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『西部戦線異状なし』ドイツ語で再映画化、『シビル・ウォー』ダニエル・ブリュールが出演、製作へ

Daniel Brühl Photo by Elena Ringo https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Daniel_Br%C3%BChl_at_the_2018_Berlin_Film_Festival.jpg / All Quiet on the Western Front(public domain)

『ラッシュ/プライドと友情』(2013)や『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)のジモ役として知られるダニエル・ブリュールが、反戦映画の名作『西部戦線異状なし』(1930)をドイツ語で再び映画化するタイトル不明の新作に出演することがわかった。ダニエルはプロデューサーも務めるとのこと。米Deadlineが報じている。

『西部戦線異状なし』は、1929年発表のエーリヒ・マリア・レマルクの同名小説を基に映画化された作品で、第一次世界大戦を舞台に愛国心に満ち溢れる3人の学生志願兵が、西部戦線へ送り込まれるところから物語が始まる。この世ものとは思えない恐怖を目の当たりした兵士たちは、信じていた戦争への倫理観が歪んでいく。誰が得するのか分からない戦争、そこにあるのは生きるか死ぬかだけ。兵士たちは葛藤を抱えながらも、ドイツを勝利に導くため戦い続けなければならない……。ちなみに1930年の映画版に登場するキャラクターはフランス人役以外は英語を話し、名前もドイツ語ではなく英語読みに変えられている。

本作で監督を務めるのは『ぼくらの家路』(2014)「パトリック・メルローズ」(2018-)のエドワード・バーガー。キャスティングは現在進行中で、主人公のポール・ボイマー役、および主要登場人物はいずれも新人俳優、新進俳優を起用する予定とのこと。脚本を手掛けたのは、2010年頃から原作小説の権利取得を試みていたイアン・ストーケルとレスリー・パターソン。製作費は2,000万ドルで、ベルギーとドイツで2020年末から撮影を予定しているとのことだ。

バーガー監督は本作について以下のようにコメントしている。

「人々は真実を求めているのです。この映画を今、ドイツ語以外で製作することは考えられません。むしろ今までドイツ語版で製作されて来なかったことの方が不思議でした。この事実は映画史的に欠陥で、我々が重要だと思っているのは、この物語の真実を伝えること。本作は『ヒトラー 〜最期の12日間〜』(2004)『U・ボート』(1981)のような伝統的な映画になることでしょう。

『西部戦線異状なし』は1918年を舞台にしていますが、我々が生きる時代と分裂的な傾向にある今を描いているものでもあるのです。肉体的で、直感的で、非常に現代的な映画であり、私の国の観点からは決して語られたことのない真実を届けます。そして我々は遂に、観客の心に訴えかける本当の反戦映画を作ることが出来るのです。」

このたびの映画化でプロデューサーを務める『ヒトラーの忘れもの』(2015)のマルテ・グルナートは、小説『西部戦線異状なし』は戦争の無意味さについて語った決定的なものであり、出版されてから100年近く経つ今も、その影響力は衰えていないと語る。そして「バーガー監督が現代において非常に意味のあるストーリーで、強烈な映画体験を観客に届けてくれるだろう」と話している。

Source:Deadline

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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