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『アバター』再上映、封切り10日で『ムーラン』中国興収額を上回る

アバター
© 20th Century Fox 写真:ゼータ イメージ

2021年3月上旬より開始となったジェームズ・キャメロン監督による映画『アバター』(2009)の再上映のみで得られた興行収入が、封切りわずか10日で、米ディズニー製作の映画『ムーラン』の中国国内における累計興行収入を上回っていたことがわかった。

『アバター』は、2009年の公開から12年ぶりに中国の劇場で復活。これにより、それまで『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)がトップを保持していた全世界興行収入の記録が再逆転し、王者の座が『アバター』に戻ったことで話題となっていた

中国での再上映は、封切りから2週目も好調を記録している模様。米Deadlineによれば、3月19〜21日の週末3日間で1,400万ドルを記録したという。上映開始後10日間(12〜21日)累計では、再上映のみの興行収入額が4,400万ドルに達した。

これは、大手スタジオによる新作映画をも凌ぐ記録であり、2020年12月公開のDC映画『ワンダーウーマン 1984』(2,550万ドル)や、2020年9月公開の実写映画版『ムーラン』(4,070万ドル)の中国における累計興収額を上回っている。

とりわけ、中国市場をターゲットに公開が見据えられていた『ムーラン』の興収額を優に超えたことは、興味深い結果である。先の通り、中国での盛況が予想されていた同作は、主演リウ・イーフェンがSNSに投稿した内容や、中国・新疆ウイグル自治区での撮影実施が物議を醸すなどの諸々の事情により、期待値を大きく下回る結果となった。こうした中で、『アバター』の再上映が好評を博している事実は、中国における『ムーラン』の不首尾を暗に強調させるものとなってしまったと捉えることもできるだろう。

また、これは中国の映画市場とは関係ないものだが、ディズニー社はコロナ禍の影響を鑑みた結果、劇場公開を複数の市場で見送り、Disney+(ディズニープラス)での配信リリースに踏み切る異例の決断を2020年に発表した。これを受けて、映画館業界からは反発を呼んでいたのだ。その新たな方針の皮切り作として公開された『ムーラン』よりも、ディズニー社に買収される前の20世紀フォックス(現・20世紀スタジオ)にて制作された『アバター』の再上映が好調を記録しているというねじれ構造は、ディズニー社にとっても意図しない複雑な結果となったはずだ。

なお、2021年3月21日時点で、『アバター』の世界累計興収額は28億3,370万ドルに達するという。

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Source: Deadline

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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