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前代未聞、本物の犯人が登場する映画『アメリカン・アニマルズ』は、こうしてドキュメンタリーとドラマを融合させる

アメリカン・アニマルズ
© AI Film LLC/Channel Four Television Corporation/American Animal Pictures Limited 2018

映画『アメリカン・アニマルズ』は今年最も大胆な映画だ。冒頭に「これは事実に基づく映画ではない。事実だ。」というテロップが登場するこのクライム映画は、なんと実際の犯人グループとその家族も登場して、事件を回顧するドキュメンタリー部分を取り入れている。

本作は、トランシルヴァニア大学で実際に起きた事件を描いた100%リアル・クライム映画。犯人は大学生4人組、狙うは図書館に保管された12憶円のヴィンテージ本。犯罪初心者の彼らは、『レザボア・ドッグス』や『オーシャンズ11』など、往年の犯罪映画をお手本に強盗計画を企てていく。

『アメリカン・アニマルズ』が他の犯罪映画と一線を画すのが、実際の犯人が犯人役として映画に登場するという驚きの演出。ここでご紹介するのは、その実際の映像だ。

『X−MEN』シリーズのクイックシルバー役としても知られるエヴァン・ピーターズや『ダンケルク』(2017)『聖なる鹿殺し』(2017)のバリー・コーガンといった人気俳優陣が事件当時の彼らを演じ、現在から過去を振り返るという形で犯人本人たちがそれぞれのエピソードを語っていく。

アメリカン・アニマルズ
© AI Film LLC/Channel Four Television Corporation/American Animal Pictures Limited 2018
アメリカン・アニマルズ
© AI Film LLC/Channel Four Television Corporation/American Animal Pictures Limited 2018

実際の人物を演じる事になった俳優陣は、それぞれの方法で自分の役へのアプローチを試みるが、例えば主役のエヴァン・ピーターズは、実際の事件に関する警察の報告書を読んだり、撮影前に本人にも取材している。頭脳派エリックを演じたジャレッド・アブラハムソンは、エリック本人の書いた手記を読んだり、本人と電話やメールを通じて交流しており、エリック本人が事件当時に聞いていた音楽のプレイリストを聴くなどして役作りに没頭した。筋肉ヲタクのチャズ役のブレイク・ジェナーは、本人に関する情報を全く入れず、強盗事件に関する記事を読み込み、犯罪者の心理について理解を深めたという。

ドラマとドキュメンタリー部分が絡み合いながら、アメリカ犯罪史上最も愚かな強盗計画をリアルに描き出す『アメリカン・アニマルズ』は、2019年5月17日(金)新宿武蔵野館、HTC渋谷ほか全国ロードショー。

『アメリカン・アニマルズ』公式サイト:http://www.phantom-film.com/americananimals/

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THE RIVER編集部THE RIVER

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