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『バンブルビー』海外レビューで「トランスフォーマー史上最高」の声 ─ 「とにかく楽しい80年代風映画」「サントラもすばらしい」

バンブルビー
(c) 2018, 2019 Paramount Pictures. Hasbro, Transformers and all related characters are trademarks of Hasbro. (c) 2019 Hasbro. All Rights Reserved.

大ヒット映画シリーズ『トランスフォーマー』の最新作、映画『バンブルビー』が米国で早くも絶賛を浴びている。2018年12月9日(現地時間)に開催されたLAワールド・プレミアのあと、大手レビューサイト「Rotten Tomatoes」でも優れた成績を示しているのだ。

シリーズ第1作以前を描く『バンブルビー』では、アニメ映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(2017)のトラヴィス・ナイト監督が実写映画に初挑戦。シリーズ初の女性主人公チャーリー役にはヘイリー・スタインフェルドが起用された。完全なるシリーズの新境地となる本作は、一体どんな言葉で語られているのか? 海外のジャーナリストたちによる言葉をご紹介していこう。

バンブルビー
(C)2018 Paramount Pictures. All Rights Reserved. HASBRO, TRANSFORMERS, and all related characters are trademarks of Hasbro. (C)2018 Hasbro. All Rights Reserved.

「『トランスフォーマー』シリーズ史上最高」

『バンブルビー』を絶賛する声の中で目立つのは、『トランスフォーマー』シリーズで最も優れた作品になっているという言葉だ。トラヴィス・ナイト監督は、これまでシリーズを手がけてきた“ハリウッドの爆発王”マイケル・ベイ監督とは異なる、ハートウォーミングかつユーモラスな『トランスフォーマー』を生み出したようである。

ペリ・ネミロフ氏(Collider)

映画『トランスフォーマー』史上最高。美しいショットに、的確なユーモアと胸がいっぱいになる場面がいっぱい。サプライズはないけれど、ヘイリー・スタインフェルドはとってもいい。とにかく全編が最高に楽しい!

ジョン・スティーブン・ロカ氏(Collider Video)

「『バンブルビー』はすごく、ものすごく楽しかった! 『トランスフォーマー』に待ち望まれてきたものを、トラヴィス・ナイトが実現したことにファンは喜ぶことでしょう。愉快で心温まり、アクションもたっぷりで、ヘイリー・スタインフェルドをはじめとした出演者の演技もすばらしい。みなさん大好きになりますよ!」

ニコラス・ウィットコム氏(Hybrid Network)

「今年最高の一本で、最も深みのある大作映画。トラヴィス・ナイトは、少女とロボットによる成熟の物語を見事に演出しました。鮮やかなビジュアル、よく書かれた登場人物たち、そして最高のジェネレーション1。この『トランスフォーマー』を今すぐにもっと観たい。

バンブルビー
(C)2018 Paramount Pictures. All Rights Reserved. HASBRO, TRANSFORMERS, and all related characters are trademarks of Hasbro. (C)2018 Hasbro. All Rights Reserved.

一方で興味深いのは、シリーズ第1作『トランスフォーマー』(2007)と比較する声だ。同作の魅力をうまく捉えた、いわば“第1作の再来”とも形容できそうな感想も見受けられるのである。

アリーシャ・グラウソ氏(Atom Tickets)

「『バンブルビー』の大ファンです、作品のとりこになりました。シリーズ第1作の魅力を捉えていて、心温まるところがたくさんあり、目を見張るアクションシーンを中心にストーリーが構築されています。それにめちゃくちゃ愉快なところもあって、大笑いしてしまうんです。」

1980年代へのオマージュ

『バンブルビー』の予告編が公開されてすぐ、映画ファンの間では、スティーブン・スピルバーグ作品などを思わせる“懐かしの雰囲気”が作品に漂っていることが話題となっていた。その見立てはどうやら正しかったようで、『バンブルビー』は1980年代に製作された数々の名作に敬意を捧げているようだ。もちろん、それでいて子どもたちも楽しめる作品に仕上がっているらしいことも見落としてはならない。

