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デヴィッド・リンチの長編6本を大スクリーン&高画質で!特集上映「デヴィッド・リンチの映画」でめくるめく作品世界に陶酔せよ

果たして彼を“巨匠”と呼ぶか、それとも“鬼才”と呼ぶか、あるいは……。
テレビシリーズ『ツイン・ピークス』の25年ぶりの新作『ツイン・ピークス The Return』が日本でも話題の、映画監督デヴィッド・リンチによる作品を特集上映する「デヴィッド・リンチの映画」(配給:KADOKAWA)が開催されることがわかった。2017年9月30日(土)より、角川シネマ新宿ほかにて順次公開される。

本企画で上映されるのは、リンチの長編デビュー作『イレイザーヘッド』(1977)をはじめ、『エレファント・マン』(1980)、『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』(1992)、『ロスト・ハイウェイ』(1997)、『マルホランド・ドライブ』(2001)、『インランド・エンパイア』(2006)の6本だ。
初期の傑作から、キャリアを重ねてより複雑怪奇になった“リンチ節”炸裂の一本まで、彼の仕事をリアルタイムで追いかけてきたファンはもちろんのこと、新たな若い観客にとっても魅力的なラインナップといえるだろう。しかも『インランド・エンパイア』を除いた5作品はデジタル復元版で上映され、なかでも『イレイザーヘッド』『ツイン・ピークス』は4Kデジタル復元版が登場する。デヴィッド・リンチ作品を何度も観た人でも、きっとその新しい表情に出会うことができるはずだ。

デヴィッド・リンチの映画

「デヴィッド・リンチの映画」上映ラインナップ

『イレイザーヘッド』〈4Kデジタル復元版〉

デヴィッド・リンチの映画
『イレイザーヘッド』(C)1977 David Lynch – All Rights Reserved.

1977年製作、89分。リンチが監督・脚本・製作などを1人6役を務め、5年の歳月を費やして完成させた長編デビュー作品。カルト的な人気を獲得し、現在に至るまで熱狂的なファンを増やしつづけている一作だ。
もじゃもじゃ頭の印刷工であるヘンリー(ジャック・ナンス)は、ガールフレンドのメアリー(シャーロット・スチュワート)から奇妙な赤ん坊を出産したと告白され、結婚を決意する。しかしメアリーが家を出てしまい、ひとり赤ん坊の世話をすることになったヘンリーの精神は次第に破綻していく……。

『エレファント・マン』〈デジタル復元版〉

デヴィッド・リンチの映画
『エレファント・マン』(C)1980 Brooksfilms Ltd. All Rights Reserved.

1980年製作、124分。リンチは監督・脚本を担当。19世紀のイギリスに実在した、「エレファント・マン」と呼ばれた男ジョゼフ・メリックを描いた一作で、アカデミー賞8部門にノミネートされた。
外科医のフレデリック(アンソニー・ホプキンス)は、見世物小屋で「エレファント・マン」と呼ばれる特異な容姿をした男ジョン(ジョン・ハート)と出会う。その後、一躍時の人となった彼に周囲は好奇や同情の眼差しを向けるが……。感動の人間ドラマと、文字通り“異形の作風”が融合した一作だ。

『ツイン・ピークス ローラ・パーマー 最期の 7 日間』〈4Kデジタル復元版〉

デヴィッド・リンチの映画
『ツイン・ピークス ローラ・パーマー 最期の7日間』(C)1992 Twin Peaks productions. All Rights Reserved.

1992年製作、135分。リンチは監督・脚本・製作総指揮を担当。25年ぶりの新作『ツイン・ピークス The Return』が日本でも放送されている(2017年9月現在)、伝説のテレビシリーズ『ツイン・ピークス』の劇場版。ドラマ本編で描かれる「ローラ・パーマー事件」の前日譚であり、被害者である女子高生から見た“最期の7日間”を描いたミステリー作品だ。テレビ版では語られない事実も明かされる一本として、新作とあわせてぜひこの機会に!

『ロスト・ハイウェイ』〈デジタル復元版〉

デヴィッド・リンチの映画
『ロスト・ハイウェイ』(C) 1997 Lost highway Productions

1997年製作、135分。リンチは監督・脚本を担当。長編第7作にして最高傑作との呼び声も高い、妻殺しの容疑者となった男をめぐる“悪夢”体験を味わえるサスペンス。
サックス奏者フレッド(ビル・プルマン)は、妻のレニー(パトリシア・アークエット)と平凡な生活を送っていたが、ある日玄関先にビデオテープが届けられる。そこにはフレッドが妻を惨殺する様子が映し出されており、彼は投獄されてしまい……。『イレイザーヘッド』よりリンチ作品に出演してきたジャック・ナンスの遺作でもある。

『マルホランド・ドライブ』〈デジタル復元版〉

デヴィッド・リンチの映画
『マルホランド・ドライブ』(C)2001 STUDIOCANAL. All Rights Reserved.

2001年製作、147分。リンチは監督・脚本を担当。カンヌ国際映画祭で監督賞を、全米映画批評家協会賞で作品賞を受賞するなど全世界で絶賛された、リンチによる不条理スリラーの到達点ともいうべき一本だ。
夜のマルホランド・ドライブで事故に遭い、負傷した女(ローラ・ハリング)は助けを求めてハリウッドにたどり着く。偶然にも有名女優の家に忍び込んだ女は、女優の姪であるベティ(ナオミ・ワッツ)と出会った。事故で記憶を失った女が持っていたバッグを開けると、中には大金と青い鍵が入っていて……。

『インランド・エンパイア』

デヴィッド・リンチの映画
『インランド・エンパイア』(C)2007 Bobkind Inc-STUDIOCANAL. All Rights Reser
ved.

2006年製作、180 分。リンチは監督・脚本のほか、音楽や撮影・編集も担当している。当時60歳にして“新境地開拓”となった一作で、なんと全米批評家協会賞では実験的映画賞を受賞している。
ハリウッド女優のニッキー・グレイス(ローラ・ダーン)は、主役2人が撮影中に謎の死を遂げたことで製作中止となった作品に抜擢されて再起を狙う。しかし撮影が進むなか、やがて奇妙な世界が彼女の現実と交錯し始めて……。ジェレミー・アイアンズやジャスティン・セローのほか、『マルホランド・ドライブ』のナオミ・ワッツ&ローラ・ハリング、日本人女優・裕木奈江も登場。

特集上映「デヴィッド・リンチの映画」は2017年9月30日(土)より角川シネマ新宿ほか順次公開
公式ウェブサイト

(文:Takatoshi Inagaki) 

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THE RIVER編集部THE RIVER

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