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どうなる『ワンダーウーマン 1984』、監督は劇場公開を100%支持 ─ 「映画館に行くことが永遠に失われかねない」

ワンダーウーマン 1984
© 2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC Comics

2020年12月25日(金)公開予定『ワンダーウーマン 1984』は、もはや2020年の映画館に残された最後の大作映画となった。『ブラック・ウィドウ』『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』『DUNE/デューン 砂の惑星』が相次いで2021年への延期を決定し、ディズニー&ピクサー『ソウルフル・ワールド』が劇場公開を断念した今、ワーナー・ブラザースは『TENET テネット』に続いて大きな決断を迫られている。

『ワンダーウーマン』(2017)に続いて監督を務めたパティ・ジェンキンスは、映画館と映画業界について「もし運転を止めてしまったら取り返しのつかないことになる。映画館に行くということが永遠に失われかねません」と米Reuterにて警鐘を鳴らす。先日、ジェンキンス監督は、映画館への支援を求める連邦議会への嘆願書に、マーティン・スコセッシやクリストファー・ノーラン、クリント・イーストウッドらとともに名を連ねたばかりだ。

監督たちの危機感は、映画館の営業が再開できないことで、ハリウッドの大手スタジオが映画館での上映に投資せず、配信でのリリースに軸足を置くようになるのではないかという予測に起因する。実際、ディズニーの大作アクション映画『ムーラン』をはじめ、いくつもの映画が劇場公開を断念した。ジェンキンス監督は「音楽業界と同じようなことが起こるかもしれません。利益が生まれなければ業界全体が潰れかねない」と語る。「子どもたちに映画を観せる時、リビングルームしか選択肢がない世界に住みたい人なんていないと思います。(リビングは)デートに出かける場所じゃないし」。

現在、ジェンキンス監督は『ワンダーウーマン 1984』の劇場公開にあくまでもこだわる姿勢を示している。新型コロナウイルスの影響はいまだ大きいが、監督は本作について「(映画館に)戻ってくる、みなさんの生活に入り込む、そんな最初の映画のひとつにできればと心から願っています」と語り、Twitterでは「配信に直行するという話はありません」とも明言された。「私たちは劇場体験を100%支持しますし、愛すべき映画館業界をサポートします」。

一方、映画ファンやジャーナリストの間では、ワーナーが『ワンダーウーマン 1984』を再び公開延期するのではないかと予想する声も少なくない。米Observerは2021年への公開延期は避けられないと見ており、Box Office Proのアナリストであるショーン・ロビンス氏は、2021年6月が公開時期として有力ではないかと予想した。

映画『ワンダーウーマン 1984』は2020年12月25日(金)全国公開予定。

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Source: Reuter, Observer, Patty Jenkins

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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