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【保存版】『デッドプール』原作コミック、日本語版はどれを読む?どこから読む?入門ガイド

日本のみならず世界中で大ヒットを記録している映画『デッドプール』。これをきっかけに初めてアメコミを読んでみようと思った人もいることだろう。

しかし、コミック『デッドプール』は日本でもかなり売れており、デッドプール関連作品は2016年6月時点で17冊も刊行されている。しかもアメコミは日本のマンガと違って値段が高いそのぶん仕様もしっかりしているのだが、初心者にはなかなか手が出しづらい代物だ。

では、『デッドプール』日本語版コミックのどれを読めばいいのか?どこから読めばいいのか?

そこで今回は、いまさら聞けない『デッドプール』原作コミックの特徴を1冊ずつまとめてみた。将来の読者の参考となれば幸いである。(※紹介は刊行順)

【お願い】
本記事は筆者が独自に調査し、独断で執筆したものです。事実誤認や追加情報などございましたらご指摘いただけますと幸いです。

 

デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス

https://www.amazon.co.jp/dp/4796871675

ライター=ヴィクター・ギシュラー
アーティスト=ボン・ダゾ
訳者=高木 亮

発行年月=2013年9月  価格=2,800円+税
ページ数=336ページ  出版社=小学館集英社プロダクション

日本で初めて刊行された作品。2009年9月~2010年10月に連載されたシリーズが収録された1冊。
生物兵器を持ち帰るミッションを与えられたデッドプールだったが、目的の生物兵器とはゾンビ・デッドプールの頭部(ヘッドプール)だった!という、どうみても荒唐無稽なストーリー。
非常に「デップーらしい」一作で、ストーリーも独立しておりお薦めだが、336ページというボリュームと税込3,000円を超える価格、また絵が物語の途中で変わるというアメコミの性質もあり、完全なる初心者にはハードルが高いかも。ただし読めばお腹いっぱいになること間違いなし。

 

デッドプール/パニシャー・キルズ・マーベル・ユニバース

https://www.amazon.co.jp/dp/4864911045/ライター=カレン・バン
アーティスト=マテオ・ロリ、サルバ・エスピン
訳者=小池 顕久

発行年月=2013年12月  価格=2,500円+税
ページ数=144ページ  出版社=ヴィレッジブックス

2012年8月に刊行された「デッドプール・キルロジー」シリーズの前半1作を収録。デップーがマーベル・ヒーローを“救う”ために皆殺しにするという内容で、心なしかダウナー気味。
映画から入ったアメコミ初心者にはお薦めしづらいので、他のデップー作品やマーベル・コミックを読んだあとに取っておくのが吉か……。「キルロジー」シリーズは『デッドプール・キラストレイテッド/デッドプール・キルズ・デッドプール』に続く。
出版社は『マーク・ウィズ~』とは違うものの、これが邦訳第2弾になったことはちょっとした衝撃。

 

デッドプール:スーサイド・キングス

https://www.amazon.co.jp/dp/4796875204

ライター=マイク・ベンソン、アダム・グラス
アーティスト=カルロ・バルベリー、ショーン・クリスタル
訳者=高木 亮

発行年月=2014年9月  価格=2,000円+税
ページ数=152ページ  出版社=小学館集英社プロダクション

2009年5月刊行の読み切り作品『ゲーム・オブ・デス』と、同年6~10月刊行のミニ・シリーズ『スーサイド・キングス』を併録した1冊。日本での刊行は前後したが、本国では『マーク・ウィズ~』よりも早くに発表された作品だ。
表題作は、殺人の濡れ衣を着せられたデップーがパニッシャーに追われながら真相に迫っていくという筋立て。ストーリーが独立しているうえ、パニッシャーのほかデアデビルやスパイダーマンも登場するので、他キャラとデップーのやり取りが気になる人はここから読んでもよさそう。

 

デッドプール:デッド・ヘッド・リデンプション

https://www.amazon.co.jp/dp/479687528X

ライター=ジェイソン・アーロン、マイク・ベンソン他
アーティスト=カイル・ベイカー、ロブ・ライフェルド他
訳者=高木 亮

発行年月=2015年3月  価格=2,400円+税
ページ数=240ページ  出版社=小学館集英社プロダクション

ついに出ました、『デッドプール』の美味しいところを凝縮した短編集。1998年・2009年・2010年刊行の作品から、ナンセンス・コメディ、シリアス、アクション、メタネタまでありとあらゆるジャンルの短編がこれでもかと詰め込まれている。記念すべき『デッドプール』誌の第900号・1000号(というデタラメな設定)の作品も入っているなんでもあり状態だ。しかしカッコいいところもふざけたところも、デップーの魅力をいろんな角度から味わえるので、入門編にはうってつけの1冊ともいえる。迷った人はここから!

