『アバター』リマスター版は「今でも通用する、今の作品とも十分戦える」とジェームズ・キャメロン監督が感激

巨匠ジェームズ・キャメロン監督の超大作『アバター』(2009)が、13年越しの続編を控え、さらに進化した映像とともに帰ってくる。『アバター:ジェームズ・キャメロン3Dリマスター』が、2022年9月23日(金・祝)より2週間限定で劇場公開中だ。
今回のリマスター版では、当時最高と言われた3D技術をはるかに上回る映像美で、主人公ジェイクやナヴィ族長の娘・ネイティリらの物語が描かれていく。美しいパンドラの森をはじめとする大迫力の世界観が、4K HDR映像と、新たに追加された重要シーンとともに蘇るのだ。
米The New York Timesでは、キャメロン監督が「完全にリマスターされた作品を観られるのは本当にうれしかった」と感激のコメントを発している。待望の再上映にあたり、監督自身も新たな可能性を感じていることを明かした。
「(リマスター版を)数週間前に子どもたちと一緒に観ました。彼らは配信やブルーレイでしか観たことがなかったので、“お父さんが昔作った映画でしょ”という感じだったんです。優れた上映環境で、3Dで観るのは初めてだった。そうしたら、“ああ、そうか、やっとわかった”と。若い映画ファンは(『アバター』を)映画館で観る機会がありませんでした。だから、彼らは『アバター』を観たことがあると思っているのかもしれないけれど、本当に観たことはないわけです。」
キャメロンは『アバター』について、「今でもこれほど通用すること、リマスター版でこれほど美しくなることに驚いた」とも語っている。13年前の作品だが、“ここは変えればよかった”と思う部分はなかったとのこと。その背景には、製作当時の奮闘と、その後も10年以上にわたって技術向上に時間とエネルギーを費やしてきた歴史がある。キャメロンは「今の作品とも十分に戦える」と自信をにじませた。
コロナ禍において映画の受容環境は大きく変わり、今では配信プラットフォームで映画を観ることもまったく珍しくなくなった。2022年に入って以降、幸いにも映画館の盛況は少しずつ取り戻されつつあるが、キャメロンは「コロナ禍以前よりはまだ20%低い」と指摘。「ゆるやかに戻ってきてはいるけれども、それは映画館で観たいと思われる大作タイトルが少ないからではないか」と推測し、本作がその助けになることを期待した。「『アバター』は(映画の)象徴的存在。これこそ映画館で観なければいけないタイプの映画です」。
映画『アバター:ジェームズ・キャメロン3Dリマスター』は、2022年9月23日(金・祝)から10月6日(木)まで2週間限定で劇場公開中。最新作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は12月16日(金)に日米同時公開となる。
▼『アバター』の記事
Source: The New York Times