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『運び屋』クリント・イーストウッド、1996年アトランタ五輪の爆弾事件を映画化検討中 ─ レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒルが製作に参加

運び屋
©2018 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

最新作『運び屋』が大ヒット、高評価を受けている巨匠クリント・イーストウッドが、次回監督作品として、1996年のアトランタ・オリンピックにて発生した爆破事件を描く『The Ballad Of Richard Jewell(原題)』を検討しているという。米Deadlineなどが報じた。

1996年7月27日(米国時間)、アトランタのオリンピック会場にて、ナップサックに入った爆弾が爆発し、死者1名と多数の負傷者を出した。爆弾を発見したのは警備員のリチャード・ジュエル氏で、会場から観客を避難させるなど、被害を最小限に抑えることに貢献している。事件直後は英雄視されたジュエル氏だったが、警察関係者から「犯人の疑いがある」との情報が流出したことで世間からは突如犯人扱いされることとなった。結果的に真犯人は逮捕され、ジュエル氏の疑いは晴れたが、その名声が完全に取り戻されることはなく、自身の精神面も回復しなかったという。事件から11年後の2007年、ジュエル氏は44歳でこの世を去った。

このたび報じられている企画は、20世紀フォックスが長らく映画化実現に向けて努力を重ねていたもので、ウォルト・ディズニー・カンパニーによる事業買収を経てもなお状況は動き続けているようだ。イーストウッドがスタジオとの具体的な交渉に入っているかどうかは不明だが、就任すれば『チェンジリング』(2008)以来、ワーナー・ブラザース以外のスタジオにて手がける監督作品となる。

運び屋
『運び屋』撮影現場にて ©2018 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

映画の原作となるのは、米Vanity Fairに掲載されたマリエ・ブレンナー氏の記事「The Ballad Of Richard Jewell」で、ミシャー氏はプロデューサーにも名を連ねた。脚本は『キャプテン・フィリップス』(2013)などのビリー・レイが執筆している。

なお米Varietyによれば、イーストウッドは『ハドソン川の奇跡』(2016)を監督する以前にも本企画を検討していたとのこと。当時は『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)で共演したジョナ・ヒルレオナルド・ディカプリオが出演・製作を兼任する予定で、ヒルがジュエル氏を、ディカプリオがジュエル氏の弁護士を演じる見込みだったようだ。ただし今回の報道によれば、すでにヒル&ディカプリオはプロデューサーとしての関与にとどまっており、本編に出演する予定はないという。イーストウッドが就任する場合、2019年夏にも開始されるという撮影を目指し、急ピッチでキャスティングが進められることになる。

映画『運び屋』は2019年3月8日(金)より全国公開中。

『運び屋』公式サイト:http://www.hakobiyamovie.jp

Sources: Deadline, Variety, THR

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。