マッツ・ミケルセンは踊りたくなかった ─ 『アナザーラウンド』ラストシーン、嫌がっていたら監督に「黙って」と言われてしまう

2021年アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した映画『アナザーラウンド』の印象的なラストシーンで、マッツ・ミケルセンはずっとダンスを拒み続けていたのだという。最終的には監督に「黙って」とまで言われてしまったようだが……?
『アナザーラウンド』は、「血中アルコール濃度を常に0.05%に保つと仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」という説を証明するために、ミケルセン演じる冴えない高校教師らが常に飲酒を続け、人生がどう変化するかを確かめていくという物語。ラストシーンでミケルセンは、情熱的なダンスを披露する。
このシーンでは、元ダンサーであるミケルセンの技能が存分に活かされている。ミケルセンはかつてデンマークの現代バレエグループに所属し、1996 年(31歳)で演劇学校に入学するまでの約10年間、プロのダンサーとして活動。バレエカンパニーを辞めて以来全く踊っていなかった。『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』で社交ダンスを披露したことはあったが、映画で本格的なダンスを披露するのは本作が初めてとなった。
しかし当のミケルセンは当初、この映画のラストで踊らなくてはいけないことが理解できなかったのだという。「あの映画のあの部分は、僕は断り続けていたんです。別のエンディングにして欲しかった」と、ミケルセンは米Deadlineに告白している。
「ダンスをするのは嫌でした」と続けるミケルセンによれば、断りたかった理由は「何か違う、大袈裟だと思いました。リアリスティックな映画だったから、あのリアリスティックな中にどうやって押し込むつもりなのか、僕には理解できなかった」ため。ミケルセンより4歳年下のトマス・ヴィンターベア監督は様々なやり方でミケルセンの説得を試みなくてはならなかった。しかし……。
「最終的に、“いいですか、僕が監督なんです。黙ってて”と言われました。僕は“オーケー、わかりました、やりましょう”と。彼が正しかったですね。」

監督の熱意に押され、ついにダンスに挑んだミケルセン。その仕上がりには大満足しているようだ。「僕が間違っていました。彼がこだわってくれてよかった」と振り返るミケルセンは、このシーンについて「僕がこれまで出演した映画の中でも最も美しいエンディングになりました」と話している。
こうして完成した映画『アナザーラウンド』は、その年のアカデミー賞で国際長編映画賞を受賞したほか、各映画賞で大きな話題となった。マッツの熱演はもちろん、映画の最後に力強い印象を残させたダンスシーンの功労も大きいことは言うまでもない。

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Source:Deadline