コッポラ監督、セクハラ疑惑を否定「私はシャイすぎる」 ─ 最新作『メガロポリス』現場で女性にキスを迫ったと告発受ける

『地獄の黙示録』(1979)や『ゴッドファーザー』シリーズなどで知られる巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督が、自身に向けられたセクハラ疑惑を否定した。最新作『メガロポリス(原題)』の撮影現場で、女性エキストラに対し性的な嫌がらせを行っていたとスタッフ数名に告発されていた。
既報によれば、コッポラはエキストラの女性を膝の上に座らせて、キスを迫ろうとしていたという。さらに現場では、スタッフからの提案を頭ごなしに否定したり、控え室に数時間こもってマリファナを吸っていたり、傍若無人な言動で周囲を疲弊させてもいたと伝えられている。
コッポラのセクハラ疑惑について、『メガロポリス』で共同エグゼクティブプロデューサーを務めるダレン・デメートルは、あくまで雰囲気づくりのための振る舞いだと弁解。「出演者や裏方の演者にハグや頬にキスすることで、シーンの生気を作り上げるべくセットを歩き回っていた」「雰囲気を刺激し、作り上げるための彼なりのやり方であって、作品にとっては非常に重要なことです」と擁護の声明を出していた。
米The New York Timesは本件について、6月に開催された第77回カンヌ国際映画祭の場でコッポラを直撃。真相を聞かれたコッポラはまず、質問の回答ではなく、「母からは“女性にアプローチをかけるということは、その人に無礼を働いているということだ”と教わりました」と、亡き母親からの教えを明かしたという。その上で、「これまでに熱をあげた女性たちを軽んじるようなことは間違いなくしていません」とセクハラ疑惑を否定した。
さらにコッポラは、エキストラの女性の1人に自分がキスをしている姿を捉えた写真があることについても言及したとのこと。いわく、その写真は女性の父親によって撮影されたものだといい、「私は彼女のことを9歳の時から知っています」と話したそう。あくまで、適切なスキンシップであることを仄めかした。
その上で、コッポラは「私は馴れなれしく人の身体に触れるような人ではない」と主張。「シャイすぎる(ので、私にはそのようなことはできません)」と疑惑を改めて退けたという。
コッポラ監督のセクハラ疑惑を証言したのは作品の製作クルーであり、現時点で被害者の声は届けられていない。カンヌでは賛否両論を招いた『メガロポリス』は、コッポラが身銭を切って完成まで漕ぎ着けた肝煎りの大作。一刻も早い真相の解明が待たれる。
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Source:The New York Times