【バイオハザード: ザ・ファイナルを観る前に】ビビリな私のバイオ日記【バイオハザードⅤ リトリビューション編】
「ビビリな私のバイオ日記」とは、人気モデル・ローラの出演でも話題となり、今月ついに公開される『バイオハザード ザ・ファイナル』を少しでも見たいと思っている、がしかし、
- ゾンビが怖い
- ゲーム版(原案)を知らない
- アクション映画をあまり見ない
- 今までの作品を見てきていないので内容がわからない
こうしたハードルのせいで、早々に観に行くのを諦めている方に向けて、今さら聞けないシリーズ全作のあらすじ、設定等を徹底解説していこうというものだ。
怖がりな人でも見やすいということで、ビビリな私がビビリなりに『バイオハザード』シリーズの魅力をご紹介していく。いよいよ今回は5作目の『バイオハザードⅤ リトリビューション』、シリーズのおさらいも最終回となる。
【注意】
この記事には、2012年の映画『バイオハザードⅤ リトリビューション』のネタバレが含まれています。
2012年『バイオハザードⅤ リトリビューション』

監督・脚本:ポール・W・S・アンダーソン
時系列は、前作『Ⅳ』の直後。アルカディアの船上に出てきた生存者たち、そしてアリスたちの目前に、ジル・バレンタイン率いるアンブレラ社の軍隊が迫るところから話が始まる。
今作は、ズバリ“総集編”
今作の特徴は、なんといっても今までの作品に登場してきたキャラクター、クリーチャーが総出する事である。なので、全シリーズをしっかり覚えていないと「あれ、これ誰だっけ」となり、少々ややこしく思うかもしれない。そんな方は是非、前回までの「ビビリな私のバイオ日記」でおさらいしていただきたい。
主な登場人物
アリス:主人公。前作同様、依然としてスペックは普通の人間のまま。
エイダ・ウォン:アンブレラ社の元工作員。ウェスカーの部下であり、ゲームに登場するキャラクター。
アルバート・ウェスカー:前作でアリスと死闘の末に生き延びていた、アンブレラ社の元幹部。最強の男。
ルーサー・ウェスト:前作でアリスらとはぐれた生存者。元NBA選手であり、アリスの新しい“気になる人”?
レオン・S・ケネディ:ウェスカーの部下であり、アリスとエイダを救出するチームのリーダー。ゲームに登場するキャラクター。
バリー・バートン:救出チームの一員。ゲームに登場するキャラクター。
ジル・バレンタイン:2作目でアリスと生存した元S.T.A.R.S隊員。何故かアンブレラ社の手先となっている。
レッド・クイーン:1作目に登場したアンブレラ社の人工知能ホログラム。アリスらの敵であり、今やアンブレラ社の実権を握っている。
ゲームからの初登場キャラ多数!

今作には、原作ゲームのキャラクターがこれまでの作品よりも多数登場する。既出のジル、ウェスカーに加えて、エイダ・ウォン、レオン・S・ケネディ、バリー・バートン、といった面々だ。
エイダ・ウォンは、原作ではアンブレラ社の敵対企業の産業スパイであり、『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ』ではウェスカーから指示を受けて動いていた。その設定が今作にも反映されているようだ。

また、アリスを救出しにきたチームのリーダー、レオン・S・ケネディはゲームでは警察官の設定だったが、今作にその設定は一切出てこない。ただし、ゲームではエイダ・ウォンと特別な絆らしきもので結ばれており、その雰囲気は映画でもしばしば描かれている。
バリー・バートンはゲームだとなかなかの主要キャラクターであり、『バイオハザード1』で描かれた洋館事件では、S.T.A.R.Sのアルファチームとしてジルとともに行動していた。今作でその設定は登場せず、レオンたちのチームの一員として、ジルらと交戦する。ちなみに原作同様マグナム銃を愛用している。
では、あらすじに沿って今作をご紹介しよう。
かつての友、ジルに捕われたアリス
前作の最後でアルカディア上空に出現した、大量のアンブレラ社軍隊。彼らは船に乗り込むと、なんと生存者を抹殺していった。アリスもかつての戦友ジルと戦う中、戦闘機が墜落し、爆発に巻き込まれて海深くに沈んでいってしまう。

