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『ブラックパンサー』続編映画は「前作監督がやりたい時に」 ― 内容は鋭意計画中、女性スピンオフも「アイデアがある」

ブラックパンサー
Black Panther (2018) Directed by Ryan Coogler ©Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータイメージ

映画『ブラックパンサー』(2018)は、米国で公開されるや世界中で衝撃の大ヒットを記録。マーベル・シネマティック・ユニバース初の黒人ヒーロー映画、出演者の大部分を黒人俳優で固めて成し遂げた快挙は、ハリウッドや映画業界にすさまじいインパクトを与えるには十分だった。

マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、米国公開から1ヶ月経たない2018年3月中旬の時点で「(続編は)絶対にやるだろう」「しっかりした方向性も決まっている」と言い切っている。秘密主義が貫かれた『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)をいち早く観る許可が出されていたことから、ライアン・クーグラー監督の続編登板はほぼ間違いないとみられている

このたびケヴィン社長、そして『ブラックパンサー』のプロデューサーを務めたネイト・ムーア氏は、続編の計画や前作の大ヒットについて新たに発言している。オコエやシュリ、ナキアといった魅力的な女性キャラクターのスピンオフについても…!

『ブラックパンサー』続編、ライアン・クーグラー監督ありき

Colliderの取材にて、ケヴィン社長は「ライアン(・クーグラー監督)に復帰してもらいたいですし、その計画をしています」と明言。気になる時期については、すでに「(続編を)いつにしようというアイデアはある」そうだ。
ただしマーベルの意向より、今やライアン監督が続編を手がけることのほうが重要なのだろう。続編の製作時期について、社長は「アイデアはある」と言いつつも「ライアンが作りたい時になりますね、まったく急いでいませんので」とも話している。

これと同じ言葉を米Comicbook.comに寄せたのは、前作のプロデューサーであるネイト氏だ。「(ライアン監督の復帰は)僕たちの希望ですし、そのつもりです」、「彼なしに『ブラックパンサー』を再び作ることは考えられません」と言い切った。ここまで言わせるあたり、ライアン監督も続編には相当前向きなのだろう。

では、いずれ製作される続編はどんなストーリーになるのだろうか? もちろん詳細は語られていないものの、ネイト氏は計画を水面下で進めていることを明かしている。

「ワカンダには語られるべき物語が山ほどあります。だって(前作にも)時間の都合で採用しなかったアイデアがあったんですから。[中略]『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』や『アベンジャーズ4』がどんな内容になるのかがわかっているので、それに応じて計画を立てています。前作を踏まえて、次に語るべきだと思える最高のストーリーがあるんですよ。」

2019年公開『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』のあと、マーベル・シネマティック・ユニバースの作品ラインナップは明かされていない。現在マーベル・スタジオは『アベンジャーズ』第4作のあと、すなわち「フェイズ4」の内容を検討しているところのようだ。そこでは『ブラックパンサー』続編が重要な位置を占めているのだろう、ネイト氏は「できるかぎり緻密な計画を立てていますし、良いアイデアを取り入れる余地もあります」と話している。

オコエ、シュリ、ナキア…女性スピンオフや今後の展開は

ところで『ブラックパンサー』には、オコエやシュリ、ナキアといった女性キャラクターのスピンオフ映画を求める声も多い。ライアン監督も先日興味を示したばかりだが、この可能性についてはネイト氏も「十分ありうると思います」と述べた。

「最高のアイデアですよね。『ブラックパンサー』の女性キャラクターは非常に共感できて、それぞれがきちんと自立している。自分自身で決断して物語を進めますよね。ナキアがワカンダを守るとか、それぞれ別々の物語があると思います。続編やその後に続く物語があって、切り取り方もたくさんある。とにかく大切なのは、語るべき物語は何か優れた物語とは何か、ということ。何が最優先かは言えませんが、率直に言って、どちらも満たせるようなアイデアはあるんですよ。」

ブラックパンサー
©Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータ イメージ

マーベル・スタジオの内部で何が起こっているのかはわからないものの、おそらく女性主人公のスピンオフ映画はすでに検討されているとみていいだろう。『キャプテン・マーベル』や『ブラック・ウィドウ(仮題)』など、今後のユニバースでは女性キャラクターの存在感がどんどん高まっていくに違いない。

ちなみにケヴィン社長は、『ブラックパンサー』の興行的成功を喜びながら、その成果がもたらした影響についてこう述べている。豊かな作品づくりは成功なくしてありえないことが、その言葉からは十分にうかがえるだろう。

「『ブラックパンサー』の成功は本当に素晴らしいこと、あらゆる意味で幸福なことです。大きな期待を超えてくれました。僕たちの期待はいつも大きくて、だから『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でもワカンダや(『ブラックパンサー』の)登場人物を作品の中心に持ってきたんです。
(『ブラックパンサー』の成功は)“このままの道を行け”ということですよね。もし失敗してたら大混乱でしたよ、考えていたことを大幅に変更しなきゃいけなかったでしょうし。今の方向性で進み続ける意志が固まりましたし、(今後が)すごく楽しみなんです。」

映画『ブラックパンサー』MovieNEXは2018年7月4日発売予定

Sources: Collider, Comicbook.com

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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