 

アイデンティティ・ウォー:デッドプール/スパイダーマン/ハルク

https://www.amazon.co.jp/dp/4796875549

ライター=ジョン・レイマン
アーティスト=リー・ガーベット、ホアン・ドウ、アル・バリオヌエーボ
訳者=高木 亮

発行年月=2015年8月  価格=1,800円+税
ページ数=112ページ  出版社=小学館集英社プロダクション

2011年8~11月に、『スパイダーマン』誌・『デッドプール』誌・『ハルク』誌が合同で行ったクロスオーバー・イベントをまとめた1冊。
パラレルワールドを舞台に展開するため、正史と設定は大きく異なる(なんとブルース・バナー博士がドクター・ストレンジとして登場する)。したがって、ある程度正史を知っている読者でなければ、そこからのギャップを楽しむのは難しいかもしれない。とはいえ、なんといっても一番のポイントはスパイディ・ハルク・デッドプールの揃い踏みにある。キャラクターの妙を堪能されたい。

 

デッドプールVS.カーネイジ

https://www.amazon.co.jp/dp/4796875557

ライター=カレン・バン
アーティスト=サルバ・エスピン、キム・ジャシント他
訳者=高木 亮

発行年月=2015年8月  定価 1800円+税
ページ数=120ページ  出版社=小学館集英社プロダクション

2014年4月に刊行されたカーネイジについての前日譚、および2014年6~8月に刊行されたミニ・シリーズを邦訳した1冊。
表紙に載っているまがまがしい顔つきの生き物がカーネイジで、『スパイダーマン』に登場するヴィランだ。殺人鬼に寄生生物が取りついたという設定だけあって超凶暴なキャラクターで、デップーと残酷描写上等の血みどろバイオレンス・アクションを演じてみせる。「キルロジー」シリーズのライターとアーティストによる、アクは強いが痛快な1冊。とにかく暴力とアクションが読みたいあなたへ。

 

デッドプールの兵法入門

https://www.amazon.co.jp/dp/4796875646

ライター=ピーター・デイビッド
アーティスト=スコット・コブリッシュ
訳者=高木 亮

発行年月=2015年9月  価格=1,400円+税
ページ数=96ページ  出版社=小学館集英社プロダクション

2014年12月~2015年3月のミニ・シリーズを邦訳した1冊。原題は『Deadpool’s Art of War』。
なぜか古代中国で孫子から兵法書を奪いとったデップーが、ベストセラー作家を目指して兵法書を実践すべくアスガルドで戦争を起こすという、これまたなんでもありのストーリー。ページ数は少ないが比較的安価で手が出しやすく、内容も独立しており、コメディ要素が強めでわかりやすい。初心者にもお薦めしやすい1冊だ。よりによってデップーに騙される役回りでロキが登場するので、映画『マイティ・ソー』シリーズでロキ推しになってしまった方はぜひここから。

 

デッドプール:モンキー・ビジネス

https://www.amazon.co.jp/dp/4796875611

ライター=ダニエル・ウェイ
アーティスト=カルロ・バルベリー他
訳者=高木 亮

発行年月=2015年9月  価格=1,800円+税
ページ数=120ページ  出版社=小学館集英社プロダクション

表題作のほか、2010年4~6月に刊行されたエピソードを含む3作をまとめた1冊。『デッドプール』第2シリーズの一部(第19~22話)にあたる。
表題作はファンの邦訳リクエスト第1位で、“殺人猿”ヒット・モンキーを相手にデッドプールとスパイダーマンがタッグを組んで戦うというストーリー。ヒット・モンキーの前日譚も収録されているのでここから読んでも大丈夫。見どころはデップーとスパイディのチームアップ、そして表紙にもなったメイド服。シンプルな筋立てとキャラ立ちで非常に読みやすいが、初心者には向かないという声もしばしば聞かれる。

 

デッドプールVol.1:デッド・プレジデント

https://www.amazon.co.jp/dp/4796875662

ライター=ジェリー・ダガン、ブライアン・ポゼーン
アーティスト=トニー・ムーア
訳者=高木 亮

発行年月=2015年10月  価格=1,800円+税
ページ数=136ページ  出版社=小学館集英社プロダクション

2012年にマーベルが立ち上げた新ブランド「マーベル・ナウ!」でスタートした、『デッドプール』第3シリーズの第1弾。過去の設定は引き継がれたり整理されており、映画版の設定にもっとも近い。収録作品は2013年1~6月に刊行されたもの。
この「デッド・プレジデント」は、過去のアメリカ大統領がゾンビになって現れるというヤバ過ぎる設定が見どころ。アメリカ史を意外と丁寧に踏まえながら、マニアックな小ネタを大量にぶちまけて進むので、内容に対して過剰なほどボリューミー。「マーベル・ナウ!」シリーズは2016年中に邦訳も完結する予定なので、今から『デッドプール』を読み始めたい人には入り口として最適かも。

