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ネオモーフの誕生をVR体験!『エイリアン:コヴェナント』のプロモーションますます加熱中

『エイリアン』愛好家が待ち望むシリーズ最新作、リドリー・スコット監督の『エイリアン: コヴェナント』が、米国公開まで遂に一ヶ月を切った。本作品に関しては、昨年(2016年)の末から今日まで様々なプロモーションが展開されており、いよいよ公開間近となった現在も依然としてその勢いは衰えず、ラストスパート的様相を見せている。

特に映画プロモーションにおいて最も強力なツールである予告編映像には非常に力を注いでいるようで、従来のような単なる本編映像の予告だけに留まらず、本編では描かれていない補足的な要素を映像化し事前に公開するという新たな切り口により、グイグイとその世界に引き寄せていくという手法を採っている。

例えば、人間の新たな植民地を求めて遠方の惑星を目指すコヴェナント号のクルーたちによる、船内での“Cryosleep”(冷凍睡眠)前の食事風景を描いたプロローグ「Last Supper(最後の晩餐)」や、コヴェナント号に乗船しているアンドロイドのウォルター誕生に触れた「Meet Walter」など、従来であれば本編公開後のソフト化に際して付随してくる特典的な趣の映像を、あえて本編のプロモーションとして利用しているのである。

クルーたちの“ビデオ・メッセージ”

また最新のプロモーションでは、コヴェナント号のクルーたちが自ら記録したビデオ・メッセージ映像と、コヴェナント号が到着した新たな惑星で撮影された映像の断片を組み合わせた、いわゆる“ファウンド・フッテージ”的手法の短い予告映像シリーズ「Crew Messages」なるものも公開されている。これは、先頃リドリー・スコットがプロデューサーを務めた最新ファウンド・フッテージ映画『フェニックス・フォーガットン(原題:Phoenix Forgotten)』の影響によるものではないのかと個人的には睨んでいるが、果たして真相は如何に?

ちなみにこのメッセージ・シリーズは現在までに5名分が公開されているが、おそらく本編公開までにクルー全員のものが公開されるに違いない。

これらのプロモーション映像は、本編では描かれていない部分をメインに構成されているため、例えば「予告編を観ちゃうとネタバレが多すぎてさ、本編鑑賞時の楽しみが損なわれるよ……」という人々への訴求も考慮に入れられているのではないのだろうか。

まもなく登場、VRプロモーション作品

そしてさらに、本作品のプロモーションは次なる展開を見せつつある。20世紀フォックスによって公開された以下の映像をご覧いただきたい。

この「Alien: Covenant In Utero | A Virtual Reality Experience」と題された映像は、2017年4月26日に提供開始されるVR(ヴァーチャル・リアリティ)プロモーション作品の予告映像である。「In Utero」とは「胎内」あるいは「子宮内」という意味であり、つまりこの作品の内容とは、タイトルと予告映像から察するに、本編に登場する例の“ネオモーフ”の誕生を自らがネオモーフとなって疑似体験できるというものではないだろうかと推測する。プロモーションの視点が人間側だけに留まらず、もはやエイリアン側にまで及んでいるのがなかなか興味深いが、もしかするとこのネオモーフ視点というのは、作品の中で描かれている重要なテーマにも密接に関係してくる可能性があるのではないだろうか。

ちなみにこのVR作品は、オキュラス(Oculus)社が開発・発売しているVR用ヘッドマウントディスプレイ“リフト”(Rift)向けに開発されているらしく、それがないと体験することが出来ないようなので、ちょっとハードルが高いけれどね……。

というわけで、公開まで残りわずかのこの時期にもなお、新たな展開を見せ続ける『エイリアン: コヴェナント』のプロモーション戦略、今後もまだまだ期待出来そうである。

本作品の米国公開は2017年5月19日、日本公開は9月某日。日本公開もっと繰り上げて、せめて7月くらいにしてよ!

Eyecatch Image: https://www.youtube.com/watch?v=jBTGCNx0144
©2017 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.
©2017 ADVANCED VISUAL ENTERTAINMENT, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

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MujinaMujina Tsukishiro

普段はあまり摂取しないコーヒーとドーナツを、無駄に欲してしまう今日この頃。You know, this is - excuse me - a damn fine cup of coffee.