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天才とは何か?映画『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』レビュー

映画『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』感想

ヘミングウェイ フィッツジェラルドなどの才能を世に送り出してきた名編集者 マックスウェル・パーキンズ(コリン・ファース)と、37歳の若さでこの世を去った小説家 トマス・ウルフ(ジュード・ロウ)の友情を描いた実話ベースの作品だ。

人生において、誰もが夢を抱く。

その夢を叶えようと努力している人
その夢を叶えることができた人
その夢を叶えられずにあきらめてしまった人

程度や結果はどうあれ、夢を追っていく中で ある選択を迫られる時が必ず訪れる。

安寧を求めるのか
挑戦を続けるのか

挑戦を選んだ方が、なんだかカッコよくて 勇敢で 正しいことのように感じられるがそうではない。

そもそも正解不正解を決められることではない。
どちらを選んだからといって、否定される筋合いもなければ 否定する権利もありはしない。
どちらを選んだとしても、得られる幸せは必ずあるはずだ。

ただ、真に価値のあるモノを生み出せるとしたら「挑戦」を選んだ者の方だ。

ある程度の価値ならきっと誰でも生み出せる。
でも、万人の心に届くだけのモノを生み出すのは いつだって挑戦している者のはずだ。

原題である「Genius」が示すモノ
天才とは何か?

天才とは、目的のためには犠牲も厭わない覚悟を持った者
また、犠牲にした者・物に対して敬意を払える者
恨まれたり 憎まれたりだってするかもしれないが、それすらも受け止める覚悟を持った者

それこそが「天才」に成り得る素養なのだとぼくは思う。

安寧を求めた者では辿り着けない境地が 重圧がそこにはある。
目的のためにすべてを捧げられる者だけに与えられる二つ名こそが「天才」である。

だが、天才はいつだって綱渡り状態だ。

何を犠牲にするのか
その判断を誤った時、一気に崩れ去る
天才などとは程遠い、傲慢で醜悪なモノへと成り下がる。

常に自制心を持って リスクを背負って 目的のために最善を尽くすことができる
その覚悟を常に宿し続けられる者こそが天才で在り続けられる。

劇中の二人を見ながらそんなことを考えていた。

ぼくらは偉業を成し遂げた人物を気軽に「天才」と呼ぶが、その人物達だって同じ人間
あなたやぼくと同じく飯を食い クソもして 恋もすればSEXもする
好きなアイドルもいれば スター・ウォーズだってチェックするだろう
iPhoneの新型が出れば気になるだろう

それでいてぼくらにできないことをできてしまうのは、その心の強さ 覚悟の違いである。

目に 耳にする情報だけでは知り得ない犠牲を山程払っているかもしれない。
数多くの人に支えられて 理解を得て辿り着けたのかもしれない。
死にそうになるくらいの努力を積み重ね続けてきた結果なのかもしれない。

それを自分にはできないことだからと 理解の範疇を超えることだからと言って、気軽に「天才」の一言で片付けてしまうのは違う気がする。

登場人物達と比べたら程度の低い話かもしれないが、ぼくも今「挑戦」を選んで生きているつもりだ。

あなただってきっとそのはず。

スクリーンに映る彼らの挑戦を目の当たりにして、果たして自分自身はどうだろうか
あれだけの覚悟を持って打ち込めているだろうか

ぼくにはまだ余力がある
甘えがある
本当は犠牲にしても支障がないモノすら手放すのを躊躇っている
目的のためにすべてを懸ける覚悟が欠けている

そんなことでは、真に価値のあるモノを生み出すなんて夢のまた夢である。

数々の名作が誕生してきた裏側には、「天才」の一言だけでは片付けられない人間模様が 壮絶な覚悟があった。

それらの覚悟と才能が掛け合わさり、現代まで語り継がれる 色褪せることのない作品の数々が誕生していた。

観ることができて良かった。
夢を追うこと 挑戦を続けるための勇気を与えてくれる作品です。

ぜひ劇場でご覧ください。

Eyecatch Image:http://www.newyorker.com/culture/richard-brody/the-odd-factual-gaps-in-michael-grandages-genius

Writer

ミヤザキタケル
ミヤザキタケル

映画アドバイザー 元俳優 ライター 映画イベントMC。Instagramを中心に最新映画から懐かしの映画まで幅広く紹介。「ファイトクラブ」 「GO」「男はつらいよ」がバイブル。好きな監督はウディ・アレン。お仕事のご依頼はa.safety.pin.storm@gmail.comまでお願い致します。

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