだ。なにしろ司会者に、「本気でスコセッシがマーベル映画に怒ってると思ってるんですか?」と尋ね返しているほどなのである。

ジェームズ・ガン、サミュエル・L・ジャクソンらも反応

スコセッシの発言に対しては、マーベル・シネマティック・ユニバースの関係者たちも次々にコメントを発してきた。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのジェームズ・ガン監督は、「マーティン・スコセッシは健在のフィルムメーカーとして大好きな5人のひとり」だとしながら、悲しみの声をあげたのである。

『最後の誘惑』(1988、スコセッシ監督作品)を観ていない人が悪く言う時、僕は怒っていました。彼が今、僕の作品を同じやり方で判断していることが悲しいです。だけど僕はこれからもずっとスコセッシが大好きだし、彼の映画に対する貢献に感謝しています。『アイリッシュマン』を観るのが楽しみです。」

『アベンジャーズ』(2012)『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)のジョス・ウェドン監督は、スコセッシの「他者の感情や心に訴えかけようとする映画ではない」とのコメントを引用し、「最初にジェームズ・ガンのことを思いました。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』には、彼の温かさと勇気が詰まっています」と記した。しかし、「マーティンのことは尊敬しますし、言い分は理解しますが、これは僕がいつも怒っている理由のひとつです」との言葉には、ジャンル映画ばかりを手がけるクリエイターとしての矜持が現れているだろう。

そしてニック・フューリー役のサミュエル・L・ジャクソンは、米Varietyの取材にて、スコセッシの発言について「『バッグス・バニー』は面白くない、って言ってるみたいなものですよ。映画は映画です。誰もが彼の作品を好きになるわけでもない」と話している。「それぞれに意見があっていいと思います。それで誰かが映画作りをやめることにもならないので」。

その頃、スコセッシの盟友はDC映画に出ていた

Sources: Deadline, The Howard Stern Show, Variety(1, 2

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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