J・J・エイブラムス製作総指揮のドキュメンタリー「チャレンジャー号:悲劇のフライト」米予告 ─ 悲劇でなく多様性に焦点当てる

1986年に発生した米スペースシャトル「チャレンジャー号」爆発事故で犠牲となった宇宙飛行士たちの多様性を描くNetflixドキュメンタリーシリーズ「チャレンジャー号:悲劇のフライト」の米予告編が公開された。『スター・ウォーズ』『スター・トレック』シリーズなどのJ・J・エイブラムスが製作総指揮を務める。
「チャレンジャー号爆発事故」は、1981年から2011年までアメリカ政府とアメリカ航空宇宙局(NASA)の協力で行なわれたスペースシャトル計画において、1986年に打ち上げられたチャレンジャー号が離陸73秒後に爆発、搭乗していた宇宙飛行士7名全員が犠牲となった悲劇的な事故だ。本打ち上げには、宇宙授業計画として民間人から選ばれた教師クリスタ・マコーリフや、アメリカの宇宙計画では初のアジア系アメリカ人となる飛行士エリソン・オニヅカなどが搭乗しており、アメリカ全土から注目が集められていた。
本事故の真実を伝える多くの書籍、ドキュメンタリー作品などがこれまでに発表されてきた中で、本シリーズは悲劇の側面に焦点を当てず、搭乗していた宇宙飛行士の多様性を祝福する作品となるという。製作総指揮を務めるのは、『スター・トレック』『スター・ウォーズ』など、夢のある宇宙体験を映画という形で提供してきたJ・J・エイブラムスだ。

「我々は、テクノロジーと発見の最先端にいる」。1986年1月28日、スペースシャトル「チャレンジャー号」打ち上げが目前に迫る中、授業中の生徒も打ち上げのテレビ中継に視線を集める。「この1月にアメリカの教師を乗せたスペースシャトルが打ち上げられるんです」と女性が話すように、この日は宇宙を夢見る子どもたちにとっても特別になるはずだった。そして、「“機体が爆発した”と伝える声がスピーカーで流れたんです」と男性が事故の瞬間を当時のまま語るように悲劇が訪れたのだ。思いがけない出来事に、現場の人々、テレビの前の人々、オペレーター、アメリカ全土が沈黙する。
「もっと多くの人が(宇宙に)行けるようにする予定でした」。マコーリフやオニヅカ、そして初の黒人宇宙飛行士ロナルド・マクネイアの写真が映し出されながら、多様性に富んだ宇宙事業の未来が男性から語られる。そんな無限大の期待を背負っていたチャレンジャー号。いまや国際協力が必要不可欠な宇宙探査において、“多様性”に焦点を当てた本シリーズ、そしてこの爆発事故から学ぶべきことは多いだろう。
ちなみに、スペースシャトル計画はチャレンジャー号爆発事故後から32ヶ月に渡って中断された。また、2003年には同計画内で、ミッションを終えて地球に帰還する直前のコロンビア号が大気圏突入の際に空中分解し、7名の宇宙飛行士が犠牲となる事故が発生している。
本シリーズには、犠牲となった搭乗者の遺族が登場。また、未公開のインタビューや訓練映像、貴重なアーカイブ資料が公開されるとのことだ。監督を務めたのは、『オール・シングズ・マスト・パス』(2015)脚本のスティーブン・レッカートと『セイビング・フェイス 魂の救済』(2012)ダニエル・ユンゲの2人。エイブラムス、監督の2人ほか製作には、『アンディフィーテッド 栄光の勝利』(2011)グレン・ジッパー、『オール・シングズ・マスト・パス』のシーン・M・スチュアートらが名を連ねている。全4話構成。
Netflixオリジナルドキュメンタリーシリーズ「チャレンジャー号:悲劇のフライト」は、2020年9月16日独占配信。
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Source: Collider