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2017年最新キラー・クラウン映画事情!忍び寄るのは『イット』のペニーワイズだけじゃない

2016年、世界に“感染”したクラウン騒動

昨年(2016年)、アメリカのサウスカロライナ州グリーンヴィルに端を発した不気味なクラウン目撃騒動を覚えているだろうか。騒動のきっかけは、2016年8月、グリーンヴィルにあるフリートウッド・マナー・アパートメントの裏手で、不気味な容姿のクラウンが子供たちを森の中に誘い込もうとした出来事だった。

当初その出来事は、クラウンを題材にしたホラー映画のプロモーションだという噂が飛び交った。同時期に劇場公開されていたロブ・ゾンビ監督の『31』や、製作中のリメイク版『イット』の製作チームが、作品のプロモーションとして、クラウンの扮装をしたスタッフに街を歩き回らせたのではないかというのだ。しかし結局、そのような事実は一切なかったという。

もっとも同じころ、ウィスコンシン州グリーンベイで目撃された不気味なクラウンは、アダム・クラウス監督が製作していた短編映画『Gags』のクラウンだったそうだ……。

その後、クラウン目撃の話はソーシャルメディアなどを通じて瞬く間に全米に広がりを見せ、人々に“感染”した。ノースカロライナ州コロンバスでは、“ホワイトヴィルのクラウン”と名乗るコピーキャット的な愉快犯によって、インターネットを通じて地域の学校に襲撃予告がなされ、全米各地の警察にはクラウンの目撃情報が数多く届き、一時はFBIまでもが動き出す事態となったのだ。大手ハンバーガー・チェーンのマクドナルドが、例のドナルド(正式にはロナルド)の露出を控えるとまで発表する事態にもなっていたっけ……。

こうしたクラウン騒動は、ヨーロッパをはじめとした全世界へと拡大し、深刻な社会問題に発展した。しかし、2016年10月31日のハロウィンを境に、不気味なクラウンはいきなり影を潜めたのである。

コルロフォビア(道化恐怖症)

とある学説によれば、これは“ファントム・クラウン”という現象であり、アメリカでは過去数十年間に、たびたび同じパターンでクラウンが目撃されているという。そしてそれは、2016年と同様、ハロウィン前の数ヶ月間に起こったそうである。もっとも今回の騒動がここまで拡大した背景には、全世界に普及したインターネットやソーシャルメディアの存在があるはずだ。

この“ファントム・クラウン”に関連するもののひとつが、欧米に蔓延る“コルロフォビア(Coulrophobia)”である。日本語に訳すと“道化恐怖症”、つまりサーカスなどでお馴染みの“ピエロ”に異常な恐怖心を抱く病的心理のことだ。そもそもクラウンが日常的ではない日本では、厳密な意味でのコルロフォビアに悩んでいる方は少ないかもしれない。しかし欧米ではコルロフォビアに悩まされる人々も多く、たとえばジョニー・デップも重度のコルロフォビアなのだという。

日本では道化師を“ピエロ”と呼びがちだが、厳密には、ピエロはサーカスの「一番のおどけ役」を指すという。 (『クラウン』より © 2014 Vertebra Clown Film Inc.) http://horrorfreaknews.com/clown-2016-review
日本では道化師を“ピエロ”と呼びがちだが、厳密には、ピエロはサーカスの「一番のおどけ役」を指すという。

(『クラウン』より © 2014 Vertebra Clown Film Inc.) http://horrorfreaknews.com/clown-2016-review


さて、前置きが随分長くなってしまった。この“コルロフォビア”の影響かどうかはわからないが、欧米のホラー映画には、クラウンを恐怖の対象として描いた作品が非常に多く製作されている。今回は2017年に公開が予定されている、恐怖のクラウン映画をいくつかご紹介しよう。

忍び寄るのはペニーワイズだけじゃない!

2017年、最も注目されているクラウン映画といえば、アンディ・ムスキエティ監督によるリメイク版『イット』だろう(2017年9月8日に米国公開予定)。本作は2部作の“前編”にあたり、後編の撮影はこれから行われる予定だ。

『イット』の原作であるスティーヴン・キングの同名小説は、1990年にもテレビ映画として実写化されているので、そちらをご覧になった方も多いと思う。もちろん『イット』の肝は、恐怖のクラウン“ペニーワイズ”であり、リメイク版である今回はスウェーデンの俳優ビル・スカルスガルドが演じている。この2017年版『イット』については、以前公開されたこちらの記事に詳しい。

さて、もうひとつの注目株は、ヘインズ・ホイットモア監督による『クルピトゥス(原題:Crepitus)』という作品だ。こちらは2017年10月に米国での公開が予定されている。

Writer

Mujina
MujinaMujina Tsukishiro

普段はあまり摂取しないコーヒーとドーナツを、無駄に欲してしまう今日この頃。You know, this is - excuse me - a damn fine cup of coffee.

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