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2020年カンヌ国際映画祭の公式ラインナップ発表 ─ ウェス・アンダーソン、スティーブ・マックイーン、フランソワ・オゾン監督などの最新作が選出へ

カンヌ国際映画祭
Photo by plb06 https://www.flickr.com/photos/plb75/47839716931/

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、リアルイベントとしての開催を断念した2020年カンヌ国際映画祭の公式ラインナップが発表された。

今年は例年とは異なり「コンペティション部門」「ある視点部門」というカテゴリーの概念がなく、「オフィシャルセレクション」として同映画祭史上最多となる計2,067本にも及ぶ応募の中から56作品が選出された。発表された作品はいずれも、映画祭側が公認を示した「カンヌレーベル」として、今後開催される予定のトロント国際映画祭、サン・セバスティアン国際映画祭などをはじめとした世界各国の映画祭や、劇場公開時に上映されることになる。

このたび発表された作品の中には、カンヌ国際映画祭の常連組とされるウェス・アンダーソン監督『The French Dispatch(原題)』、アカデミー賞に輝いた『それでも夜は明ける』(2013)のスティーブ・マックイーン監督『Mangrove(原題)』『Lovers Rock(原題)』、2019年のベルリン国際映画祭で銀熊賞に輝いたフランソワ・オゾン監督『Summer 85(英題)』、マッツ・ミケルセン主演&トマス・ヴィンターベア監督『Another Round(英題)』など、注目度の高い作品が勢揃いしている。

日本からは、同じく常連組の河瀨直美監督『朝が来る』、深田晃司監督『本気のしるし(劇場版)』が入選。その他のアジア勢からは、ヨン・サンホ監督『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)の続編『Peninsula(英題)』、『蜜の味 〜テイスト オブ マネー〜』(2012)のイム・サンス監督『Heaven: To The Land of Happiness(英題)』、ジョニー・トー&ツイ・ハーク&アン・ホイ&リンゴ・ラム&パトリック・タム&サモ・ハン・キンポー&ユエン・ウーピン監督によるオムニバス映画『Septet: The Story of Hong Kong(英題)』などが選出されている。

初選出組で一際目立つのは、『ゴッズ・オウン・カントリー』(2017)で世界中から注目を浴びたフランシス・リー監督による最新作『Ammonite(原題)』。初監督作品での選出には、『グリーンブック』(2018)の俳優ヴィゴ・モーテンセンによる『Failing(原題)』がある。そしてアニメーション作品からは、宮崎駿が企画、宮崎吾朗が監督を務めるスタジオジブリ最新作『アーヤと魔女』、ディズニー&ピクサーによる『ソウルフル・ワールド』(2020年12月11日公開)などが選出された。現時点では、今回発表された作品がどこの映画祭に出品されるのかは不明のため、続報に期待したいところだ。

なお例年と比べて、比較的若手の監督が集ったといえる今年のカンヌ国際映画祭だが、当初は『エル ELLE』(2016)のポール・バーホーベン監督『ベネデッタ(原題:Benedetta)』、パルムドールにも輝いた『ブンミおじさんの森』(2010)のアピチャッポン・ウィーラセタクン監督&ティルダ・スウィントン主演『Memoria(原題)』、『ジャネット、ジャンヌ・ダルクの幼年期』(2017)のブリュノ・デュモン監督&レア・セドゥ主演『On a Half-Clear Morning(英題)』なども候補として予想されていた。米IndieWireによると、2021年のカンヌ国際映画祭までこれらの作品は持ち越しになるだろうとのことだ。

2020年カンヌ国際映画祭 ラインナップ一覧

常連組(※1回以上選出済み)

  • ウェス・アンダーソン『The French Dispatch(原題)』
  • フランソワ・オゾン『Summer 85(英題)』
  • 河瀬直美『朝が来る』
  • スティーブ・マックイーン『Lovers Rock(原題)』
  • スティーブ・マックイーン『Mangrove(原題)』
  • トマス・ヴィンターベア『Another Round(英題)』
  • マイウェン『DNA(英題)』
  • ジョナサン・ノシター『Last Words(原題)』
  • イム・サンス『Heaven:To The Land of Happiness(英題)』
  • フェルナンド・トルエバ『Forgotten we’ll be(英題)』
  • ヨン・サンホ『Peninsula(英題)』
  • シャルナス・バルタス『In the Dusk(英題)』
  • リュカ・ベルボー『Home Front(英題)』
  • 深田晃司『本気のしるし(劇場版)』

初選出組

  • ダニエル・アルビッド『Passion Simple(英題)』
  • マリー・カスティーユ・マンシオン・シャール『A Good Man(原題)』
  • エマニュエル・ムレ『Les Choses qu’on dit, les choses qu’on fait(原題)』
  • アイテン・アミン『Souad(原題)』
  • ベン・シャーロック『Limbo(原題)』
  • ファリド・ベントゥーミ『Red Soil(英題)』
  • マグヌス・フォン・ホーン『Sweat(原題)』
  • ルボビック・ゾラン・ブケルマ「『Teddy(原題)』
  • カメン・カレフ『February(英題)』
  • フランシス・リー『Ammonite(原題)』
  • エリ・ワジュマン『Un medecin de nuit(原題)』
  • オスカー・レーラー『Enfant terrible(原題)』
  • パスカル・プランテ『Nadia, Butterfly,(原題)』
  • ニール・バーグマン『Here We Are(原題)』

オムニバス作品

  • ジョニー・トー&ツイ・ハーク&アン・ホイ&リンゴ・ラム&パトリック・タム&サモ・ハン・キンポー&ユエン・ウーピン『Septet: The Story of Hong Kong(英題)』

初監督作品

  • ヴィゴ・モーテンセン『Failing(原題)』
  • ニンジャ・サイバーグ『Pleasure(原題)』
  • シャーリーン・ファビエ『Slalom(原題)』
  • ジョアン・パウロ・ミランダ・マリア『Memory House(英題)』
  • ジミー・ケイルーズ『Broken Keys(原題)』
  • サミール・ゲスミ『Ibrahim(原題)』
  • デア・クルムベガシビリ『Beginning(原題)』
  • ファニー・リアタード&ジェレミー・トルイユ『Gagarine(原題)』
  • スザンヌ・リンドン『16 Printemps(原題)』
  • ピーター・ドゥロウンティス『Vaurien(原題)』
  • ニコラス・モーリー『Garcon Chiffon(原題)』
  • ノラ・マーティロスヤン『Should the Wind Fall(英題)』
  • パスカル・シスト『John and The Hole(原題)』
  • ウェイ・シュジュン『Striding into The Wind(英題)』
  • ダニ・ローゼンバーグ『The Death of Cinema and My Father Too(英題)』

ドキュメンタリー作品

  • ディウド・ハマディ『The Billion Road(英題)』
  • ミシェル・ドウェック、グレゴリー・カーショウ『The Truffle Hunters(原題)』
  • グザビエ・ド・ローザンヌ『9 jours a Raqqa(原題)』

コメディ作品

  • キャロリン・ビグナル『Antoinette dans les Cevennes(原題)』
  • ブリュノ・ポダリデス『Les Deux Alfred(原題)』
  • エマニュエル・クルコル『The Big Hit(英題)
  • ローラン・ラフィット『L’Origine du monde(原題)』
  • ローラン・ティラード『Le Discours(原題)』

アニメーション作品

  • 宮崎吾朗『アーヤと魔女』
  • ジョナス・ポエール・ラスムーセン『Flee(原題)』
  • オーレル『Josep(原題)』
  • ピート・ドクター『ソウルフル・ワールド』
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Source: Festival De CannesIndieWire

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。