次の瞬間、舞台は一般家庭に移る。そこにはアリスがカルロスとともに家庭を築いている光景が広がっていて(やっぱアリス、カルロスの事を愛してたのね……)、彼らには難聴を患っている美しい娘、ベッキーもいた。
しかし、それらは全てアンブレラ社がアリスに見せていた夢だったのだ。
彼女が夢から醒めると、そこはアンブレラの実験施設。そこで、ジルに「何故アンブレラ社を裏切ったのか」と、尋問を受けつづけるのだった。ジルの胸には、前作でクレアが錯乱状態だった際に付けていたのと同じ装置が付けられている。どうやら、その装置によってジルは何者かに操られているようだ。

ジルによる拷問に疲れたアリス。しかし、突如施設内にエラーが発生し、何者かの手引きでアリスは独房を脱出する事に成功する。彼女が施設を進んでいくと、そこには各国の都市を真似て作られた、数々の広大なシミュレーションルームが広がっていたのだ。
ちなみに余談だが、彼女の容姿は2作目と異なり、金髪ヘアにぴっちりボディスーツというスタイルで、ゲーム『バイオハザード5』の見た目に沿っている。個人的には黒髪のときの方が好きだな。
エリア:東京、中島美嘉との再会!

アリスが最初にたどり着いたのは東京エリア。渋谷のスクランブル交差点が再現されたその場所では、マジニ(前回参照)やアンデッドが彼女に襲いかかってくるのだが、そこに前作でチラッと登場した中島美嘉がマジニとして再登場! 普段の美しい彼女を知っている我々日本人こそビビってしまうシーンとなっている。
アリスがアンデッドを倒し、施設の制御室にたどり着くと、そこにいたのは謎のアジアンビューティー、エイダ・ウォンだった。
ウェスカーがアリスを助ける?
ウォンは、ある人物の指令でアリスを施設から救出しに来たという。その人物こそ、前作でアリスとの死闘の末に生き延びたウェスカーだった。アリスを独房から脱出させたのもウェスカーだったのである。
敵であるウェスカーが、なぜアリスを助けようとするのか? 1作目で登場したアンブレラ社の人工知能ホログラム、レッド・クイーンが会社を乗っ取ってしまったというのだ。ウェスカーはアンチレッド・クイーンとしてアンブレラ社に反旗を翻したというわけだ。

ウェスカーは、アンブレラ社を潰すため、そして絶滅の危機に瀕している人類の生存のため、アリスに自分と協力するように話す。アリスは渋々、ウェスカーに同意するのだった。
広大な各国都市を真似たシミュレーションルームの真相
アリスは、自分がいる施設がアンブレラ社最大級の実験施設である事をウェスカーに知らされる。まるで本物のような東京の街を見てきた彼女には、その事実を信じられないが、アンブレラ社は実際に生物兵器を使用した場合どうなるか、という実験をこの施設で行い、それを敵対する世界の国々に見せてウィルスを売っていたのだ。施設内には巨大な潜水艦もあり、アンブレラ社がそれを用いて兵器を各国に持ち込んでいた事も発覚する。
ミッション:ロシア北部、氷山下の海底の実験施設から脱出せよ!

