『アクアマン』ジェイソン・モモア、『ゲーム・オブ・スローンズ』ドロゴ風に演じて監督に「違うキャラクターだからね」とたしなめられていた

DC映画『アクアマン』は、ジェイソン・モモア演じるアクアマンのパワフルかつユーモア溢れる魅力もふんだんに楽しめる作品だ。実はこの作品でジェームズ・ワン監督は、ジェイソン・モモアから快活な一面を引き出すのに少し苦労があったという。
アクアマンと言えば、シリーズ前作『ジャスティス・リーグ』(2017)にも登場。全身にタトゥーの入った筋肉隆々の身体で、長髪をなびかせながら、大海の色をした瞳で睨みつける。大酒飲みで、武骨な武闘派といったヒーローだった。

ところが『アクアマン』では、『ジャスティス・リーグ』に見られたタフガイらしさはそのままに、どこかオトボケなユーモアが加えられた。このキャラクター性によって、『アクアマン』には明るいエンターテインメント性が加えられている。
もちろん、ジェームズ・ワン監督によるディレクションあってのものだ。監督は米Cinemablendに「ジェイソンからしてみれば、僕は彼に慣れないことをやらせたのかもしれない」と語っている。撮影中、こんなやりとりがあったという。
「彼に”ジェイソン、ちょっと怒りを出しすぎだよ”って指示することが何度かありました。すると彼が僕を見て言うんです。“ジェームズ、俺はこうするために雇われているんだぞ!カール・ドロゴだぞ!これで金を貰っているんだぞ!”」
カール・ドロゴとは、ジェイソンがドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」で演じた役。放浪の騎馬民族ドラスク人の勇ましい族長だ。劇中では決闘相手の舌を引き抜くなど猛々しいキャラクターだったが、ジェイソンは『アクアマン』時もこうしたワイルドさを出しすぎることがあった。そのためジェームズ・ワンは、次のように彼を手なづけたという。
「”それは凄いよ、カール・ドロゴ役には良いね、でも今回は違うキャラクターを作るんだからね。この映画でも力強さを見せる場面はたくさんあるけど、今のシーンではもうちょっと気軽で明るいところを出して欲しいなぁ、そうしたら映画としても有り難いんだけどなぁ。」

「ジェイソン・モモアがタフで強いことは誰でも知っている。僕は彼の、明るくておバカな一面を引き出したかったんです。そこを引き出すのは大変なことでした」と語るジェームズ監督は、「『ジャスティス・リーグ』時のキャラクターで全てを作る必要はないと思っていました。ちょっと重くなりすぎると思ったんです。ジェイソンと初めて会った時、こんなに面白くてカリスマ性のある人なのかと驚きました。”君のそういう一面をスクリーンで描きたい、もっとそういうパーソナリティを映画で観たい”と思って、そうしたんです」と振り返っている。
この方向性が功を奏し、『アクアマン』は世界でDC 映画史上 No.1の興行成績を記録し、ワーナー・ブラザース映画の歴代でも『ハリー・ポッターと死の秘宝 Part2』(2011)に次ぐ 2 位となる大ヒットを記録している。
『アクアマン』は大ヒット公開中。
『アクアマン』公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/aquaman/