 

デッドプール・キラストレイテッド/デッドプール・キルズ・デッドプール

https://www.amazon.co.jp/dp/4864912483/

ライター=カレン・バン
アーティスト=マテオ・ロリ、サルバ・エスピン
訳者=小池 顕久

発行年月=2015年10月  価格=2,800円+税
ページ数=192ページ  出版社=ヴィレッジブックス

ヴィレッジブックスによる約2年ぶりのデップー邦訳本は、2013年3~12月に刊行された、「デッドプール・キルロジー」シリーズの後半2作を収録。前作でマーベル・ヒーローを殺しまくったデップーが、生まれつづける平行世界を阻止するためにアイデアの源泉である名作古典の世界で暴れ回る『キラストレイテッド』と、ついに自分自身を滅ぼすために平行世界のデップー・チームと対決する『デッドプール・キルズ・デッドプール』だ。
何を言ってるのかさっぱりわからないと思われるかもしれないがこの説明通りの内容で、スケールが大きくなったぶんやりたい放題感が増し、妙にアッパーな1冊となっている。気になったら前半の『~キルズ・マーベル・ユニバース』からどうぞ。

 

デッドプールVol.2:ソウル・ハンター

https://www.amazon.co.jp/dp/4796875689/

ライター=ジェリー・ダガン、ブライアン・ポゼーン
アーティスト=スコット・コブリッシュ他
訳者=高木 亮

発行年月=2015年11月  価格=1,800円+税
ページ数=136ページ  出版社=小学館集英社プロダクション

「マーベル・ナウ!」シリーズの第2弾で、2013年6~8月に刊行されたエピソードを収録した1冊。長期連載作品だけにVol.1から物語は続いており、1980年代を舞台にアイアンマンとの対面(!)を果たす話や、デップーが悪魔と取引した人々の魂を回収する話を読むことができる。オカルト・コメディといった筋立てで、スパイダーマン、デアデビル、ハルクも登場する。
1980年代のエピソードでは当時の画風がパロディとして取り入れられており、『兵法入門』のスコット・コブリッシュが作画を担当している。

 

デッドプールVol.3:グッド・バッド・アンド・アグリー

https://www.amazon.co.jp/dp/4796875697/

ライター=ジェリー・ダガン、ブライアン・ポゼーン
アーティスト=スコット・コブリッシュ他
訳者=高木亮

発行年月=2015年12月  価格=2,000円+税
ページ数=160ページ  出版社=小学館集英社プロダクション

「マーベル・ナウ!」シリーズ第3弾で、2013年9月~2014年1月に刊行されたエピソードを収録した1冊。物語は笑いを交えつつシリアスな展開を見せていく……が、なんと今回デップーは北朝鮮と戦うことになる。笑いやアクションだけでなくエピソードの質も高いことから入門編として推す人も多いが、いかんせん連続した物語の一部なので、どうせ読むならVol.1からをお薦めしたい。ちなみに今回はウルヴァリンやキャプテン・アメリカも登場する。
タイトルの「グッド・バッド・アンド・アグリー」は、マカロニ・ウェスタン映画の傑作『続・夕陽のガンマン』の原題からの引用。

 

X-MENユニバース:シビル・ウォー

https://www.amazon.co.jp/dp/4864912726/

ライター=ピーター・デビッド、ファビアン・ニシーザ
アーティスト=デニス・カレロ、スタズ・ジョンソン
訳者=御代 しおり、石川 裕人

発行年月=2016年3月  価格=2,370円+税
ページ数=120ページ  出版社=ヴィレッジブックス

マーベル・ユニバース最大のクロスオーバー・イベント「シビル・ウォー」は、ヒーローが正体を明かして政府に登録しなければならないという法律「超人登録法」への賛成・反対をめぐって、ヒーローたちが内戦に突入するストーリー。その中から、デップーの登場するエピソード(2006年9~11月に刊行)が収録された1冊だ。
映画『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』とは大元の設定が異なるため、まずはコミック『シビル・ウォー』で予習が必要なほか、収録されているエピソードが『ケーブル&デッドプール』誌の途中ということもあり、デップーどころかアメコミ的にもそこそこ上級編といってよさそう。

 

