なぜ『ジョン・ウィック』シリーズ新作はいったん『パラベラム』前に戻るのか?スピンオフ『バレリーナ』時系列の事情

この記事には、『ジョン・ウィック:コンセクエンス』のネタバレが含まれています。

『バレリーナ』は、『ジョン・ウィック パラベラム』(2019)に初登場したバレリーナを主人公に、家族を殺し屋に奪われた若い女性が、復讐のため殺し屋へと変貌していく物語。公式概要では、「『ジョン・ウィック』の世界は『バレリーナ』で拡大し、アルマスはルスカ・ロマの伝統で訓練された暗殺者として主演する」とある。ルスカ・ロマは主席連合の支配下にある犯罪組織で、ジョンの古巣でもある。
最新作『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の続編ではなく、その前のタイムラインが舞台になる理由について、イアン・マクシェーンはズバリ「キアヌが出ているから」と説明。出番の量は定かでないが、キアヌ・リーブスが演じたジョン・ウィックは『バレリーナ』にも登場するという。しかしジョン・ウィックは『コンセクエンス』のラストで死亡する結末を迎えている。
「『コンセクエンス』の後の設定にしたら、“やっぱり、生きてたんだ!次回作はどうなるんだ?『ジョン・ウィック5』はあるのか?”とSNSで言われてしまうから」とマクシェーン。時系列を『コンセクエンス』前にすれば、「『ジョン・ウィック5』はやらないかもしれない、ということにできる」との事情を説明した。
製作陣は『ジョン・ウィック5』について慎重な構えを示している。スタジオのLionsgateは前向きだというが、シリーズ監督のチャド・スタエルスキは「もし明日目覚めてすごく良いアイデアが浮かんだとしたら、ぜひやりたいというのが本音です。それは無理矢理浮かんでくるものでもないわけです。今はとても良い気分ですし、めちゃくちゃにしたくありません」と語っていた。現在、スタエルスキは『ジョン・ウィック』ブランドを統括する新契約を締結していることから、今後の新作についてはスタエルスキも首を縦に振る企画のみが実現するようになることだろう。
なお、『バレリーナ』で主役を担うのは、『ブロンド』(2022)でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、『ブレードランナー 2049』(2017)『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)などで知られるアナ・デ・アルマス。ウィンストン役のイアン・マクシェーン、シャロン役の故ランス・レディック、『パラベラム』にディレクター役で登場したアンジェリカ・ヒューストンも参加。ガブリエル・バーン、ノーマン・リーダスらも出演する。
メガホンを取るのは、『アンダーワールド』シリーズのレン・ワイズマン、脚本は『ジョン・ウィック:パラベラム』『ジョン・ウィック:コンセクエンス』のシェイ・ハッテン、『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020)のエメラルド・フェネル。本家シリーズのチャド・スタエルスキ監督、ベイジル・イヴァニク、エリカ・リーらがプロデューサーを務める。2024年6月7日に米国公開予定。
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Source:Collider