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なぜ『バットマンvsスーパーマン』でのバットマンは残虐なのか?

ゴッサム・シティで『闇の騎士』として恐れられるバットマンだが、彼には「悪人を殺さない、銃を使わない」というポリシーがあるとされている。

しかし、『バットマンvsスーパーマン』内では、銃も使うし、致死的ダメージを敵に与えている。容赦する様子もない。


バットマンに『不殺のヒーロー』の姿を見出していたファン達の間では、ザック・スナイダーとベン・アフレックが作り上げた新たなダークナイトの在り方を疑問視する声も多く挙がっている。

バットマンの『不殺』不文律の確立

そもそも、バットマンの『殺さず』のイメージはなぜ定着したか。ここで、ゴッサム・シティの時計の針を1939年まで巻き戻してみよう。

海外コミックス日本語翻訳専門の漫画喫茶「ACBD」さんのサイトでは、バットマンのポリシーを詳しく解説している。

同サイトによれば、実はコミックスのバットマンは普通に悪人を殺している時期があった。では、いつから『殺さずの誓い』を立てるようになったのだろうか。「コミックス論理規定」がひとつのキーとなるという。

ご存じの方も多いかもしれませんが、アメリカには1954年から2010年頃まで「コミックス倫理規定」というものが存在していました。これは、全米コミックスマガジン協会によって制定されたもので、ウィキペディアによると、コミックス倫理規定は「『犯罪者の活動の結果による法執行官の死の表現』を抑止してい」ました。平たく言えば、「コミックスの中で人を殺すな」という決まりがあったってことですね。

バットマンの初登場は1939年。この規定が制定される前から悪人を懲らしめている。その間は普通に悪人を殺していたという事だ。

しかし、登場翌年の1940年には、バットマンには悪人を殺さないというキャラクター設定が加えられる。スーパーヒーローモノが大きなビジネスになると気付いたコミックス業界は、まずキャラクターを産み出し、そのキャラ設定などは後から形作られていったそうだ。

バットマンが「銃を武器として使わず、人を殺さない」という設定はバットマンが誕生した時には存在していなかったのです。設定がないなら、悪人を殺していたのにも頷けます。バットマンが自らに課したこの律に最も近いセリフがコミックスに登場するのは、1940年の「Batman #4」のこと。バットマンはロビンに「私たちはどんな武器でも(悪人を)殺さない」(”We never kill wth weapons of any kind.”)と話しています。

「バットマンは悪人を殺さない」というイメージがなぜ生まれたかがわかったところで、2016年『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』の話題に戻ろう。

残虐さを増したブルース・ウェイン

今作のプロデューサー、チャールズ・ローブン氏は、劇中でのバットマンのキャラクター設定について詳しく解説してくれている。

「バットマンは、これまでの過程で消耗しきっているんです。今作には“ゴッサムでの20年、何人の善人が残った?”という素晴らしいセリフがあります。彼はあまりにもダメージを受けた男だという事と向き合いましょう。ロビンも居ない。キャラクターは成長し、彼は確実に残虐性を増していった。我々は彼に、生死ギリギリの場所に立っていて欲しかった。そうでなくては、スーパーマンの目を惹くことはできないでしょう?」

今作でのバットマンことブルース・ウェインは、長年のバットマンとしての活動に疲弊しきった往年のヒーローとして描かれている。映画では語られない壮絶な戦いや苦悩が数十年も続く中、「悪人は殺さない」という甘美なポリシーが通用しない事に除々に気づいていったのだろうか。

バットケイブには、有名な相棒ロビンのスーツが飾られているが、そこには黄色のスプレーで“HAHAHA Joke’s on you BATMAN”(ハハハ ジョークだよ、バットマン)と落書きされている。間もなく公開のスーサイドスクワッドに登場するジョーカーによってロビンはすでに殺害されたと思われる。

バットマンの中に、いかにして『容赦なさ』が確立されていった過程も気になるところだが、ローブン氏はインタビューでこう続ける。

「我々は、(バットマンが残虐という設定は)良かったと思ってますし、それでもなお彼は理解の余地があるキャラクターだと思います。なぜなら、彼には称賛の気持ちもあるし、気の毒だと思う気持ちもある。
彼は人がのめり込むようなキャラクターです。共に同じ時間を過ごしたいと思うような男です。親友にはしたくないけどね。」

http://www.acbd-comics.com/blog/1142/
http://moviepilot.com/posts/3842476

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

Comment

  1. なぜ『 #バットマンvsスーパーマン 』で #バットマン は悪人を殺すのか? https://t.co/jpQKG7PrQ0
    そもそも「バットマンは悪人を殺さない」のはどうやって定着したの?

  2. ワラビー (@kobo97)

    なぜ『バットマンvsスーパーマン』でバットマンは悪人を殺すのか? https://t.co/n6uWz4PXeU

  3. なぜ『 #バットマンvsスーパーマン 』でのバットマンは残虐なのか? https://t.co/jpQKG7PrQ0

  4. @livegel8

    なぜ『バットマンvsスーパーマン』でのバットマンは残虐なのか? https://t.co/n0Q6cgsK93 理屈は分かるけどノーラン版の印象が強いから最初「は?」ってなったわ

  5. なぜ『#バットマンvsスーパーマン』でのバットマンは残虐なのか?
    実はコミックスのバットマンは普通に悪人を殺している時期があった。いつから『殺さずの誓い』を立てるようになったのだろうか。「コミックス論理規定」がひとつのキーだ。https://t.co/jpQKG7PrQ0

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