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[訃報]キャリー・フィッシャー死去。『スター・ウォーズ』関係者からコメント次々、約40年間のキャリアを振り返る

映画『スター・ウォーズ』シリーズでレイア・オーガナを演じたキャリー・フィッシャーが、12月27日午前に死去した。60歳だった。キャリーは今月23日、ロンドンからロサンゼルスへ向かう飛行機内で心臓発作を起こし、ロサンゼルス市内の病院へ緊急搬送されていた。26日には母親のデビー・レイノルズが「安定した状態にある」と発表した矢先の訃報となった。

フィッシャー家の代理人であるサイモン・ホールズ氏は、「非常に深い悲しみに包まれています。ビリー・ラードは、愛する母キャリー・フィッシャーが今朝8時55分に死去したことを確認しました。世界中で愛された彼女の死は、きっと深く惜しまれることでしょう」と声明を発表している。

女優キャリー・フィッシャー

女優のほか、作家・脚本家としても活躍したキャリー・フィッシャーは、1956年10月21日、歌手エディ・フィッシャーと女優デビー・レイノルズの娘として生まれた。いわばスターのサラブレッドとして誕生したわけだが、キャリーが2歳の時に両親は離婚している。

キャリーが女優としてのデビューを果たしたのは、母親であるデビーが主演を務めたブロードウェイ・ミュージカル『アイリーン』(1973年)だった。その後、映画『シャンプー』(1975年)でスクリーン・デビューし、2年後の1975年には『スター・ウォーズ』のレイア姫に抜擢されている。彼女は『帝国の逆襲』(1980年)、『ジェダイの帰還』(1983年)でもレイア姫を再演し、これらは彼女のフィルモグラフィーを語る上で欠かせない代表作となった。

http://people.com/movies/carrie-fisher-returned-star-wars/
http://people.com/movies/carrie-fisher-returned-star-wars/

その他、キャリーは『ブルース・ブラザーズ』(1980年)や『恋人たちの予感』(1989年)など、数多くの映画やテレビドラマに出演。自身のドキュメンタリー作品にも登場したほか、『オースティン・パワーズ』(1997年)や『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』(2003年)、最近はデヴィッド・クローネンバーグ監督の『マップ・トゥ・ザ・スターズ』(2014年)などにカメオ出演して、強烈な印象を残してきた。

2015年には、『スター・ウォーズ フォースの覚醒』で32年ぶりにレイア姫を再演。同作には娘のビリー・ラードも出演しており、レイア姫の再登場とならんで、親子の共演も大きな話題を呼んだ。なお、キャリーとラードは来年公開される『スター・ウォーズ エピソード8(仮題)』に、『フォースの覚醒』以上に大きな役割で出演しているという。すでに同作は撮影を終了しており、キャリーも自らの仕事を終えていたということだ。

http://www.slashfilm.com/carrie-fisher-force-awakens-photo/
http://www.slashfilm.com/carrie-fisher-force-awakens-photo/

作家・脚本家キャリー・フィッシャー

また、キャリーは“もうひとつの顔”として、作家・脚本家としても活躍した人物でもある。1987年には、自身のドラッグ依存症と双極性障害を描いた自伝的小説『崖っぷちからのはがき』で作家デビューし、この作品は1990年に『ハリウッドにくちづけ』として映画化されている(フィッシャーは映画版の脚本を自身で手がけた)。

その後も、キャリーは自伝的小説やノンフィクション作品をいくつも執筆している。今年秋には「『スター・ウォーズ』の撮影中にハリソン・フォードと浮気していた」と暴露してメディアを騒がせたが、これは最新刊である回顧録”The Princess Diarist”に書かれたものだった。

Photographer: Peter Zambouros http://people.com/movies/carrie-fisher-reveals-affair-with-harrison-ford-star-wars/
Photographer: Peter Zambouros http://people.com/movies/carrie-fisher-reveals-affair-with-harrison-ford-star-wars/

