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『アベンジャーズ』ルッソ監督の次回作、スパイダーマン役トム・ホランドが主演確定 ─ 薬物依存の帰還兵役で「今までとは100%違う姿を」

Cherry トム・ホランド ルッソ
[左]Photo by THE RIVER [中・右]Photo by Gage Skidmore https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Anthony_and_Joe_Russo_by_Gage_Skidmore.jpg Remixed by THE RIVER

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年4月26日公開)のアンソニー&ジョー・ルッソ監督による次回作『Cherry(原題)』で、スパイダーマン役でおなじみのトム・ホランドが主演を務めることが確定した。ルッソ監督が認めている。トムが出演交渉に入ったことは2019年3月中旬に報じられていた

著者自身の体験に基づく同名小説を原作とする『Cherry』は、イラクからの帰還兵ウォーカーが、死と隣り合わせの日々の中でPTSDを患い、治療のため処方されたオピオイド(麻薬性鎮痛薬)の依存症となり、ついには借金地獄から抜け出すべく銀行強盗に手を染めていく物語。原作者ニコ・ウォーカーは4ヶ月間で11の銀行を襲撃し、2018年8月時点で刑務所に収監されていた。

米国において、オピオイドは強い依存性をもつにもかかわらず、当初は病院にて普通に処方される治療薬だった。のちに鎮痛効果が失われるたびに処方量が増え、使用を中断すると不眠などの離脱症状が生じるなどの依存性が判明し、現在では患者数や過剰摂取による死者の増加など、政府が解決に向けて取り組む社会問題となっている。

ジョー監督はオピオイドの問題について、「これは現在のアメリカで起こっている辛く悲しい試練であり、僕たちがとても熱心に取り組んでいるものです」と述べた。「僕たちは近しい人たちをオピオイドのために失いました。だからこそ、その物語を描きたい」。監督はあえて、本作について「トム・ホランドを主演にしたオピオイド問題の論文」とも述べている。

物語の主人公はPTSDを患ったイラクからの帰還兵で、薬物依存の末に強盗を繰り返すようになる。ピーター・パーカー/スパイダーマンとは大きく異なる役柄にトムを起用した理由について、ジョー監督は「(トムとは)楽しい経験をたくさん重ねてきて、まるで家族のように思っています。家族を続けたいと思いました」と語る。そして、これまでのトム・ホランドとは「100%違う」姿を見せるとも。

本作の撮影は2019年夏にオハイオ州クリーブランドにて実施される予定。ルッソ兄弟は『アベンジャーズ/エンドゲーム』のプロモーションが終了しだい準備に入り、トムは『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のプロモーションの終了後すぐに撮影に臨むとみられる。

映画『Cherry(原題)』は2020年に米国公開予定

Sources: Comicbook.com, Collider, HUFFPOST

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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