世界が認めた新傑作、ドラマ「チェルノブイリ」日本上陸 ─ 史上最悪の原発事故、衝撃のスリラー群像劇に

「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011-2019)を手がけた米国のテレビ局、HBOが新たな傑作を世に放った。チェルノブイリ原子力発電所事故の全貌に迫った実録ドラマ「チェルノブイリ」が、2019年9月25日(水)より「BS10 スターチャンネル」にて独占日本初放送となる(全5話、配信あり)。
1986年4月26日未明、ソビエト連邦(現在のウクライナ・キエフ州)プリピャチにて発生した“人類史上最悪”の原発事故。なぜ惨事は起こったのか、そのとき人々は何をしていたのか…。事故直後から政府による隠蔽、裁判までを暴いた本シリーズは、海外で放送されるや「ゲーム・オブ・スローンズ」の完結を吹き飛ばすほどの熱烈な支持を獲得。米データベースサイトIMDbではテレビ番組史上最高評価の9.6点を記録し、ランキングの第1位に輝いた(2019年6月22日現在)。

「チェルノブイリ」では、多くの人が“知識としては知っている”原発事故が、緊迫のスリラーとして描き直されている。突如として爆発が起こったが、いったい何が起きているのかは誰にもわからない。放射線量の正確な数値もつかめない。施設内には消防隊の放水によって水がしたたり、作業員や消防隊員の肌はただれはじめ、身体からはおびただしい血がにじみ出す。遠く離れた土地からは、空の色が変わっているのが見え、やがて雪が降り、子どもたちが笑う。そのすべてが恐ろしく、あまりにも悲しい。
本作に登場するのは、原発作業員や研究者、技術者、消防士、政治家、そしてその家族といった人々だ。彼らが織りなす群像劇は、リアリティにあふれ、ドラマとしての見応えたっぷり。スリラー/ホラーであり、政治・裁判劇であり、そしてまぎれもない人間ドラマであるという複雑かつ骨太なストーリーテリングこそが最大のポイントなのである。また、現代ポップカルチャーのトレンドである、「アポカリプス(黙示録)もの」の文脈で原発事故を捉え直した野心的なアプローチにも目を見張る。
全話の脚本を執筆したのは、『ハングオーバー!』シリーズなどコメディ作品を数多く手がけてきた脚本家クレイグ・メイジン。2014年からリサーチを実施し、事故関係者や住民の証言、政府資料などからストーリーを構成して完全なる新境地を切り拓いた。さらに「ブレイキング・バッド」「BLOODLINE ブラッドライン」などでエピソード監督を務めたヨハン・レンクが全話の監督を担当。息もつかせぬ緊張感と臨場感で観る者を惹きつけ、ショッキングな演出を採用しながらも、あくまで誠実な手つきによって事故と人々のドラマを切り取っている。
出演者には、事故調査を委任された科学者ヴァレリー・レガソフ役に『マリアンヌ』(2016)『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(2014)などのジャレッド・ハリス、現場対応を担った副首相ボリス・シチェルビナ役に『パイレーツ・オブ・カリビアン』『アベンジャーズ』シリーズのステラン・スカルスガルド、真相解明に奔走した実在の核物理学者たちを基とするウラナ・ホミョク役に『博士と彼女のセオリー』(2014)『戦火の馬』(2011)などのエミリー・ワトソンという名優が揃った。

ちなみに本作の世界的人気を受けて、ただいま現地ではチェルノブイリ原発の見学ツアーに参加する観光客が急増中。ツアーを企画するSoloEast社によれば、2019年5月の参加者は昨年より30%増、6~8月の予約も番組開始後に約40%増加したという。本当に優れた実録ドラマは、現実に人々を動かしてしまうという好例だ。
たとえ実話ドラマや本作の題材に関心を持ちづらくとも、世界を圧倒した、この傑作ドラマを見逃す手はないだろう。そもそも、本作の物語とテーマは、日本の視聴者にこそ確かな危機感と切実さをもって受け止められるはずのものなのだ。タイトルこそ「チェルノブイリ」だが、このドラマは、私たちのそばに横たわっている問題を考える大きなきっかけともなってくれる。ぜひ軽い気持ちで手を伸ばし、その驚異的なクオリティに打ちのめされてほしい。
ドラマ「チェルノブイリ」は2019年秋、スターチャンネルにて放送&配信。
BS10スターチャンネル 海外ドラマ『チェルノブイリ』(全5話)
【STAR2 字幕版】2019年9月25日(水)より 毎週水曜 よる11:00 ほか
【STAR3 吹替版】2019年9月30日(月)より 毎週月曜 よる10:00 ほか
詳細:https://www.star-ch.jp/drama/chernobyl/sid=1/p=t/
「BS10 スターチャンネル」公式サイト:https://www.star-ch.jp/
「スターチャンネルEX」公式サイト:https://www.star-ch.jp/amazon/