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終始スリリング…JJエイブラムス監督最新映画『10 クローバーフィールド・レーン』レビュー

『10 クローバーフィールド・レーン』評価・感想

2008年に公開された『クローバーフィールド HAKAISHA』の流れを組む作品だ。

恋人とのトラブルから 荷物をまとめ部屋を飛び出したミッシェル(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は、車の運転中に 恋人からの着信に気を取られ事故に遭う。
目が覚めると、その右足は鎖に繋がれ小さな部屋に閉じ込められていた。
腰に銃を携えた老年の太った男 ハワード(ジョン・グッドマン)は言う。
ここが地下シェルターであること
アメリカが攻撃を受け、外は放射能によって汚染されていること
殆どの人間が死んだこと
自分がミッシェルを助けたこと
外に出ることはできず、ここで暮らしていくしかないということ

数日前にシェルターに来たというエメット(ジョン・ギャラガー・Jr.)を加え、起きている事態に何の確証も得られないまま 3人の共同生活が始まる。

クローバーフィールドをご覧になっている方はお分かりだろう。
その災害が 厄災が 破壊者がなんであったのかを。

しかし、今作の軸は 主として描かれていたのは「人」であった。

終盤はやや力技であった気もするが、その状況下に置かれた際の人間の心の機微を丁寧に描いていた。

ぼくらは行動を起こす時、何かしらの動機を持ち合わせている。
自らの意志を 選択を持って行動するからこそ、どんな結果になろうとも 己の心で受け止められる。
受け止めるのに痛みが伴ったり 時間がかかる場合もあるが、己の心で向き合う覚悟を持てる。

ぼくは映画館に行く。
映画が好きだから その作品を観たいから映画館へ足を運ぶ。
結果的につまらない クソみたいな作品であったとしても、それを観ようと決めたのは自分
金を無駄にしたと思っても、その選択をした自分自身の責任だ。
すべて己の問題であるからこそ、その経験を糧にすることだってできる。

だが、そこに自らの意志や想いがなかったら
意図せず降りかかってきたものだとしたらどうなるだろう。

それらが伴わない時に生まれるのが不安や疑念
果てには怒りや憎しみ

ミッシェルは自らの意志でシェルターに来たわけではない
外に出て 自らの目や耳で事実を確認しない以上、ハワードの言うことを鵜呑みにはできない
そんな状態で、ハワードの定めたルールの下に生活をしなければならない

そんな状態では心に枷が付き纏う。
その枷をしたまま生きるのは苦痛だ。

何一つ納得して前に進むことができない。

人に言われるがまま生きている方が時にはラクな場合もあるが、そこに自らのアイデンティティは生まれない。

そんな生き方は地獄だ。

そういった当たり前の道理を 人の心の在り方を自然に描いていた。
それを描くにあたってのシチュエーションが、非日常であり 不気味であることが今作の魅力だと思います。

多くを語るとネタバレになり兼ねないため こんなことしか書けません。

ハッとさせられるような意外性はありませんでしたが、終始スリリングな人間模様を楽しむことができました。

Writer

ミヤザキタケル
ミヤザキタケル

映画アドバイザー 元俳優 ライター 映画イベントMC。Instagramを中心に最新映画から懐かしの映画まで幅広く紹介。「ファイトクラブ」 「GO」「男はつらいよ」がバイブル。好きな監督はウディ・アレン。お仕事のご依頼はa.safety.pin.storm@gmail.comまでお願い致します。

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