ウェスカーは、彼女たちを救出するため地上に救出部隊を派遣する。そのチームのメンバーには、ゲームでもおなじみのレオン、バリー、そして前作で生き延びたルーサー・ウェストも含まれていた。
救出メンバーたちと中継地点で合流するためには、東京のような実験施設を通らなければならない。ジルたち追っ手が迫ってくる中、アリスとエイダは次なるエリアに足を踏み入れていくのであった。
エリア:NY 巨漢マジニ再来!アリス「勘弁してよね」

NYエリアにたどり着いたアリスらの前に姿を現したのは、前作でも登場しためちゃくちゃ強い斧振り回すアイツ、巨漢マジニだった。2体の同時攻撃をくぐり抜け、アリスはエイダとふたりでマジニをやっつける事に成功し、先へと進む。
エリア:? アリスが見た夢は現実だった
アリスとエイダは、アリスが尋問中の夢で見た場所に到着する。ある家では、まるで夢が現実であったとでもいうように、夢の中で死んだ自分(クローンアリス)が横たわっていた。そこで、アリスが見ていたものは現実に行われていたシミュレーションの一部だった事がわかる。しかも、その家には、夢で見た自分の娘(という設定の人物)が生存していたのだ。

しかし、そこにやってきたのは、なんと1作目で死んだ仲間、レインや特攻部隊の隊長(レーザーで細切れになった人)、そして愛するカルロス。彼らはクローンであり、ジルの手下としてアリスとエイダを襲う。エイダはアリスを先に救出隊と合流させるため、囮となってクローンたちと戦う。アリスは娘のベッキーを連れて先に進むのだった。
モスクワエリアとの連結にあたる駅に到着した二人は、そこで一般市民のクローンレインと出会う。アリスは彼女にしばし娘を託し、一人モスクワエリアへと進んだ。
エリア:モスクワ 救出チームmeetsプラーガアンデッド
一方、アリスたちを救出しにやってきたチームはモスクワエリアに到着。そんな彼らに、レッド・クイーンはプラーガアンデッド軍団を送り込む。
このプラーガアンデッドとは、寄生生物プラーガを投与されて知能と耐久力が強化したアンデッドだ。映画に登場するのは、ゲーム版の“支配種プラーガ”にあたり、投与されたアンデッドは、知能を得るだけでなく食欲も抑制される。(バイクも乗り回しちゃうから、なんかゾンビスクワッド感あってかっこよかったりする)

銃やロケットランチャー、チェーンソーなど武装をしたプラーガアンデッドに襲われ、救出隊は中々進めず苦戦。ついには巨大なリッカーまでもが登場し、もうダメだという時に、アリスが登場して事なきを得るのだった。
中ボスは巨大リッカー!連れ去られた娘を取り戻せ!

一行はエイダ以外が皆揃い、巨大リッカーを通さぬよう封じたモスクワエリアの入り口の代わりに、新たな出口を見つけて進みだす。
ところが、そこに生きていた巨大リッカーが再び現れて、アリスの娘を連れて行ってしまう。実はこの巨大リッカー、口元をよく見るとマジニの一形態なのだ。前回の記事でもご紹介したが、マジニは主に生存者を一度巣に連れ去ってから捕食する。娘のベッキーはまだ生きている可能性が高いのである。
アリスは単独行動で巨大リッカーを追い、ルーサーとレオンらは脱出できるように急いで先に向かう。しかし、彼らの前にはエイダを人質にとった、ジル率いるクローン隊が立ちはだかる。
脱出リミットまでもう少し!
今まであまり語ってこなかったが、この場面では救出チームのバリーがめちゃくちゃかっこいい。エイダを助けるため、バリーはクローンカルロスらにめちゃくちゃ撃たれる。そこで命を落としたかと思いきや、愛用のマグナム銃でクローン隊長に一発お見舞いするのだ。さすが!
一方、アリスは巨大リッカーが巣に捕らえていた娘を救出する事に成功。彼女と逃げるうち、クローン工場にたどり着く。困惑する娘をなだめていると、追って来た巨大リッカーに襲われる、が無事成敗するのだった。でもこれ、アリスTウィルス抜きバージョンでしょ? 普通の状態で巨大リッカー倒せるなんて、もうウィルスなくてもいいじゃん……と思う人もいるはず。
しかし、やはりアリスがTウィルス打っとけば、と思わざるを得ないラスボスが登場するのだ。
ラスボスはクローンレインとジル!? 世紀のキャットファイトここにあり

