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イマジナリー×スリラー『ダニエル』に表れる『エクソシスト』『仮面/ペルソナ』『ファイト・クラブ』の影響

ダニエル
©2019 DANIEL FILM INC. ALL RIGHTS RESERVED.

『ロード・オブ・ザ・リング』のイライジャ・ウッド製作、ティム・ロビンス&スーザン・サランドンの息子マイルズ・ロビンスと、アーノルド・シュワルツェネッガーの息子パトリック・シュワルツェネッガーの夢の共演で贈る映画『ダニエル』が、2021年2月5日(金)より全国公開となる。

本作は、内気で繊細な主人公のルーク(マイルズ)と、彼が“空想上の親友”として生み出したカリスマ性溢れる美青年ダニエル(パトリック)との妖しくも美しい関係を描いた“イマジナリー×スリラー”。

ダニエル
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数々の映画賞を受賞する本作のアダム・エジプト・モーティマー監督によれば、『ダニエル』の本質とは「『憑依』というサブジャンルに対する独自の取り組み」。同時に、ある伝説的巨匠のオマージュ作品であるとも明かしている。

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「参考にした作品の一つは『エクソシスト』(1973)です。『ダニエル』はある意味で『エクソシスト』と構造的な類似性を持っていると考えていました。最も重視したのは、ウィリアム・フリードキン監督がどのように本作を撮っていたかということ。俳優とカメラの動きや、構図によって生み出される興奮、そして物語が幻想的になっても、いかに現実的で感情的な存在を維持しているのか、そうしたところに注目していました。」

アダム監督が示す言葉通り、本作の予告編冒頭で描かれる「キッチンで喧嘩するルークの両親を映す」シーンは、まるで『エクソシスト』での、“エレン・バースティン演じる母親が慌てて電話をかけているところから始まり、娘役のリンダ・ブレアが自分の部屋でずっと話を聞いて目を背けているところで終わるショット”を彷彿とさせる、ドラマティックな演出。監督は他にも、『真夜中のパーティー』(1970)や、『BUG/バグ(2006)』といったフリードキン監督作も『重要な参考作品』として、スタッフ全員で共有したという。

さらに、アダム監督は、昨年日本でも大ヒットとなった『ミッドサマー』のアリ・アスター監督も敬愛してやまないスウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマン監督の『仮面/ペルソナ』(1966)から、主人公2人の海辺のクローズアップシーンも参考。“映像の魔術師”などと揶揄されるイングマール監督の意思を受け継ぎ、刹那的で耽美な世界感を生み出したアダム監督の手腕には期待が高まるばかりだ。

最後に、すでに海外メディアからも「現代版の『ファイト・クラブ』」(The Times)と称賛される通り、カルト的人気を誇るデヴィッド・フィンチャー監督の名作『ファイト・クラブ』(1999)についても、アダム監督は次のように想いを明かしている。

「フィンチャー監督が観客を裏切ることなく、実際にはそこにいない人々をどのように撮影しているのかを見るために参考にしました。本作を掘り下げていくうちに、『ダニエル』をどうやって撮れば良いのか、あるいは撮ってはいけないのかが見えてくるようになりました。『ダニエル』は、スタイル的には非常にドープな映画です。感情的、形而上学的に何を伝える必要があるかに関わらず、それは魅力的でクールで、刺激的な方法で行われなければならないことを、『ファイト・クラブ』が思い出させてくれました。」

ウィリアム・フリードキン、イングマール・ベルイマン、デヴィッド・フィンチャー。3人の伝説的な巨匠へのオマージュが散りばめられた本作。新進気鋭のアダム・エジプト・モーティマー監督が本作で彼らと名を連ねることになるのか。

ダニエル
©2019 DANIEL FILM INC. ALL RIGHTS RESERVED.

『ダニエル』は2021年2月5日(金)より新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイント、グランドシネマサンシャイン(池袋)ほか全国公開。

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THE RIVER編集部THE RIVER

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