『スター・ウォーズ』「ディズニーだとか、オリジナルの方が良かったと冷笑する声もある」ジャー・ジャー・ビンクス役が熱弁「それでも僕たちは、皆のことを考えている」

「ジェットコースターのようだった」と、ジャー・ジャー・ビンクス役のアーメッド・ベストは、自身の『スター・ウォーズ』での歳月について「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン2025」が開催された幕張メッセのステージで語った。
1999年公開の『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』で、ベストは長編劇場映画史上初となるフルCGキャラクター、ジャー・ジャー・ビンクスを演じた。コメディリリーフとして愛されるはずの新キャラクターだったが、多くのファンから嫌われ、ベストの元には世界中から誹謗中傷が届いた。

これを苦にしたベストは自殺未遂にまで至ったと独白。当時のファンは、過激な発言で生身の人間を苦しめていたことにようやく気付き、反省した。彼が登場した映画から26年、ベストは「セレブレーション」のステージに登壇し、世界中から集まったファンから万雷の拍手で迎えられた。
当時の思い出を振り返るパネルの最後に「あなたにとって『スター・ウォーズ』で過ごした日々とは」と尋ねられ、答えたのが記事冒頭のコメント。「あまり言いたくありませんが、厳しいことを言うファンもいます」と苦悩があったことも隠さなかった。
しかし現在、ベストは『スター・ウォーズ』を通じてポジティブなエネルギーを世界に届けようとしている。「どれだけのパワーを、ファンの皆さんからもらってきたことか……」。ベストはマイクを握りしめ、それまでにない真剣な眼差しで、大勢のファンに向けて熱を込めて説いた。
「『スター・ウォーズ』は、僕たち一人一人にとって非常に個人的な物です。誰もが、自分の頭の中で想像している『スター・ウォーズ』映画を観たいと望みます。そうですよね?でも、そういうことがスクリーンで実現しないこともある。実現しないと、批判コメントが出てくる。
しかし、物語をスクリーンに映している人々は、皆さんのことをきちんと考えています。僕たちは全員、皆さんのことを、考えているんです。
まさにこの会場にいる皆さん、スクリーンを見上げる皆さん、自分もあそこに出たい、あの世界に住みたい、あの世界に加わりたい、そう考えている皆さん。僕たちは全員、皆さんのことを考えているんです。
すごく冷笑されることもあります。SNSを見ていますと、“自分たちのことなんて考えてないんだ”と言われる。やれ、これはディズニーだとか、あれはジョージ(・ルーカス)だとか、これはこうで、あれはプリクエルで、あれはシークエルで、オリジナルの方が良かったとか。
僕たちは作り続けて、皆さんに楽しんでほしい。全身全霊を込めて、この仕事に打ち込んでいます。僕たちは、本当に、皆さんのことを考えています。」
熱のこもったスピーチに、会場はベストを包み込むような拍手で応える。会場の誰もが、多くのことを乗り越えたベストの、大きくて確かな心を感じていたはずだ。「厳しいコメントも、想っているからこそ来る。好きだからこそなのですね」。
- <
- 1
- 2