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バッキー役セバスチャン・スタン、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』を気に入っている意外な理由とは

Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/9364124810/

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)で『アベンジャーズ』シリーズへの進出を果たした、バッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャー役のセバスチャン・スタンは、『キャプテン・アメリカ』シリーズの3作品で世界中の観客に親しまれる存在となった俳優だ。しかしバッキーというキャラクターは、作品ごとに複雑な変化を遂げる役柄である。

『キャプテン・アメリカ』シリーズで、主人公のスティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカは数奇な運命をたどり、現代のスーパーヒーローとして葛藤する。その近くで同じく運命に翻弄されてきたのが、スティーブの親友であるバッキーだ。戦火の中をともに戦ったものの、ヒドラに捕らえられて洗脳を受け、現代に蘇った際には記憶を失った暗殺者としてキャプテン・アメリカに対峙する。そして、洗脳の恐怖と再び格闘しながら自分自身を、かつての友情を模索するのだ。

2018年6月22~24日(米国時間)に開催されたAce Comic Con Seattleにて、セバスチャンは「『キャプテン・アメリカ』3作品でお気に入りを1本選ぶなら? 『ウィンター・ソルジャー』ですか?」と尋ねられている。確かに第2作『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)では、タイトルが示してもいるように、バッキーの存在こそが全編を引っ張っていく。

この問いかけに対して、セバスチャンは「そうですね、『ウィンター・ソルジャー』は大好きですけど…」と述べ、厳密に明言することは避けている。それでも彼にとって、やはり『ウィンター・ソルジャー』は大きな意味を持つ一本だという。しかし、それはファンの想像とはやや異なっていたようで…。

「『ウィンター・ソルジャー』は謎めいていて、変な感じでしたね。(撮影の)すべてが楽しかったですよ。こういうことを言うと、“よし、いいぞ。あいつにもうセリフは書かない”って言われそうですけど(笑)。あの映画で、僕はセリフこそ多くなかったですけど、身体でストーリーを伝えようとしていました。そこが面白かったんです。また別の角度の面白さでした。」

その一方、セバスチャンは同作に登場するセリフにひどく悩まされたことも明かしている。ウィンター・ソルジャーとしてのバッキーがスティーブと戦う市街地のシーンで、その素顔を見たスティーブが「バッキー…」と呟くと、彼は「バッキーとは誰だ?(Who the hell is Bucky?)」と応じるのだ。

「あのセリフは恐ろしかった。ずっと怖がってましたよ。“バッキーとは…バッキーとは誰だ…バッキーとは…”って、延々と繰り返していて……。」

確かに『ウィンター・ソルジャー』において、このセリフはスティーブの現状を示すだけでなく、スティーブの心情に大きな影響を与え、二人の関係性に変化を生む重要な一言である。どうすれば良いバランスで成立するのか、という問題は俳優にとって非常に大きな課題だっただろう。

映画『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』MovieNEXは現在発売中

Sources: Ace Universe, Comicbook.com
Eyecatch Image: Photo by Gage Skidmore

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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