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『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 アルティメット・エディション』が大傑作である理由

『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』の完全版!

2016年3月25日に上映されたバットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生(BvS)。題名の通りスーパーマン(ヘンリー・カヴィル)とバットマン(ベン・アフレック)が戦い、その裏でスーパーマンの宿敵レックス・ルーサー(ジェシー・アイゼンバーグ)が暗躍するというもの。一般的な評価は上々ですが批評家からは酷評を受けてしまった今作。しかし、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 アルティメット・エディション』にて30分の未公開映像が挿入されたことで評価が大々的に覆りました。

日本でのBD発売は2016年8月10日ですが、既にネット配信が開始されています。。そこでアルティメット・エディションで何が変わったのか。そして本来の『バットマンvsスーパーマン』とはどのような物語だったのかをご紹介します。

悪に堕ちたバットマンをスーパーマンが救う

 

さて、『バットマンvsスーパーマン』にて上がった批判の中で最も多かったものは”話がわかりにくい”でした。ですがアルティメット・エディションにて細切れ感が否めなかった場面場面が綿密に練られた伏線と、暗黒面に染まってしまったヒーローが新たな希望のヒーローに救済されるという物語がわかりやすくなっています。

悪になったヒーローとはもちろんバットマンのことです。コミックを翻訳ででも読んだ人にはわかりやすいことですが、ブルース・ウェインが扮装するバットマンは常に仲間のヒーローを監視し、弱点を探っています。それは一重に「今は味方でも未来ではどうなるかわからない」からです。過激で陰湿で危うい精神の持ち主であるバットマンですが相棒のロビンを義理の息子にし、スーパーマンという親友を得ることで辛うじて一線を超えずにいます。

しかし、今作のバットマンは息子にして相棒のロビン、二代目を襲名したジェイソン・トッドを喪い、長年に渡る犯罪者との戦いで精神が摩耗し、擦り切れていました。加えて『マンオブスティール』にてスーパーマンとゾッドの神々の戦いとも言うべき出来事の巻き添えで自社の社員を多数死なせたことから、スーパーマンへ深く、凝り固まった憎悪を向けています。

以上の事が重なり、バットマンはダークヒーローからただの犯罪者へとなり、不殺の誓いは鳴りを潜めて凶悪犯罪者には牢獄で囚人達からの暴行を受ける烙印を押し始めます。アルティメット・エディションではスーパーマンこと、新聞記者のクラーク・ケントの視点によって悪に堕ちたバットマンをゴッサム市民がどう見ているかや、彼によって死に追いやられた犯罪者の家族の心情が語られ、スーパーマンがバットマンを救うことの必要性に説得力が増しているのです。

良心と希望の象徴スーパーマンが悪に堕ちたヒーローと出会う

 

そしてアルティメット・エディションではスーパーマンことカンザス育ちの新聞記者、クラーク・ケントの人間性の掘り下げもされています。宇宙から来た超人ヒーローの出現によって世界は大きく揺れます。スーパーマンとは何か、敵か味方か、彼の人命救助を何処まで受け入れるべきか。人々は反スーパーマンとスーパーマン信奉者に分かれます。

けれども、クラーク・ケントはあくまで大らかな農家の夫婦に育てられ、上京して都会の荒波に揉まれつつも最善を尽くそうと励む田舎者です。その性質はアルティメット・エディションにて挿入されたカットで遺憾なく発揮されます。仕事に悩み、人々の悲しみに心を痛め、弱ったら田舎の母に電話して相談する。何処にでもいそうな人間たるスーパーマンが状況とレックス・ルーサーの陰謀で危険な異星生物として祀り上げられ、スーパーマンは葛藤を抱え、それを乗り越えて戦い、バットマンに希望という光を見せるのです。

『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』のBD/DVD発売日は2016年8月10日。DCEUの世界はこれからもどんどん広がっていきます。その萌芽と言うべきアルティメット・エディションを観て、これからの展開を心待ちにしましょう。

 

 

 

 

 

Writer

小村健人村上 幸

DCコミックスと非ヒーローコミックスをメインに読んでいます。ユーロコミックスを原語で読むのが現状の目標です。好きなヒーローチーム:ジャスティス・リーグ・インターナショナル好きなヒーロー:たくさんのDCヒーロー(特にキース・ギッフェンがライターを担当した時のヒーローかヴィラン) salarmko@outlook.jpお仕事の依頼はこちらへ。

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