ヨランダ・マシャド氏(批評家)

「『バンブルビー』は本当に楽しい映画! ヘイリー・スタインフェルドがすばらしい。『E.T.』(1982)や『激突!』(1971)、そして80年代の傑作家族映画を思い出す楽しいシーンもたくさんあります。娘や甥たち(13歳、11歳、7歳)もすぐに大喜びしました。もう一度観るのが楽しみです。」

マイク・ルージョー氏(GameSpot)

『バンブルビー』はありうるかぎり最高の、完全なる80年代映画。スティーブン・スピルバーグやジョン・ヒューズ作品の雰囲気に『ブレックファスト・クラブ』(1985)のギャグ、そしてヘイリー・スタインフェルド(最高)は映画の半分以上を費やしてバンブルビーにザ・スミスの良さを理解させようとする。大好きな映画でした。」

バンブルビー
(C)2018 Paramount Pictures. All Rights Reserved. HASBRO, TRANSFORMERS, and all related characters are trademarks of Hasbro. (C)2018 Hasbro. All Rights Reserved.

もし『トランスフォーマー』ファンじゃなくても

まだ『トランスフォーマー』シリーズを観たことがない、あるいは『トランスフォーマー』シリーズにそこまでハマっていない、そんな方も『バンブルビー』に注目してほしい理由がある。本記事の最後に、「マイケル・ベイが大好きだけど、『トランスフォーマー』のファンではない」と言い切る米Fandangoのエリック・デイヴィスによる長文の感想をご覧いただきたい。

エリック・デイヴィス氏(Fandango)

映画版『トランスフォーマー』史上最高の作品で、僕にとっても一番のお気に入り。ヘイリー・スタインフェルドは登場シーンのすべてを良くしているし、ロボットの古い見た目は、アクションを目で追って楽しみやすいものにしている。
ようやく見どころのある『トランスフォーマー』が登場して、本当にうれしい。自分自身を発見することを描いた、楽しくて、時にスリリングな映画です。80年代の雰囲気も懐かしくて最高。サウンドトラックも素晴らしくて――もしもザ・スミスが好きなら、この映画はお気に入りになるでしょう
そして、クリスティーナ・ホドソン(脚本家)がとても良い仕事をしています。このシリーズに人間味を与えられる女性がついに登場しました。僕はマイケル・ベイが大好きですが、『トランスフォーマー』のファンではありません。僕は『バンブルビー』のファン。ホドソンの優れた脚本と、このシリーズに自分のスタイルを持ち込んだトラヴィス・ナイトに賛辞を。」 

ちなみに『トランスフォーマー』ファンのみなさんもご安心あれ。ジェネレーション1のデザインを完璧に映像化することに成功したという冒頭シーンには、米UPROXXのマイク・ライアン氏が大興奮して「トランスフォーマー・ポルノ」というとんでもない呼び名を付けてしまったほどである。

『バンブルビー』

自分の居場所を見つけられない思春期の少女チャーリーは、海沿いの小さな廃品置き場で、ボロボロの黄色い車を見つける。「バンブルビー」と名付け、修理したこの車が、やがて普通の車ではないと気づくのに時間はかからなかった。1987年、まだ地球は平和な生活を送っていた。その時までは……。

バンブルビー
© 2018 Paramount Pictures. All Rights Reserved. HASBRO, TRANSFORMERS, and all related characters are trademarks of Hasbro. © 2018 Hasbro. All Rights Reserved.

主人公チャーリーを演じるのは、映画デビュー作『トゥルー・グリット』(2011)でアカデミー賞助演女優賞にノミネート、『スウィート17モンスター』(2016)で熱烈な支持を集めたヘイリー・スタインフェルド。『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(2016)がアカデミー賞アニメ部門にノミネートされたトラヴィス・ナイトが実写映画の監督を初めて務める。

映画『バンブルビー』は2019年3月22日(金)全国ロードショー

『バンブルビー』公式サイト:https://bumblebeemovie.jp/

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。