デッドプール Vol.4:デッドプール VS. シールド

https://www.amazon.co.jp/dp/4796875859/

ライター=ジェリー・ダガン、ブライアン・ポゼーン
アーティスト=スコット・コブリッシュ他
訳者=高木 亮

発行年月=2016年4月  価格=1,800円+税
ページ数=136ページ  出版社=小学館集英社プロダクション

「マーベル・ナウ!」シリーズ第4弾で、2014年2~5月に刊行されたエピソードを収録している。タイトル通り、今回デップーの相手となるのはシールド。Vol.3とはうってかわってコメディタッチの1冊で、『キャプテン・アメリカ』誌のヴィランであるクロスボーンズや、MCU作品を観ている人にもおなじみコールソンも登場する。
Vol.1から続いてきた一連の物語がひとまず決着するので、長編のまとめ買いを考えている人は一旦ここまで買うのも良さそう。

 

ホークアイ VS. デッドプール

https://www.amazon.co.jp/dp/4796875964/

ライター=ジェリー・ダガン
アーティスト=マテオ・ロリ、ヤコポ・カマーニ
訳者=中沢 俊介

発行年月=2016年5月  価格=2,200円+税
ページ数=120ページ  出版社=小学館集英社プロダクション

2014年11月~2015年3月に刊行されたミニ・シリーズを収録した1冊。ハロウィンのブルックリンで起きた殺人事件にホークアイとデッドプールが挑む物語で、「VS.」と言いつつしっかりタッグを組む。邦訳版『ホークアイ』を読んでいなくても十分楽しめるので、映画『アベンジャーズ』シリーズでホークアイ推しになった方もぜひ。
……といいつつ、この作品には邦訳刊行順の落とし穴がある。ストーリー自体は独立しているが、ライターを「マーベル・ナウ!」シリーズを執筆しているジェリー・ダガンが担当しているため、そちらの展開が踏まえられているのだ。邦訳未刊部分の内容も含まれるので、若干のネタバレになる。気にせず読むか邦訳を待つかはあなた次第だ。

 

ケーブル&デッドプール:青の洗礼

https://twitter.com/vb_amecomi/status/733581013658394624

ライター=ファビアン・ニシーザ
アーティスト=ロブ・ライフェルド、マーク・ブルックス、シェーン・ロー、パトリック・ジルシャー
訳者=小池 顕久

発行年月=2016年5月  価格=2,400円+税
ページ数=136ページ  出版社=ヴィレッジブックス

2004年5~10月に刊行された『ケーブル&デッドプール』誌の第1~6話を収録した1冊。映画版の続編に登場するらしいケーブルとデップーが出会うストーリーで、二人がチームアップに至るまでを読むことができる。
本国での刊行から12年越しの邦訳だが、ストーリーは他の邦訳本から独立しているので、あえて他を読まずにここから読み始めるのも楽しいかもしれない。こちらを読んでから『X-MENユニバース:シビル・ウォー』を読むのがお薦め。邦訳続刊希望!

 

デッドプール:ドラキュラズ・ガントレット

https://www.amazon.co.jp/dp/4796875972/

ライター=ジェリー・ダガン、ブライアン・ポゼーン
アーティスト=スコット・コブリッシュ他
訳者=高木 亮

発行年月=2016年6月  価格=2,400円+税
ページ数=200ページ  出版社=小学館集英社プロダクション

2014年7~8月に刊行されたミニ・シリーズを収録した1冊。「マーベル・ナウ!」シリーズのライターとアーティストが手がけているだけに、もはや「Vol.4.5」と言えるほど、物語がシリーズとガッツリ繋がっている。とはいえ、もちろん単独でもおもしろく読める1冊ではある。
今回のデップーには、ドラキュラのもとに夜魔の女王シクラーを連れて行くという任務が課せられる。しかし道中でデップーとシクラーが恋に落ちて……という物語だ。マーベル発ヴァンパイア・ハンター、ブレイドも登場する。
「マーベル・ナウ!」シリーズ、『Vol.5:ウェディング・オブ・デッドプール』に続く!

 

これからの刊行予定

今後もデッドプールが登場する作品は邦訳版がぞくぞくと刊行予定だ。

小学館集英社プロダクションによる「マーベル・ナウ!」シリーズの邦訳版は2016年のうちに完結する予定で、7月13日頃に『Vol.5:ウェディング・オブ・デッドプール』が発売されるほか、夏に『Vol.6: オリジナル・シン(仮)』秋に『Vol.7: アクシス(仮)』と『Vol.8: オール・グッド・シングス(仮)』(シリーズ完結編)が刊行される。

また、ヴィレッジブックスからはデッドプールの名を冠した作品の刊行予定こそ出ていないものの、7月15日に『X-フォース/ケーブル:メサイア・ウォー Vol.1』が、9月には『X-フォース/ケーブル:メサイア・ウォー Vol.2』が通販限定で発売される。こちらにはデップーが参戦しているようだ。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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