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ウィレム・デフォー、『スパイダーマン』第1作は「奇跡」 ─ グリーン・ゴブリン役、演じる面白さは父親役にあり

ウィレム・デフォー
Photo by Ilya Mauter https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Willem_Dafoe_at_Lisbon_Film_Festival_2017.jpg

マーベル・コミック原作、サム・ライミ監督による『スパイダーマン』シリーズは、その後2度のリブートを経てもなお多くのファンに愛され続けている。

第1作『スパイダーマン』(2002)でヴィランのグリーン・ゴブリンを演じたのが、『プラトーン』(1986)や『スピード2』(1997)、『処刑人』(2000)などで個性派俳優として人気だったウィレム・デフォー。近年も『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(2017)や『永遠の門 ゴッホの見た未来』(2019)などでその実力を評価され続けている。米GQのインタビューでキャリアを振り返ったデフォーは、『スパイダーマン』の経験を「楽しかった」と語っている。


『スパイダーマン』一人二役の醍醐味

『スパイダーマン』でデフォーが演じたノーマン・オズボーン/グリーン・ゴブリンは、単純に人間が悪の道に突き進んでいくという設定のキャラクターではない。製薬会社オズコープの社長であるノーマンは、ライバル会社との争いや社内での立場といった問題に対処するうち、“もうひとりの自分”に目覚め、そちらに主導権を奪われてしまうのである。

「『スパイダーマン』では二役を演じられたのが特に楽しかった」とデフォーは語っている。「誰もが僕はグリーン・ゴブリンだと思っている。もちろんそっちも楽しかったんですが、もっと面白かったのは父親役、ノーマン・オズボーンのほうです」

デフォーは劇中、ひとつのシーンを挙げている。感謝祭のディナーのシーンでは、祈りを捧げずに食事に手を出したノーマンをメイおばさんが叱りつけるのだ。ノーマンはぎろりとメイおばさんをにらみつけると、手にしたナイフをこすりあわせる……。

「セリフひとつでコメディとドラマを行き来する、そういうシーンを演じられたのが良かったんですよ。今でも笑っちゃうシーンがいくつかありますね。非常にヘビーなところと、すごくバカバカしいところ、その両面を行き来する、そんな場面がたくさんありますよね。」

劇中でデフォーが演技力を存分に見せつけるのが、ノーマンが鏡に向かって独りで語りかける場面だ。ノーマンとグリーン・ゴブリンが、まさにデフォーの演技ひとつで切り替わるのである。このシーンを撮る以前、デフォーはライミ監督から、とある有名な文学作品を手渡されたことを明かしている

「演じる前に読んでおくようにと、『ジキル博士とハイド氏』をもらいましてね(笑)。撮影は楽しかったですよ。実はワンカットで撮っていたんです。最終的に、なにか理由があって編集されちゃったんですが。ずっとワンカットで撮っていまして、実にやりがいがありました。役柄を自分で切り替えなければいけないし、鏡に映っているのをちゃんとカメラに収めないといけない。カメラとダンスしているみたいでしたよ。」

一方、デフォーはグリーン・ゴブリン役について「CGがそれほど洗練されていなかったので、機械による視覚効果が多かったんです」と語った。「あれをやるのも楽しかったですね、ワイヤーで宙に浮いて飛び回るのは良かったな」。

ところで余談だが、デフォーは『スパイダーマン』シリーズ以来のヒーロー映画として、DCコミックス原作映画『アクアマン』(2018)に出演。奇しくも『アクアマン』では、登場人物が水中を泳ぐシーンを撮るために俳優が宙吊りにされたという。デフォー自身もスタントに参加したとのこと、思わぬ共通点もあるものだ……。

『スパイダーマン』という作品そのものについて、デフォーは当時の状況やサム・ライミというクリエイターの存在に触れながら、このように語っている。

「サム・ライミは奇跡を起こしましたね。とても規模が大きく、特殊効果もたくさん使われた映画で、個人的な作品を作り上げた。(当時は)コミックから映画を作るという動きが始まって間もなかったので、決まった型もありませんでしたから。」

映画『スパイダーマン』Blu-ray&DVDは発売中。

Source: GQ

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。国内舞台作品の執筆・創作にも携わっています。ビリー・アイリッシュのライブに行きたい。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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