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「ブレイキング・バッド」シーズン4の重大事件、ウォルター役も真相を知らなかった

ブレイキング・バッド
© AMC 写真:ゼータ イメージ

ドラマ「ブレイキング・バッド」(2008-2013)で主人公ウォルター・ホワイト役を演じたブライアン・クランストンは、シーズン4で描かれた重大事件の真相を、最終話の脚本を読むまで知らなかったという。クランストン本人が撮影時を振り返り、迫真の演技の裏側を明かしている。

この記事には、「ブレイキング・バッド」シーズン4第12話『憎しみの行方』&第13話『フェイス・オフ』のネタバレが含まれています。

ブレイキング・バッド
Walter White (Bryan Cranston) and Jesse Pinkman (Aaron Paul) – Breaking Bad_Season 5, Episode 1_”Live Free or Die” – Photo Credit: Ursula Coyote/ AMC

ポッドキャスト「Sing for Science」にて、「ブレイキング・バッド」の舞台裏を語ったクランストン。そのなかで「あるエピソードでは、撮影が終わるまで次の脚本は読まないようにしていました。幼い男の子が毒を盛られる回です」と語り、シーズン4第12話『憎しみの行方』に言及した。

同エピソードでは、ジェシー(アーロン・ポール)の恋人の息子・ブロックが毒を盛られ、病院に搬送される。ジェシーは、タバコの箱に隠していた“リシン”が消えていることに気づき、ウォルターが犯人だと察知。彼に銃を向け、激しく問い詰める。

一方のウォルターは、何も知らない様子で潔白を主張。その後、ひらめいたように「一日中、私を殺すためにガスが誰を差し向けるのか考えていた。お前だったのか」と語り、ガス・フリング(ジャンカルロ・エスポジート)による陰謀だと訴える。

続く最終話・第13話『フェイス・オフ』では、毒の正体がリシンではなくスズランだったことが判明し、“事故”として処理される。しかし、ラストシーンでウォルター宅の庭が映し出されると、そこにはスズランの鉢植えが。こうしてウォルターが犯人だったという決定的な証拠が示され、シーズンは幕切れとなる。

ウォルターの説得力のあるロジックと、クランストンの熱演によって、ジェシーと同じく騙された視聴者も多かっただろう。実はクランストン自身も、本気でガスが犯人だと思っていたようだ。

「ジェシーは私(ウォルター)の仕業だと思い込み、ひどく動揺して怒り、私を殺そうとする。私はこう考えていました。 “なぜ私がそんなことをする? そんな理由はない。これで得をするのは誰だ? ガス・フリングだ!あいつだよ!あいつがやったんだ!彼の仕業だとわからないのか?”」

そう考えながら、「本気で“正当な視点”として演じていた」というクランストン。「なぜなら次のエピソードを読んで、“おや、私だったのか。しまった(笑)”となるまで(ウォルターが犯人だと)気づかなかったからです」と語っている。

その背景には、本作の生みの親ヴィンス・ギリガンによる「非常に密度の高い」キャラクター描写があったという。「多くのものを抱えこみ、キャラクターや人間関係がとても複雑になっているので、その中で迷ってしまう。私自身も、迷い込んでしまいました。あの少年に毒を盛ったのが自分だとは知らなかったんです」。

ちなみに、撮影が終わるまで次の脚本を読まないと決めた理由は、「当時のウォルター・ホワイト/ハイゼンベルクが激動の渦中にいたから」とのこと。「先を知っていれば混乱して、撮影中のシーンに誤って何かを反映させてしまうかもしれない。彼(ウォルター)にとってはジェットコースターのような出来事です。だから一話ずつ着実に進めたかったんです」。

こうしたクランストンの役に対する姿勢と巧妙な脚本が相まって、ウォルターの“嘘”に真実味が帯びたのかもしれない。だからこそ、シーズンの最後で明かされる真相は、視聴者に強烈な印象を残すものとなった。

Source: Sing for Science

Writer

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KyokoKyoko Okajima

アメリカ留学、大手動画配信サービスの社員を経て、ライターに転身。海外ドラマが大好きで、永遠のNo.1は『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』。

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