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『アベンジャーズ/エンドゲーム』監督、描かれざるキャプテン・アメリカの冒険に意欲 ─ 「最高の物語になる」

アベンジャーズ/エンドゲーム
© 2019 MARVEL

『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)のアンソニー&ジョー・ルッソ監督が、描かれざるキャプテン・アメリカの物語に意欲を示している。クリス・エヴァンス演じるスティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカの物語は同作をもって幕を閉じたが、そこにはまだ大きな謎が秘められているのだ。

この記事には、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』のネタバレが含まれています。

アベンジャーズ/エンドゲーム
© 2019 MARVEL

キャプテン・アメリカ、最後のタイムトラベル

『アベンジャーズ/エンドゲーム』でサノスを倒したあと、キャプテン・アメリカは、ヒーローたちが過去から持ってきたインフィニティ・ストーンを“あるべき場所”へと戻す旅に出る。その後、劇中ではわずか数十秒にも満たない時間を経て、スティーブは年老いた姿で戻ってくることになる。最後の任務を終えたスティーブは、過去でペギー・カーターと再会し、幸せな数十年間を過ごし、そして現代に帰ってきたのだ。

その間、スティーブの身にはどんなことが起こったのだろうか。たとえばソウル・ストーンを返しに行った先で、きっとスティーブは“番人”となったレッドスカルと再会したはずだ。たとえ特別な事件が起こらずとも、『マイティ・ソー』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『ドクター・ストレンジ』の世界観にキャプテン・アメリカが入り込めば、そこにはさまざまな冒険があったのではないか。そして、ペギーと再会した後には……。この“描かれざる冒険”は、観客の想像をかき立てるには十分すぎるほどだった。

ジョー監督は米ComicBookMovieにて、キャプテン・アメリカの最後の時間旅行について、仮に描かれるとすれば「間違いなく素晴らしい物語になる」と語っている。「描く必要があるかどうかはわからないけれども、最高の物語になるでしょうし、僕たちは描きたいと思っています」。そう、すでに意欲十分なのである。

アベンジャーズ/エンドゲーム
© 2019 MARVEL

そもそも、スティーブのタイムトラベルには今も謎が残されたままだ。キャプテン・アメリカは純粋に過去に戻ったのか、それともエンシェント・ワンが言ったように過去で「新しい未来」を作り、パラレルワールドを生きたのか。スティーブとペギーが踊るラストシーンについて、ジョー監督は「どこか別の時間、別の場所」だと述べ、パラレルワールドだと認めていた。しかし、この見解は脚本家たちとさえ一致しておらず、真相はわからない。

以前、キャプテン・アメリカ役のクリス・エヴァンスは、この大きな謎について「絶対に解決される」と強調。また、どのようにスティーブが現代に戻ってきたのかという疑問に関して、ジョー監督も「いつか明かされるでしょう」語っていた。むろんこれらの秘密は、ことごとく“描かれざるキャプテン・アメリカの冒険”に結びつくものである。

しかしながら、謎が解明される日は(仮に実現するにせよ)ずいぶん先になりそうだ。エヴァンスはキャプテン・アメリカからの“卒業”を明言し、近々の再演には否定的。ルッソ兄弟は多数のプロジェクトを抱えているし、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)自体も新たな展開へ歩みを進めている。今回、ジョー監督もMCUについて「今では別の物語が前進していますから」と口にした。ふさわしい企画ならばMCUに復帰するというルッソ兄弟だが、“描かれざる物語”のため、エヴァンスとともに帰ってくることが果たしてありうるかどうか……。

ちなみに『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)からMCUに参加したルッソ兄弟は、キャプテン・アメリカにとりわけ深い思い入れを持つ。『エンドゲーム』でもスティーブを“案内人”として、物語の重要な局面では彼を頼ったというのだ。いわく、クライマックスの「アベンジャーズ、アッセンブル!」というセリフもキャプテン・アメリカ以外にはありえなかったそう。ほかのヒーローに言わせるという選択肢を検討したかどうかも思い出せないほどだという。

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Source: ComicBookMovie

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。