娘を連れたアリスは、ギリギリでルーサーとレオンに合流。そのまま基地を脱出し、基地は救出隊が仕掛けていた爆弾で爆破された。しかし、一件落着かと思いきや、爆発から難を逃れて脱出したジル、クローンレイン、人質にとられたエイダが潜水艦から現れる。
この時、クローンレインは先述のプラーガを投与。身体能力が一気に上がっただけでなく、凶暴性も増していた。アリスはこてんぱんに打ちのめされ、ダウンしてしまう。ルーサーとレオンがクローンレインに応戦している間、止めをさそうとジルがアリスに攻撃を仕掛けるのだった。
しかしその時、アリスはジルの胸元についた装置をとることに成功! 洗脳からとけたジルはアリスの味方となる。
一方、クローンレインの凄まじい攻撃でルーサーが命を落としてしまい、同じくレオンも瀕死状態となる。アリスは、ジルに投げられた銃で、レインを撃つのではなく足下の氷を打つのだった。海底に落ちた彼女を待っていたのは、施設から出て来たシミュレーション用のマジニ軍団。プラーガを打ったクローンレインも海の中に引きずりこまれるのだった。
ウェスカーと再会、広がる地獄絵図のような世界
無事生還を果たした、アリス、ジル、エイダ、レオン、娘のベッキーはワシントンD.C.のホワイトハウスにたどり着く。そこは、わずかな生存者たちがアンデッド対抗軍として活動する基地になっていた。大統領のチェアに座ってアリスを待っていたのはウェスカー。再会と同時に、アリスにTウィルスを投与する。
ウェスカーは、人類滅亡を企むレッド・クイーンを前に、共通の敵をもつアリスを、最終兵器として自身の軍に引き入れたいと考えていたのだった。

ホワイトハウスの屋上に出て来た一行の目前に広がるのは、まるで地獄絵図と化した世界。大量のアンデッドはもちろん、巨大リッカー、そして新登場した空飛ぶクリーチャー、キペペオ(ファイナルの予告編にも出てくるよ)もわんさかいる。まさに人類としての最後の戦いがここに幕をあけたのだ……。
そして、その戦いが描かれている映画こそ『バイオハザード ザ・ファイナル』なのである。
Tウィルスが広まってから、最終決戦に至るまでに経過した月日は4年。『ザ・ファイナル』は、人工知能が生物兵器を駆使して人類を抹殺する、まさに人類のために作られたものに人類が滅ぼされそうになるという物語だ。 どうやってアンデッドに打ち勝つのか、Tウィルスを再投与したアリスは再び超能力を得られるのか、ローラはどこまで活躍するのか、やはりウェスカーとは最後に対峙する事になるのか、そもそも人類は生き残る事ができるのか……。
ちなみに『バイオハザード ザ・ファイナル』には、ローラ以外にも注目したい出演者がいる。Netflixオリジナル作品『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』に出演して大ブレイクを果たしたルビー・ローズだ。モデルなどで活躍する経歴の持ち主だが、ほぼ全身にタトゥーの入った彼女がスクリーンで活躍することは、個人的にはなかなか意味のある事だと思う。

『バイオハザード ザ・ファイナル』、これはもはや只のゾンビアクション映画ではない。人類の生存をかけた最後の決戦を、是非、劇場でその目に焼き付けてほしい。
これまで「ビビリな私のバイオ日記」にお付き合いいただいた方、どうもありがとうございます。これで終わり……ではなく、最終回は新作『バイオハザード ザ・ファイナル』。どうか最後までお付き合いいただけたら幸いである。
Eyecatch Image: http://www.heyuguys.com/resident-evil-retribution-review/
© 2012 Sony Pictures