現在開催中のニューヨーク・コミコンで、マーベルが『デッドプール』の衝撃の新作を発表した。

タイトルは『デッドプール・ザ・ダック』。十分にご想像いただけると思うが、今度はデッドプールとハワード・ザ・ダックという人気キャラ2人（匹）のチームアップだ。しかし普通のチームアップではない。合体するのである。

ハワード・ザ・ダックって？

『デッドプール・ザ・ダック』をご紹介する前に、ハワード・ザ・ダックをよく知らない方に向けて、簡単にキャラクターの説明をしておきたい。

マーベル・コミックのキャラクターであるハワード・ザ・ダックは、もともとは水鳥が知的生命体に進化した世界「ダックワールド」の住人で、ひょんなことから地球に落下してきたという設定だ。短気で口が悪い。ビジュアルがドナルド・ダックに似すぎていたためにディズニーに訴えられたこともある。

また、ハワード・ザ・ダックはこれまで映画に2回登場している。

1回目は自身が主役の映画『ハワード・ザ・ダック 暗黒魔王の陰謀』で、かのジョージ・ルーカスが製作総指揮を務めたにも関わらず超不評、ゴールデンラズベリー賞で4部門を受賞している。恐ろしいことに今年12月にはBlu-rayが発売されるので、未見の方はぜひご覧いただきたい。

そして2回目の登場はマーベル・シネマティック・ユニバース作品、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のポスト・クレジットシーンだ。ベニチオ・デル・トロ扮するコレクターとともに、彼のコレクションのひとつ（？）として優雅に出演している。めでたくMCU入りを果たしたわけで、きっとどこかで再登場するのではないだろうか……。

『デッドプール・ザ・ダック』

さて、ようやく本題である。マーベルが発表した新シリーズ『デッドプール・ザ・ダック』は、2017年1月より全5号が刊行されるミニ・シリーズだ。

あらすじ

ある日、ウェイド・ウィルソン/デッドプールは、地球に脅威をもたらす異星人を捕獲するようS.H.I.E.L.D.に命じられる。簡単すぎる任務だと思っていたデッドプールだったが、短気で喧嘩っ早いハワード・ザ・ダックが関わってきたことで事態は急変。よりによってデッドプールとハワード・ザ・ダックは最悪の場所、最悪のタイミングで出会ってしまう。奇妙な事故が原因で合体してしまった二人は、自分の主導権をめぐって争うことになって……。

シリーズのライターを務めるのは、これまでにも『デッドプール』を執筆してきたスチュアート・ムーア。アートは『ホークアイ VS. デッドプール』（邦訳版：小学館集英社プロダクション）を手がけたヤコポ・カマーニが担当する。カバーイラストは、映画『ベイマックス』の原作コミック『BIG HERO 6』でアートを描いたデビッド・ナカヤマだ。

デッドプールとハワード・ザ・ダック、どう見ても狂暴な組み合わせだが、そのビジュアルはやはりキュート。第1号のカバーイラストを見ると、ぜひ本編を読んでみたくなる。

毎回ゲスト・キャラクターが登場か？

『デッドプール・ザ・ダック』は全5号のミニ・シリーズながら、毎回ゲスト・キャラクターが登場するようだ。第2号のカバーイラストには、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のロケット・ラクーンが描かれている。キュートかつ狂暴、という意味ではロケットもなかなかの存在である。デッドプール・ザ・ダックとどんな対決を見せるのだろうか？

デッドプール・ザ・ダック、実は初登場じゃなかった？

これはあくまでトリビア的な情報だが、以前にもデッドプールとハワード・ザ・ダックは合体したことがある。「デッドプールが並行世界の自分を殺しまくる」というブッ飛んだコミック『デッドプール・キルズ・デッドプール』には、ダックワールドに存在するデッドプールが登場するのだ。名前も同じ「デッドプール・ザ・ダック」で、デザインもすごくよく似ている……。

ミニ・シリーズ『デッドプール・ザ・ダック』は2017年1月より刊行開始。アメコミを取り上げる記事では最近いつも書いている気がするが、ぜひ邦訳版の出版をご検討ください！

sources: http://comicbook.com/2016/10/07/deadpool-the-duck-announced-by-marvel-at-nycc/
http://marvel.wikia.com/wiki/Wade_Wilson_(Earth-791021)