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『アントマン&ワスプ』シビル・ウォー以降の詳細が明らかに ― 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の影響とは

2018年春、マーベル・シネマティック・ユニバースのファンは驚愕した。映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)で描かれた衝撃の内容は、今後の展開を一切予想させないものだったのだ。
その次回作として登場するのが、独自のコメディ路線で人気の高い『アントマン』(2015)の続編映画『アントマン&ワスプ』。ただし物語の舞台は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』以前となる。

話題を呼んだ『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)でのアントマンの登場、そして『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』や『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』との関連性について、ペイトン・リード監督をはじめとした制作チームはどう捉えていたのか? 撮影現場で行われたインタビューでは、ちょっと意外な回答も飛び出している…!

注意

この記事には、映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のネタバレ、および『アントマン&ワスプ』のネタバレと捉えうる内容が含まれています。

アントマン
『アントマン』(2015)より © Walt Disney – Marvel Studios – Big Talk Productions 写真:ゼータ イメージ

『アントマン&ワスプ』が描く「シビル・ウォー以降」

『アントマン&ワスプ』を制作する上でペイトン監督が重く捉えていたのは、なによりも『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の影響だった。激動するマーベル・シネマティック・ユニバースにおいて、監督は「“シビル・ウォー以降”を描く必要がありました」と述べている。「スコット(・ラング/アントマン)にとっても、ホープ(・ヴァン・ダイン/ワスプ)にとっても、それは欠かせないもの。映画の始まりにおいて、二人に起こることの出発点において、それこそが基本になるんです。」

こうペイトン監督が語るように、『アントマン&ワスプ』には『シビル・ウォー』にアントマンが参戦したことの影響が周到に織り込まれている。スコットの参戦にハンク・ピム博士が激怒していること、ハンク博士とホープが追われる身になっていることはその代表なのだ。
エグゼクティブ・プロデューサーのスティーヴン・ブルサード氏は、『シビル・ウォー』で逮捕され、ラフト刑務所を脱獄したスコットの“その後”について明かしている。

「この映画では『シビル・ウォー』の後を描きます。そして(映画同士の)中間の物語、バックストーリーを語るものですね。『アントマン&ワスプ』が始まる時点で、スコットは家族思いの男。前作(『アントマン』)できちんと確立したことです
『シビル・ウォー』のことは収拾がつかなくなってしまって、彼は“違うんです、僕には向いてなかった。こんなことはしたくなかった”と言って、誤解を解くために司法取引を行った。そして自宅に軟禁されることになったんです。足首に輪っかを付けられて、家からは出られない。ルイスと同居しながら、彼は正しい生き方をしようとしています。そうすれば自由の身になれる。自由な人生を手に入れて、娘の父親になれますから。」

同じく『シビル・ウォー』の影響は、ハンク博士やホープにも降りかかる。二人が追われる身となっているのは、やはりソコヴィア協定の影響だというのだ。

「家のドアをノックされて、彼らは“この協定書にサインしなければいけません。現在、あなた方は協定に違反しています。協定に従いなさい”と言われるわけです。ところがハンク・ピムは、トニー・スタークに自分の技術を渡したくなかった。そこで“ありがとう、必要ない”と言って、地下に潜らなければならなくなったんです。」

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の影響はいかに

注意

以下の内容には、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の重大なネタバレが含まれています。

アントマン&ワスプ
MARVEL/PLANET PHOTOS 写真:ゼータ イメージ

ここまで触れてきたように、『アントマン&ワスプ』の制作チームは『シビル・ウォー』を丁寧に踏まえた作劇をめざしているようだ。しかしペイトン監督は、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』については一転して、作品同士の関連性をなるべく否定するかのような発言を残している。

「大きな課題は、『インフィニティ・ウォー』で起きることから(『アントマン&ワスプ』を)きちんと切り離すことでした。(『インフィニティ・ウォー』の内容には)本当に、すごく心惹かれます。でも、あの映画で起きることを気にしなくてもいいほど、こちらの作品には要素がたくさんあるので。」

とはいえ、全宇宙の生命を半減させたサノスの“指パッチン”の効果が『アントマン&ワスプ』のキャラクターに及んでいないはずがない。そもそも『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のアンソニー&ジョー・ルッソ監督は、同作と『アントマン&ワスプ』には「共有する要素がある」と発言済みなのだ。
また、本作のプロデューサーであるスティーヴン氏も、『アントマン&ワスプ』と『インフィニティ・ウォー』にはなんらかの繋がりがあることを示唆している。何よりも気になるのは、『シビル・ウォー』後の物語であると認めながら、スティーヴン氏が本作の正確な時系列を決して明かさないことだ。

「(『アントマン&ワスプ』では)1日よりは少し長い、[中略]ごく限られた時間を描きます。タイムラインのどこに位置するかは…あまり多くを言いたくないんですよね。」

映画『アントマン&ワスプ』は2018年8月31日より全国ロードショー。いったい何が仕掛けられているのか、すべては劇場公開を待つしかない!

『アントマン&ワスプ』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/antman-wasp.html

Sources: CB, Collider

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。