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『クレイジー・リッチ!』監督&俳優、『search/サーチ』上映買い取りで大ヒットのバトン渡す ― 「#AsianAugust」を見逃すな

クレイジー・リッチ!
© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT

2018年8月、米国ではアジア系クリエイターによる長編映画に大きな注目が集まっている。
ベストセラー小説『クレイジー・リッチ・アジアンズ』(竹書房刊)を映画化したクレイジー・リッチ!(2018年9月28日日本公開)は米国で公開後3日間の興行成績第1位を記録する大ヒット、早くも続編の企画が動き始めている。そして、このタイミングでの米国公開を迎えるのが、弱冠27歳のインド系アメリカ人監督アニーシュ・チャガンティによるサスペンス映画search/サーチ(2018年10月26日日本公開)である。

『クレイジー・リッチ!』の盛り上がりを、いかに『search/サーチ』へ繋げるか。『クレイジー・リッチ!』のジョン・M・チュウ監督と主演俳優ヘンリー・ゴールディングは、自らのヒットを後押しした“ある取り組み”で、『search/サーチ』へバトンを渡そうとしている。

クレイジー・リッチ!
『クレイジー・リッチ!』© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT

「上映ごと買い取る」という発想

『クレイジー・リッチ!』の米国公開前、あるムーブメントが米国で起こっていた。「#GoldOpen」というハッシュタグ付きで語られたこの動きは、ハリウッドにおける同作の重要度をアピールする支援者たちが、『クレイジー・リッチ!』を上映ごと買い取り、できるだけ多くの観客に無料で見せるという取り組みだった。“まずは観てもらわないと始まらない”のである。歌手や実業家、クリエイターをはじめとしたアジア系アメリカ人の支援者を中心に「#GoldOpen」は広がり、このことは『クレイジー・リッチ!』という作品の盛り上がりや大ヒットに繋がったのである。

こうした経緯を、ジョン監督やヘンリーは誰よりもよく認識していただろう。二人は『search/サーチ』の上映を買い取ることで、そのヒットに貢献しようと動き出した

『search/サーチ』は、突如姿を消した娘の行方を、父親がパソコンを使って追いかける、“物語がすべてPCの画面上で展開する”新感覚のサスペンス映画。主演は映画『スター・トレック』シリーズのスールー役のジョン・チョーが務めている。サンダンス映画祭2018で観客賞を受賞するなど、すでに作品としての前評判は上々だ。

この動きを受けて、『search/サーチ』のアニーシュ監督は、Twitterを通して「ありがとうございます。ほんとに、ほんとに、ほんとに最高」と喜びの声を発している。『クレイジー・リッチ!』に続いて、同作の上映を買い取る動きは少しずつ広がっており、公開規模こそ違えど、こちらも大きな盛り上がりに期待が高まるばかりだ。

search/サーチ

なお“映画の上映を買い取る”という動きは、『クレイジー・リッチ!』や『search/サーチ』に限ったことではない。米国で社会現象となった『ブラックパンサー』(2018)では、人気ラッパーのケンドリック・ラマーや女優のオクタヴィア・スペンサーをはじめ、教会や市民活動団体などが上映を買い取った。日本での劇場公開はならなかったが、性的マイノリティのロマンティック・コメディ『Love, サイモン 17歳の告白』(2018)もクリスティン・ベルやニール・パトリック・ハリスといった俳優たちが同様の取り組みを行っている。映画としての完成度が高く、そして社会的に注目度が高い(注目されるべき)作品には、こうした動きがしばしばみられるのである。

ところで、ジョン監督のツイートに「#AsianAugust」というハッシュタグが付いているのにお気づきの方もいらっしゃることだろう。実は2018年8月には、『クレイジー・リッチ!』や『search/サーチ』のほかにも、同じくアジア系俳優が主演する『好きだった君へのラブレター』Netflixで配信されているのだ。日本では1ヶ月間にすべて登場とはならなかったものの、秋にかけてアジア系クリエイターの躍進を体感するチャンスといえよう。ぜひリアルタイムで追いかけてほしい!

映画『クレイジー・リッチ!』は2018年9月28日(金)より、『search/サーチ』は2018年10月26日(金)より全国ロードショー。『好きだった君へのラブレター』はNetflixにて配信中だ。

『クレイジー・リッチ!』公式サイト:https://warnerbros.co.jp/movies/detail.php?title_id=54615
『search/サーチ』公式サイト:http://www.search-movie.jp/

Sources: Variety, CNN(1, 2

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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