マーティン・スコセッシ監督作『ディパーテッド』撮影時の貴重なドキュメンタリー映像が無料公開

アカデミー賞4部門受賞を果たした巨匠マーティン・スコセッシ監督による犯罪サスペンス映画『ディパーテッド』(2006)撮影の裏側を収めたドキュメンタリー映像が、動画共有サイトVimeoにて無料公開された。撮影に挑むスコセッシ監督の貴重な姿が収められている。
米Anthology Film Archivesより公開されたこの映像の原題は『Notes on an American Film Director at Work: Martin Scorsese』。『ディパーテッド』は、レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソンら、ハリウッドを代表する豪華俳優と、巨匠スコセッシ監督がタッグを組んだ渾身の一作だ。ディカプリオ演じる警察に潜入した犯罪者ビリー・コスティガンと、デイモン演じる犯罪組織に潜入した警官コリン・サリバン、2人のキャラクターの対立軸を基に、ギャング組織が街を牛耳る闇の世界で、手段を選ばず己の宿命を全うする男たちの姿が描かれた。
本映像を手がけたのは、1967年公開の『ドアをノックするのは誰?』の頃から、スコセッシと深い親交を持っていたという映像作家ジョナス・メカス氏。2人は、スコセッシがニューヨーク大学の学生だった時に出会い、スコセッシはよくメカス氏の映画上映に足を運んでいたのだそう。メカス氏は2019年に他界しているが、生前は映像制作のみならず、上映禁止となった映画作品の上映先を自ら探すなど、前衛的な作品の保護に尽力した。
1時間3分にも及ぶ映像は、撮影初日のメカス氏を優しく迎え入れるスコセッシの姿から始まる。作中では、スコセッシが、撮影現場でディカプリオら出演者たちと綿密な話し合いを行ったり、真剣な眼差しでカメラを覗き込んだり、時に椅子に座ってホッと一息ついたりと、ありのままの姿が映し出されている。作品は、スコセッシの回顧録として当初は5〜10分のショートフィルムになる予定だったというが、計15時間分の映像から短編と長編の2種類が編集されたという。生前のメカス氏は、「皆がマーティンのことが大好きだったから、素晴らしい時間を過ごしました」と語っていた。
スコセッシ作品のファンのみならず、フィルムメーカーを志す者にとっても必見の1作と言えるだろう。
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