Menu
(0)

Search

『バットマン vs スーパーマン』ジョーカーに殺害されたロビン、ディック・グレイソンだった ― ザック・スナイダー監督が認める

映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)には、バットケーヴに保管されたロビンのスーツが登場する。「ハッハッハ、ジョークのお返しだよ、バットマン(Ha Ha Ha. Joke’s on you, Batman.)」とスプレーで書かれたスーツからは、“狂気の犯罪王子”ジョーカーによってバットマンの相棒が殺されたことがうかがえるのだ。また『スーサイド・スクワッド』(2016)のデヴィッド・エアー監督は、ジョーカーがロビンを殺害したことを認めている。

しかし、このロビンのスーツはある疑問を生んだ。殺害されたロビンは、コミックにおける“初代”のディック・グレイソンなのか、それとも“2代目”ジェイソン・トッドなのかというものだ。公開から2年以上が経過して、ザック・スナイダー監督がついにその答えを明かした。

殺害されたのはディック・グレイソン

これまで、『バットマン vs スーパーマン』において死が示唆されているロビンは“2代目”ジェイソン・トッドだという説が有力だった。コミックでジェイソンはジョーカーに殺害されているほか、2016年5月にワーナー・ブラザースが公開した映像では「ジェイソン・トッド/ロビンのスーツです」と明言されたのだ(映像はすぐに削除され、現在は見られなくなっている)。こうした経緯から、『バットマン vs スーパーマン』ひいてはDC映画ユニバースでジョーカーに殺害されたのはジェイソンであるとの見方は強まっていた。

しかし2018年4月、ザック・スナイダー監督はこうした流れに自ら疑問を呈した。SNS「Vero」にて「『バットマン vs スーパーマン』にジェイソン・トッドのストーリーを入れる計画はあったのか」という質問を受けたザック監督は、「なぜあれ(スーツ)がジェイソン・トッドのものだと思うの?」という返答をよこしたのである。

さらに7月30日(米国時間)、『スーサイド・スクワッド』(2016)の削除シーンから「ジョーカーは僕から大切なものを奪った…」というバットマンのセリフを引用して「ジェイソンのこと?」と記したユーザーに対して、ザック監督は「リチャード」とコメントしている。

「リチャード」とはディック・グレイソンの本名、リチャード・ジョン・グレイソンのこと。すなわちザック監督によれば、DC映画ユニバースでジョーカーに殺害されているのは“初代ロビン”のディック・グレイソンだというわけだ。もちろん多くのファンにとって、これは想定外の事実であろう。上の画像ではファンたちの阿鼻叫喚もあわせて確かめることができる。

ところがこうして真相が解明された一方で、ザック監督による設定はもはや効力をもたない可能性も高い。なぜならワーナー・ブラザース&DCコミックスは、ディック・グレイソンを主人公とする単独映画『ナイトウィング(邦題未定、原題:Nightwing)』の企画を進行しているからだ。またザック監督は『ジャスティス・リーグ』(2017)を途中降板したのち、『アクアマン(邦題未定、原題:Aquaman)』(2018)や『ワンダーウーマン 1984(邦題未定、原題:Wonder Woman 1984)』(2019)にプロデューサーとして携わっているものの、いまやDC映画全体の方向性や創作面には大きな権力を有していないとみられる。『バットマン vs スーパーマン』の劇中に「殺されたロビンはディック・グレイソン」だと断定できる要素がない以上、ザック監督の設定は撤回されても不思議ではない

ちなみにザック監督は、『ジャスティス・リーグ』以降のDC映画ユニバースについても展開の構想を練っていたようだ。同じくVeroでの投稿によると、監督はディックを甦らせるのではなく、コミック『ダークナイト・リターンズ』(邦訳版:小学館集英社プロダクション刊『DARK KNIGHT バットマン:ダークナイト』収録)でロビンの役割を務める少女キャリー・ケリーを新たに登場させる計画だったという……。

映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』ブルーレイ&DVDは発売中

Sources: ComicBook Debate(1, 2), ComicBook.com(1, 2, 3), Batman News
© 2016 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. TM & © DC Comics

Writer

アバター画像
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly