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「2PACの死を知ったのは、MTVだったかな」ZEEBRAとKダブシャインが語る2PAC伝記映画『オール・アイズ・オン・ミー』

c 2017 Morgan Creek Productions, Inc.
© 2017 Morgan Creek Productions, Inc.

当時の黒人文化とヒップホップを、二人はこう解説する。

Zeebra「今のアメリカは差別的なものが本当にタブー。最近は振り戻しみたいなものもあるけど、確実に90年代中頃まではまだまだそんなことなかった。白人が黒人を支配しているような時代だった。」

Kダブシャイン「88年くらいまでは、黒人がどういう歴史を持っているかについて興味をちゃんと持っている白人はすごく少なかった。ネーション・オブ・イスラムやファイブ・パーセンターズのアクティビストがいる中でギャングとかもあって。そのギャングがだんだんとヒップホップの方に移行してきたときに、ネーション・オブ・イスラムたちはそれを支えたんだよね。そこにズールー・ネーションが出来たし。マインド的、歴史認識としては同じだと思う。水脈のように続いているところにヒップホップがある。」

Zeebra「それこそ、ニューヨークの大停電(1977)で一気にヒップホップが盛り上がったわけでしょ。みんな停電の間に機材をいっぱい盗んで、それでアーティストがいっぱい出来上がったっていう。荒廃しきっているところから建設的にいくしかなかったというのが80年代当時のニューヨークのヒップホップかなと思っていて。

かたやLAはハリウッドだったりビーチ・カルチャーだったり、綺羅びやかだった。でもゲトーは超ゲトー。東海岸と西海岸は屈折の仕方が絶対的に違うよね。」

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©THE RIVER

オール・アイズ・オン・ミー』を観て

映画『オール・アイズ・オン・ミー』では、2PACの幼少期から凶弾に倒れるまでの、わずか25年という短くも色濃い人生を描く。2PACを演じるのは、新人俳優のディミートリアス・シップ・ジュニア。在りし日の2PACの魂を全身に宿らせた熱演には驚かされる。N.W.A.の物語を描いた『ストレイト・アウタ・コンプトン』(2015)でも2PACによく似た俳優(マーク・ローズ)が登場したが、『オール・アイズ・オン・ミー』のディミートリアスの憑依っぷりは見事だ。Kダブシャインも「ライブのシーンの2PACのあのヨコに動く感じのパフォーマンスとかさ、特徴をとらえてるよね」と太鼓判を押す。

『オール・アイズ・オン・ミー』では2PACの激動の人生を取り巻く人物が次々登場する。デス・ロウ・レコードの社長で2PACの世話を見たシュグ・ナイト、そしてドクター・ドレー、抗争に陥ったノトーリアス・B.I.G.、デス・ロウで2PACと西海岸ラッパーの人気を二分したスヌープ・ドッグ…。特にドミニク・サンタナ演じるシュグ・ナイトの迫力と胆力は瓜二つで、ZeebraとKダブシャインも驚きを隠せない。

c 2017 Morgan Creek Productions, Inc.
© 2017 Morgan Creek Productions, Inc.

日本の若手ラッパーへ

2PACの魂は脈々と受け継がれ、現代の日本でもその人気はまったく衰えない。日本のヒップホップシーンは今や『BAZOOKA!!!高校生ラップ選手権』やZeebra自身がオーガナイザーを務める人気TV番組『フリースタイルダンジョン』の成功でかつてないブームが起こっており、若手ラッパーも次々に登場している。日本語ラップシーンの立役者の一員でもある2人は全国の若手ラッパーにアドバイスを求められ、Kダブシャインは「オリジナリティの方が大切だよ、本気で活動を続けていくのであれば。だけど歴史を知るのも大切。知れば知るほど栄養になるだろうし、フリースタイルでも活かせるから。(今の時代の若者は)逆に羨ましいかもしれないな」とエールを贈る。

Zeebraは「音楽だから、音を聴いて分かることだけでいいっちゃぁいいんだけど。でもこうして話しているみたいに、時代背景がどうだったかっていうことまでを知ったほうが、曲やアーティストを理解できたりする。そこまで意識しながら色々なものを見聴きしたほうがいい」とアドバイス。「もしアーティストになりたいんだったら、逆にそこまでしなきゃダメだと思う。だって、それで飯を食うんだから、人より勉強しないと」と、目の覚めるような言葉が贈られた。

Writer

THE RIVER編集部
THE RIVER編集部THE RIVER

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