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DC映画『ブルービートル』企画健在、TV版「グリーン・ランタン」も ─ ジェームズ・ガンは複数計画に関与

DCコミックス
The DC logo is a trademark of DC Comics.

DC映画『バットガール(原題)』のお蔵入り騒動は、コミック映画/スーパーヒーロー映画ファンに大きな衝撃を与えた。かねてより期待されていた新ヒーローの単独映画が、撮影を終えていたにもかかわらず、配信リリースさえ行われないという異例の事態となったのである。事業統合を経た新企業、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーのデヴィッド・ザスラフCEO率いる幹部陣は、既存のDCプロジェクトをどのように転がしていく計画なのか?

米国メディアでは、かねてより製作が伝えられていたいくつかの企画が今でも健在であることが伝えられている。『バットガール』のお蔵入りが報じられたのち、最も存続が懸念されていたのが、DC初のラテン系スーパーヒーロー単独映画『ブルービートル(原題:Blue Beetle)』だった。しかし米The Hollywood Reporterによれば、本作は変わらず2023年8月18日に劇場公開予定で進行しているという。

『ブルービートル』は『バットガール』と同じく、当初はHBO Maxオリジナル作品として発表されたが、のちに劇場公開されることが決定した。ただし『バットガール』の場合、その後いきなりお蔵入りが決定したのである。こうした経緯を受けて、ファンの間では『ブルービートル』も同じ道筋をたどるのではないかと不安の声があがっていた。

ブルービートル/ハイメ・レイエス役を演じるのは、Netflixドラマ「コブラ会」(2018-)ミゲル役のショロ・マリデュエナ。不死身の男カラパックス役を『ボーダーライン』(2015)のラオール・マックス・トゥルヒージョ、ハイメの叔父・ルディ役を『バレンタインデー』(2010)のジョージ・ロペス、ヴィランのヴィクトリア・コードを名優スーザン・サランドンが演じる。監督はプエルトリコ出身の新鋭アンヘル・マヌエル・ソト。

もうひとつ企画の健在が明らかになったのは、HBO Max向けに進められてきたテレビドラマ版「グリーン・ランタン(原題:Green Lantern)」である。米TV Lineによると、HBO Maxの広報担当者が「確実に進行中」だと明かしたという。

既報によると、本作は1941年の地球で“初代グリーン・ランタン”のアラン・スコット(演:ジェレミー・アーヴァイン)が、1984年で“4代目”のガイ・ガードナー(演:フィン・ウィットロック)らが活躍する物語。脚本・製作総指揮は『レゴバットマン ザ・ムービー』(2017)のセス・グレアム=スミス、アローバース作品を手がけたマーク・グッゲンハイムが務める。ただし本作は野心的な企画とあって、撮影の開始が2024年になる可能性もあるということだ。

なおThe Hollywood Reporterによると、DC関連では、『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)や「ピースメイカー」(2022)を手がけたジェームズ・ガン監督が「ピースメイカー」シーズン2を含む複数の企画に関与しており、こちらも同じく進行中だという。ガン監督はTwitterでシーズン2が健在であることを何度か明言しているが、その他の詳細は不明。ただし2022年5月には『ザ・スーサイド・スクワッド』よりヴィオラ・デイヴィス演じるアマンダ・ウォラーのスピンオフドラマが企画中と報じられたため、これが“複数の企画”のひとつだと考えられる。

そのほか、ワーナーは以前から『スーパーガール(原題:Supergirl)』や映画版『グリーン・ランタン・コァ(原題:Green Lantern Corps)』、マイケル・B・ジョーダン製作『Static Shock(原題)』、J・J・エイブラムス製作&タナハシ・コーツ脚本の黒人版スーパーマン映画(タイトル未定)を企画してきた。これらはお蔵入りではないものの、現時点で「企画開発はスローになっており、どの作品も監督は決まっていない」とのことだ。

ちなみにDC映画を手がける「DCフィルムズ」を統括するウォルター・ハマダ氏は、コミックの大型クロスオーバー・エピソードである「クライシス・オン・インフィニット・アース」をスクリーンでも実現する計画だったというが、これが今後も継続されるか否かは不明。『バットガール』のお蔵入りが決定した後、ハマダ氏はDCフィルムズからの離脱を検討しており、現時点でも最終的な決断は下されていないという。

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Sources: The Hollywood Reporter, TV Line

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。