『ブレックファスト・クラブ』リメイクなし「白人が多く、人種的な多様性があまり見られないし、ジェンダーも語っていない」と出演者

ジョン・ヒューズ監督による傑作青春映画『ブレックファスト・クラブ』(1985)。今もなお人気を博し、新たなファンを生み出しつづけている一作だが、出演者のひとりは「リメイクすべきではない」と考えているという──。
2025年4月12日、シカゴのコンベンション・イベント「C2E2」にて、『ブレックファスト・クラブ』の製作40周年を記念するパネルイベントが開催された。映画の撮影がシカゴ郊外の高校で実施されたという、縁の深い土地でのイベントとあって、メインキャスト5人が40年ぶりに再集結。“スポーツマン”アンドリュー役のエミリオ・エステベスは『ブレックファスト・クラブ』のリユニオンには初参加となった。
『ブレックファスト・クラブ』のリメイクについて、その場で自身の考えを語ったのは、“お嬢さま”クレア役のモリー・リングウォルドだった。
米Peopleによると、リングウォルドは「個人的には、この映画をリメイクすることは信じられません。(映画が作られた)当時をよく表していると思うから」と話した。「とても白人が多く、人種的な多様性があまり見られないし、ジェンダーについても語っていません。今の世界を表しているとは思えないんです」。
以前、リングウォルドは英The Timesにて本作を「大好きなところはたくさんあるけれど、時代に合わないところもある映画」だと語っていた。「たとえば、ジョン・ベンダー(ジャド・ネルソン)が私にセクハラするところ。時代は本当に変わったな、と言えることをうれしく思います。
むろん、リングウォルドにこの映画を貶めるつもりはない。イベントでは「今の人たちの心にも響く作品」だと述べ、あくまでもリメイクではなく、別のアプローチを希望した。「別の映画に影響を受けつつ、現在を反映した映画を作るのがいいと思います。『ブレックファスト・クラブ』にインスパイアされた、けれども異なる方向性に向かっていく映画を観てみたいですね」。
いうなれば、それはディズニーが昔の名作アニメーションを実写映画として再創造する試みにも似ているだろう。もっとも、『ブレックファスト・クラブ』に影響を受けた作り手たちは、すでにそれぞれのやり方で本作のアップデートを行っている。たとえばトム・ホランド主演『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)のジョン・ワッツ監督は、本作のエッセンスを現代的に解釈し、スーパーヒーロー映画に取り入れていたのだ。
今後、本格的に『ブレックファスト・クラブ』のリメイク企画や、あるいは大胆な翻案が行われることがあるかどうか。そのときにオリジナルの魅力を損なわず、時代の空気を拾えるかどうかも大きなポイントだ。
Source: People (1, 2, 3), The Times