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なぜ『ブレット・トレイン』は誇張された日本の海外キャスト映画になったのか?監督に聞く「ブレット・トレイン・ユニバース」

映画『ブレット・トレイン』デヴィッド・リーチ監督インタビュー取材

伊坂幸太郎によるベストセラー小説『マリアビートル』を原作にしたハリウッド映画『ブレット・トレイン』が2022年9月1日より日本公開となる。日本を舞台にした日本の商業小説が、ブラッド・ピットら超豪華俳優陣と共にアメリカで映画化された意義は大きい。

劇中では東京発・京都行の新幹線内を舞台に、誇張されたクレイジーな日本描写がいくつも登場する。そんな過激な世界観をスリルたっぷりに映像化したのは、かつてブラッド・ピットのスタントンマンとして知られ、『アトミック・ブロンド』(2017)、『デッドプール2』(2018)、『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(2019)といった大作アクション映画も手掛けたデヴィッド・リーチ。THE RIVERでは監督にZoomでインタビューを行い、「誇張された日本」へ込めた想いや、原作者の伊坂幸太郎とのやり取りについてを聞いた。

『ブレット・トレイン』デヴィッド・リーチ監督 単独インタビュー

──ハイ、デヴィッド!こちらは東京からつないでいます。コンニチハ!

ハイ!コンニチハ!

──あなたの関わっている映画は、『ジョン・ウィック』(2014)から『ケイト』(2021)に至るまで全作観ていますよ。『ケイト』も日本が舞台でしたが『ブレット・トレイン』の日本はもっとクレイジーで誇張されていましたね。日本人として言わせていただくと、あれはリアルな日本ではありません。でもこれは映画ですから、そこにはファンタジーがあっても良いわけですし、僕も好きです。この誇張された日本はどのように作りあげられたのですか?

ストーリーテラーとして、時に映画とはあまりにも非現実的なのものなので、別世界を作ることで刺激的な探求をしたくなるんです。僕らがやったのは、そういうことです。伊坂幸太郎の小説には素晴らしく豊かなキャラクターたちがいて、もちろんそこには独自のやり方で敬意を払いたい。誇張された世界を作るのは、私の感性に寄り添ったものです。日本のアニメや漫画といった、日本のカルチャーやカラーによるアートとポップ性、そういったものに寄せていきました。

実際、夢の世界を作り上げるような感じでしたね。2時間の間、現実逃避に訪れたい世界観です。そこには超暴力もあるし、不謹慎なユーモアもあるけど、キャラクターに対する感覚もきちんとある。「ブレット・トレイン・ユニバース」ですよ。

──「ブレット・トレイン・ユニバース」、いいですね!今、僕の手元には伊坂幸太郎の原作小説があります。彼は日本ではすごく有名で、彼の小説を原作にした日本映画がいくつもあります。そんな彼の本がついにハリウッドに進出したということで、みんなすごく興奮しているんですよ。伊坂さんとは話したり、ディスカッションをしたりしましたか?

そうですね。僕が参加する以前からソニー・ピクチャーズが彼の本を脚色していたんです。彼自身と、脚本家のザック・オルケウィッツと一緒にね。それ以来、我々はコミュニケーションを取り合い、僕のヴィジョンがどういうものかかを伝えていました。

結局のところ、もともとソニー・ピクチャーズが伊坂幸太郎の祝福とともに、グローバルな大作として脚色を済ませていたんです。キャラクターには多様性があって、彼もそこには興奮していましたよ。彼の作品は日本やカルチャーを超越していますからね。ご本人も、ビッグにやりたい、グローバルにやりたいという感じでした。「僕のキャラクター全員が日本人じゃなくても良いです」と。彼はそんなところが素晴らしいですね。

僕が知っているストーリーは、その時点の脚本からだけです。その頃、既にウルフはああいうウルフで、ラテン系になっていました。レモンとタンジェリンも、既にイギリス人の設定でした。それで理にかなっていましたよ。彼が書いたテーマは国や人種を超えますからね。彼の特別な一作と共に、国際色豊かな映画を作れて嬉しいです。

映画『ブレット・トレイン』は2022年9月1日、日本公開。

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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