【解説】ダークセーバーとは?「マンダロリアン」のキーアイテム、ボ=カターン・クライズとの因縁の歴史を振り返る

『スター・ウォーズ』のドラマ「マンダロリアン」(2019-)のシーズン3が配信開始となった。本シーズンでは満を持して、戦士種族マンダロリアンたちが故郷の惑星マンダロアの歴史に向き合う展開となっていきそうだ。
そんな中、キーアイテムとなってくるのが、“ダークセーバー”である。シーズン3の第1話でも早速、ボ=カターンによって「あれを振りかざせば皆、命令に従う」と言及された。
ライトセーバーとは似て非なるダークセーバーとは、一体どのようなアイテムだった?この記事では『スター・ウォーズ』過去作品を参照しながら、この特殊なライトセーバーの概要と、ボ=カターンとの因縁の歴史について解説していく。これを読めば、「マンダロリアン」の解像度もグッと上がるはずだ。
この記事には、「マンダロリアン」「ボバ・フェット」「クローン・ウォーズ」「反乱者たち」の内容が含まれています。
古代より伝わる武器 ダークセーバーとは?
ダークセーバーとは、マンダロリアンの歴史にゆかりの深い、黒い光刃を持つライトセーバーである。アニメ「クローン・ウォーズ」(2008-2020)で初登場し、アニメ「反乱者たち」(2014-2018)、そして「マンダロリアン」でその歴史が語られ、様々な持ち主の手を渡り歩いてきた。

ライトセーバーの一種ではあるが、大きく異なる点が3つある。まずはその光刃だ。正史作品で描かれてきた中で、黒い刃を持つのはダークセーバーのみである。刃の周りがぼうっと白く光るのもダークセーバーならではの特徴だ。他のライトセーバーと押し合いになった時には、バチバチと電撃のようなエネルギーが発生する。
セーバーが鳴らす音も他のライトセーバーとは異なるポイントだ。起動音は通常のシュッという音とは全く違っており、高音と低音が入り交じった音。刃の色も相まって、不気味かつ美しい神秘性を感じさせる。
柄(ヒルト)の違いも特徴的だ。マンダロリアンたちはベスカーと呼ばれる頑強な金属でアーマーを作っているが、ドラマ「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」(2021)においてディン・ジャリンが、ダークセーバーのヒルトは“ベスカーの強度に匹敵する”と言っていた。直接言及されてはいないが、素材としてベスカーも用いて作製されたと考えられている。

ダークセーバーの誕生
そんな唯一無二の武器を作ったのは、ター・ヴィズラだと言われている。『エピソード1』~『エピソード3』の時代で描かれた銀河共和国の前身、“旧共和国”の時代に生まれた彼は、マンダロリアンにしてジェダイとなった唯一の人間だ。ジェダイとなるにあたり、独自のライトセーバーとしてダークセーバーを作ったのだ。
ターの死後、セーバーはジェダイ・テンプルに保管されていた。しかし、旧共和国が崩壊を迎えた際に、ジェダイとの争いに乗じてヴィズラ家の一団がテンプルからセーバーを盗んだとされている。
その後、ヴィズラ家はダークセーバーを振りかざしマンダロアを統一。ダークセーバーはいつしか他のマンダロリアン一族も認める、マンダロアの支配者が持つべき象徴的な武器となったのであった。
「クローン・ウォーズ」では、プレ・ヴィズラからモールの手に
ヴィズラ家に代々受け継がれてきたダークセーバー。時代は下りアニメ「クローン・ウォーズ」の頃には、ター・ヴィズラの子孫である、プレ・ヴィズラがダークセーバーを所有していた。
しかし、惑星マンダロアを統治するのは戦士の伝統を捨てたクライズ家のサティーン女公爵。ヴィズラはダークセーバーを拠り所に政権転覆を謀り、デス・ウォッチを組織する。ボ=カターン・クライズはサティーンの妹であったが、ダークセーバーを所有するヴィズラに仕え暴力的な革命に参加する身であった。
プレ・ヴィズラの元に意外な協力者として現れたのが、復活したモールであった。サティーンとマンダロアを守るジェダイのオビ=ワン・ケノービに恨みのある彼は、ヴィズラへの協力に同意。ついに二者でマンダロアの支配を達成するが、モールはダークセーバーの所有権をめぐってヴィズラに決闘を申し込むのであった。
ダークセーバーは決闘によってのみ得られる、と定められている。それが古来伝わる教義なのだ。ヴィズラは決闘を受け入れ、モール相手に善戦するも、敗北してしまう。モールは“正当な支配者”としてマンダロアの支配者を名乗ったが、ボ=カターンは部外者による支配を認めず反抗を開始するのであった。
ボ=カターンはアソーカ・タノの助力を得て、モールを撃破。マンダロアを無事解放することに成功する。しかし、ダークセーバーはモールの故郷の惑星ダソミアの隠れ家に保管されており獲得できなかった上、直後に誕生した銀河帝国による圧政が始まってしまう。
抵抗を試みるも失敗し、マンダロアから敗走したボ=カターンは、ここで1度目となる挫折を味わうのであった。
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