ハリウッド・スターの娘としての自分、ドラッグに溺れたスター女優としての自分など、自らの人生をも作品へと変換していく一方で、キャリーは映画のスクリプト・ドクター(脚本の監修、手直しを担当する職業)としても活動していた。ジョージ・ルーカスとタッグを組み、『スター・ウォーズ』プリクエル3部作で脚本のリライトを手がけたことは有名だが、キャリーはほかにも『フック』(1991年)、『ウェディング・シンガー』(1998年)、『Mr.&Mrs. スミス』(2005年)などの脚本に携わっている。

ちなみに先日、キャリーが『帝国の逆襲』の台本を赤ペンで直しまくった画像がTwitterで話題となった。若かりし頃のキャリーは、自分の台詞だけでなくハン・ソロの台詞にも修正を加えている。この時、すでにスクリプト・ドクターとしての才能が頭角を現していたことがわかる一枚だ。

https://twitter.com/mccrabb_will/status/812770891645861888

『スター・ウォーズ』関係者からのコメント次々

突然の訃報に対して、世界中のファンはもちろんのこと、キャリーの代表作である『スター・ウォーズ』の関係者も相次いでコメントを発表している。

当時19歳だったキャリーをレイア姫に抜擢したジョージ・ルーカスは、キャリーの訃報に際して、

「キャリーと私は、大人になってから長い時間を友人として過ごしました。彼女はとてもスマートで、みなに愛される華やかさをもつ優れた女優であり、作家であり、コメディエンヌだったのです。『スター・ウォーズ』の彼女は、私たちにとって、素敵で、しかも力強いプリンセスでした――活発で賢くて、希望に満ちたキャラクターは、人々が思うよりも難しかったと思います。ビリーやデビー、キャリーの家族や友人、そしてファンのことを考えて祈ります。みなが彼女の死を惜しむことでしょう」

とコメントした。また、ハン・ソロを演じたハリソン・フォードは、「キャリーには唯一無二の特別な輝きがありました。ユーモラスで、しかし大胆不敵でもあったのです。彼女は自らの人生を勇敢に生きたと思います」という声明を発表している。

またTwitterでは、ルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミルが「言葉もない」と述べたほか、C-3PO役のアンソニー・ダニエルズ、ランド・カルリジアン役のビリー・ディー・ウィリアムズ、チューバッカ役のピーター・メイヒュー、そしてダース・ベイダーのスーツアクターを務めたデヴィッド・プラウズら、多くの関係者が哀悼の意を表明している。

https://twitter.com/isDARTHVADER/status/813826559211606016

また、ルーカスフィルムのキャスリーン・ケネディ社長のほか、『フォースの覚醒』のJ.J.エイブラムス監督、『エピソード8』のライアン・ジョンソン監督、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のコリン・トレボロウ監督も、SNSを通じてメッセージを公開している。

「キャリー・フィッシャーの力を知るために、実際に彼女と会う必要はありませんでした。想像しうる通り、彼女は華やかで、美しくて、タフで、素晴らしくて、切れ味が鋭く、またユーモラスな人だったのです。彼女を失うなんて、こんなに不当なことがあるでしょうか。彼女の恩恵を受けられたことを幸せに思います。―J.J.」

https://twitter.com/rianjohnson/status/813860465256169472

これまで、スクリーンの中からたくさんの勇気と強さ、そして希望を教えてくれたキャリー・フィッシャー。彼女の安らかな眠りを心から祈りたい。

sources: http://www.hollywoodreporter.com/news/carrie-fisher-dead-star-wars-actress-was-60-959097
http://comicbook.com/2016/12/27/movies-you-didnt-know-carrie-fisher-helped-write/
http://variety.com/2016/film/news/carrie-fisher-dead-death-star-wars-viii-8-1201948826/
http://www.cbr.com/star-wars-leia-has-a-larger-role-in-episode-viii/
http://ew.com/movies/2016/12/27/carrie-fisher-dead-star-wars-cast-mark-hamill/
http://www.cinemablend.com/news/1604500/see-changes-carrie-fisher-made-to-empire-strikes-back-dialogue
Eyecatch Image: http://www.starwars.com/databank/leia-organa
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Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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